MLB30球団分析:サンディエゴ・パドレスの2015シーズン開幕前戦力分析

San Diego Padres Top Catch

2006年のディビジョンシリーズでの敗退以来、ポストシーズン進出を8年連続で逃し続け、特にこの4年間は80勝を下回っての負け越しが続き、再建モードへの移行もメディアによって予想されることもあったパドレスでした。

しかし、新しくGMとなったA.J.プレラーが大胆のトレードと大物FA選手の獲得で一気にロースターを組み替えてきました。

そのサンディエゴ・パドレスの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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パドレスの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのパドレスのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 535(MLB30位/NL15位)
打率 .226(MLB30位/NL15位)
出塁率 .292(MLB30位/NL15位)
長打率 .342(MLB30位/NL15位)
盗塁 91(MLB17位/NL9位)
2014年投手陣成績 防御率 3.27(MLB4位/NL2位)
SP防御率 3.55(MLB9位/NL6位)
QS 91(MLB10位/NL8位)
RP防御率 2.73(MLB2位/NL1位)
SV率 83.67%(MLB1位/NL1位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +37(MLB5位/NL3位)
UZR +8.9(MLB9位/NL4位)
UZR:

メジャー屈指の投手有利の本拠地であるペトコ・パークに加えて、フィールドが広い球場が多いナ・リーグ西地区ということも活かして、投手陣はMLBトップクラスの成績を残しています。

投手陣全体の防御率はナ・リーグ2位で、特にリリーフ陣の防御率はナ・リーグ1位となるなど強力でした。そして守備のスタッツもナ・リーグトップクラスとなるなど、ディフェンス面は非常にしっかりしていた2014年のパドレスでした。

それでも77勝85敗と負け越してしまったのは、ひとえに打線の得点力不足が理由でした。得点、打率、出塁率、長打率などは全て両リーグ最下位となり、1試合平均では3.3点しか奪えず、投手陣を見殺しにしてしまいました。

そのパドレスのシーズンオフの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:マット・ケンプ(OF)
TR:ウィル・マイヤーズ(OF)
TR:ジャスティン・アップトン(OF)
TR:デレク・ノリス(C)
TR:ウィル・ミドルブルックス(3B)
FA:ジェームズ・シールズ(SP)
FA:クリント・バームス(IF)
FA:ブランドン・モロー(SP)
TR:ティム・フェデロウィッツ(C)
TR:ショーン・ケリー(RP)
TR:ブランドン・マウラー(SP/RP)
主な戦力流出 TR:セス・スミス(OF)
TR:ヤスマニ・グランダル(C)
TR:レネ・リベラ(C)
TR:ジェシー・ハン(SP)
TR:ジョー・ウィーランド(SP)
FA:エバース・カブレラ(SS)
FA:ティム・ストーファー(RP)
TR:アレックス・トーレス(RP)

A.J.プレラーGMがとったオフの戦略は、足りないところを補うという補強ではなく、大胆なトレードを行いロースター全体のグレードアップさせるというものでした。

2014年に結果を残したセス・スミスのような打者が外野にいながらも、マット・ケンプ、ジャスティン・アップトン、ウィル・マイヤーズといった選手、捕手も長打力のあるヤスマニ・ガンダル、レネ・リベラがいるにもかかわらず、デレク・ノリスをアスレチックスから獲得しました。

また元々、安定感のあった投手陣ではあったのですが”エース”と呼ぶ存在に欠けているところがあったのですが、ジェームズ・シールズを獲得することで、その問題も解消しました。

強力だった投手陣の大部分とチーム内のトップクラスのプロスペクトは放出することなく、一気にポストシーズンを狙えるチームを作り上げたことで、A.J.プレラーGMは大きな注目を集めることになりました。

パドレスの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF) ウィル・マイヤーズ
    打率.222/本塁打6/打点35/出塁率.294/長打率.320
  2. (1B) ヨンダー・アロンソ
    打率.240/本塁打7/打点27/出塁率.285/長打率.397
  3. (RF) マット・ケンプ
    打率.287/本塁打25/打点89/出塁率.346/長打率.506
  4. (LF) ジャスティン・アップトン
    打率.270/本塁打29/打点102/出塁率.342/長打率.491
  5. (3B) ウィル・ミドルブルックス
    打率.191/本塁打2/打点19/出塁率.256/長打率.265
  6. (C) デレク・ノリス
    打率.270/本塁打10/打点55/出塁率.361/長打率.403
  7. (2B) ジェド・ジョーコ
    打率.210/本塁打10/打点51/出塁率.280/長打率.333
  8. (SS) アレクシー・アマリスタ
    打率.239/本塁打5/打点40/出塁率.286/長打率.314

【予想ベンチメンバー】

  • (C)ウィル・ニエベス
    打率.254/本塁打1/打点7/出塁率.270/長打率.344
  • (C)ティム・フェデロウィッツ
    打率.113/本塁打1/打点5/出塁率.158/長打率.197
  • (3B)ヤンガービス・ソラルテ
    打率.260/本塁打10/打点48/出塁率.336/長打率.369
  • (OF)キャメロン・メイビン
    打率.235/本塁打1/打点15/出塁率.290/長打率.331
  • (IF)クリント・バームス
    打率.245/本塁打0/打点7/出塁率.328/長打率.294
  • (OF)ウィル・ベナブル
    打率.224/本塁打8/打点33/出塁率.288/長打率.325

センターはウィル・マイヤーズ、ライトはマット・ケンプ、レフトはジャスティン・アップトンという布陣になります。右の強打者を揃えることができたのですが、懸念されるのは3人共に守備のセイバーメトリクスの数字が芳しくなく、広い球場の多いナ・リーグ西地区では大きなダメージになるのではないかということです。

守備防御点(DRS)が-UZR/150という守備の指標で、2014年のパドレス外野陣と、アップトン、マイヤーズ、ケンプの3人で比較すると明らかに数字が落ちます。

ディフェンスが良かったチームなのですが、正捕手となるデレク・ノリスもあまり守備が良い方ではないため、守備面ではグレードダウンしたと考えられます。

打線はアップトン、ケンプ、マイヤーズ、ミドルブルックス、ノリスが加わり得点力がアップすると予想されます。が、投手有利のペトコ・パークに移ることで、本塁打数などは減少すると考えられ、昨シーズン以上、もしくは同程度の数字を求めるのは酷な要求だと予想されます。

また元々、パドレスにいたレギュラーメンバーは基本的にバウンスバックに期待することになりますので、そのあたりは不確定な要素となっています。

外野手はいまだ余っている状態で、キャメロン・メイビンはトレード要員となっていると報じられています。

パドレス投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

パドレスの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP)ジェームズ・シールズ
    227.0回/防御率3.21/14勝8敗/WHIP1.18
  2. (SP)アンドリュー・キャッシュナー
    123.1回/防御率2.55/5勝7敗/WHIP1.13
  3. (SP)イアン・ケネディ
    201.0回/防御率3.63/13勝13敗/WHIP1.29
  4. (SP)タイソン・ロス
    195.2回/防御率2.81/13勝14敗/WHIP1.21
  5. (SP/RP)ブランドン・マウラー
    69.2回/防御率4.65/0SV/WHIP1.33

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)ホアキン・ベノワ
    54.1回/防御率1.49/14SV/WHIP0.77
  • (SET)ケビン・クェッケンブッシュ
    54.1回/防御率2.48/6SV/WHIP1.10
  • (SET)デイル・セイヤー
    65.1回/防御率2.34/0SV/WHIP1.06
  • (RP)ショーン・ケリー
    51.2回/防御率4.53/4SV/WHIP1.26
  • (RP)ニック・ビンセント
    55.0回/防御率3.60/0SV/WHIP1.00
  • (SP)オドリサメル・デスパイネ
    96.1回/防御率3.36/4勝7敗/WHIP1.21

先発投手陣はジェームズ・シールズを加えたことでタイソン・ロス、もしくはイアン・ケネディを4番手における強力な布陣となりました。

先発5番手は開幕時はブランドン・マウラーが務め、オドリサメル・デスパイネがロングリリーフにまわるようですが、マウラーはブルペンでのほうが良い成績を残していますので、シーズン中にデスパイネと入れ替わる可能性があります。

クローザーは昨シーズン途中にヒューストン・ストリートをエンゼルスにトレードした後に、その座に座ったホアキン・ベノワが務める見込みです。

昨シーズンのブルペン陣ではティム・ストーファー(防3.50/WHIP1.40)、アレックス・トーレス(防3.33/WHIP1.46)を放出しましたが、それでも層が厚い状態で、今シーズンもチームの重要な柱となりそうです。

総括・まとめ

先発ローテーションと攻撃面でのグレードアップに成功し、元々強力だったブルペン陣の主要な投手は残っているため、一気にポストシーズンが狙えるチームに変貌したパドレスです。

ただ、不安材料としてあげられるのは、打線が寄せ集めのため「点」ではなく「線」として機能できるかどうか、そしてクラブハウスに一体感が生まれるかどうか、ケンプが故障がちであること、外野守備に不安があること、そしてバックアップメンバーの質に疑問符がつくことなどです。

攻撃は「線」で機能しないと、質の悪い投手を打ち込むことはできても、質の良い投手を攻略することができなくなります。長打力では勝るものの、そのチーム全体での攻撃という面ではジャイアンツに劣る印象で、上位から下位までの打線全体の迫力と層の厚さではドジャースに劣ります。

パドレスの攻撃力はアップしたものの、ドジャース、ジャイアンツを上回るほどになったとは考えにくいものがあります。

その一方で投手陣に関しては先発ローテがその2チームと遜色がなく、リリーフ陣では、層と質に関してはドジャースを大きく上回り、層の厚さでジャイアンツをやや上回る印象です。

ただ、先に述べたようにチームとして機能できるかどうかということが非常に重要でジャイアンツはそこを重視していて、ドジャースもオフの動向で改善されているため、この2強を崩すのは容易ではありません。

プレーオフを狙えるチームにはなったもののの、ワイルドカードの最後の一枠を争うシーズンになると予想される2015年のサンディエゴ・パドレスです。