MLB30球団分析:シアトル・マリナーズの2015シーズン開幕前戦力分析

Seattle Mariners Top Catch

2001年に116勝をしてプレーオフに進出した後の、2002年と2003年にそれぞれ93勝を上げたものの、その後は90勝に到達していないマリナーズです。

2014年はレギュラーシーズンの最終戦までワイルドカード争いに残ったものの、87勝75敗で首位のエンゼルスには11ゲームを離されての地区3位に終わりました。

ロビンソン・カノの獲得、カイル・シーガーや若いブルペン陣の台頭などがチームがポストシーズンを争える位置に押し上げた2014年ではありましたが、いまだ改善すべき点は多く、オフの補強が注目されていたマリナーズでした。

そのマリナーズの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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マリナーズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのマリナーズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 634(MLB18位/AL12位)
打率 .244(MLB23位/AL14位)
出塁率 .300(MLB27位/AL15位)
長打率 .376(MLB21位/AL12位)
盗塁 96(MLB15位/AL8位)
2014年投手陣成績 防御率 3.17(MLB2位/AL1位)
SP防御率 3.48(MLB8位/AL3位)
QS 83(MLB21位/AL10位)
RP防御率 2.59(MLB1位/AL1位)
SV率 80.95%(MLB3位/AL2位)
2014年投手陣成績 守備防御点(DRS) -11(MLB19位/AL6位)
UZR 8.4(MLB10位/AL6位)

投手陣全体の防御率3.17がMLB全体で2位、ア・リーグでは1位になりました。先発投手の防御率は3.48でやや落ちるものの、それでもア・リーグ3位となっています。

特筆すべきはリリーフ陣の安定感で、防御率2.59は両リーグトップの数字で、指名打者制のア・リーグでこの数字は際立ったものと言えます。

またクローザーの不安定さが課題だったマリナーズでしたが、ランナーは出すものの結果として抑えるというフェルナンド・ロドニーが加わったことによりセーブ成功率も80.95%でMLB全体で3位、ア・リーグ2位になるなど、ブルペンがマリナーズの最大のストロングポイントとなりました。

その一方で打線の得点力が弱く、チーム総得点634がア・リーグ12位、打率.244が同14位、出塁率.300が同15位、長打率.376が同12位と、投手陣とは逆に軒並み底辺をさまよってしまったことが、ポストシーズンを逃す最大の原因となってしまいました。

そのためオフの補強は打線の強化が重要なポイントとなりました。

マリナーズの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA:ネルソン・クルーズ(OF/DH)
FA:リッキー・ウィークス(OF/IF)
トレード:セス・スミス(OF)
トレード:ジャスティン・ルジアーノ(OF)
トレード:J.A.ハップ(SP)
トレード:マイク・キックハム(RP)
FA:ケビン・コレイア(SP)
FA:ジョン・ベイカー(C)
FA再契約:エンディ・チャベス(OF)
FA再契約:フランクリン・ギティエレス(OF)
FA:ジョー・ソーンダース(SP/RP)
主な戦力流出 FA:クリス・ヤング(SP)
トレード:マイケル・ソーンダース(OF)
FA:ブレイク・ベバン
FA:コリー・ハート
FA:クリス・デノフィーア(OF
トレード:ブランドン・マウラー(RP)
FA:ハンベルト・キンテーロ(C)
FA:ケンドリス・モラレス(1B/DH)

主な戦力流出は防御率3.65で12勝9敗の成績を残したクリス・ヤングとリリーフで機能したブランドン・マウラー、打線ではケンドリス・モラレス、コリー・ハート、マイケル・ソーンダース、クリス・デノフィーアとなっています。

投手のクリス・ヤングの穴はおおきいものの、その穴を埋めるためにJ.A.ハップを獲得しています。リリーフに関しては元々層が厚いため大きな動きはないものの、さらに競争を激化させるような小規模の補強にとどめています。

打線は、マイケル・ソーンダースを除き、成績が良くない選手がチームを去ったため、さほど戦力ダウンにはならなかったところに、ネルソン・クルーズ、セス・スミス、リッキー・ウィークス、ジャスティン・ルジアーノらを加えましたので、グレードアップすることができたと考えられるオフの補強となりました。

マリナーズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想される2015年のスターティングメンバーと打順、ならびにベンチメンバーの候補は以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF)オースティン・ジャクソン
    打率.256/本塁打4/打点47/出塁率.308/長打率.347
  2. (RF)セス・スミス
    打率.266/本塁打12/打点48/出塁率.367/長打率.440
  3. (2B)ロビンソン・カノ
    打率.314/本塁打14/打点82/出塁率.382/長打率.454
  4. (DH)ネルソン・クルーズ
    打率.271/本塁打40/打点108/出塁率.333/長打率.525
  5. (3B)カイル・シーガー
    打率.268/本塁打25/打点96/出塁率.334/長打率.454
  6. (1B)ローガン・モリソン
    打率.262/本塁打11/打点38/出塁率.315/長打率.420
  7. (LF)ダスティン・アクリー
    打率.245/本塁打14/打点65/出塁率.293/長打率.398
  8. (C)マイク・ズニーノ
    打率.199/本塁打22/打点60/出塁率.254/長打率.404
  9. (SS)ブラッド・ミラー
    打率.221/本塁打10/打点36/出塁率.288/長打率.365

【予想ベンチメンバー】

  • (LF)リッキー・ウィークス
    打率.274/本塁打8/打点29/出塁率.357/長打率.452
  • (RF)ジャスティン・ルジアーノ
    打率.281/本塁打6/打点28/出塁率.337/長打率.429
  • (UT)ウィリー・ブルームクイスト
    打率.278/本塁打1/打点14/出塁率.297/長打率.346
  • (C)ヘスス・スクレ
    打率.213/本塁打0/打点5/出塁率.213/長打率.246
  • (SS)クリス・テイラー
    打率.287/本塁打0/打点9/出塁率.347/長打率.346
  • (C)ジョン・ベイカー
    打率.192/本塁打0/打点15/出塁率.273/長打率.231

センターはオースティン・ジャクソン、レフトはアクリーとウィークス、ライトはスミスとルジアーノの左右のブラトーンでの起用が基本的な編成となります。

ただ、オースティン・ジャクソンの154試合だった出場試合数を減らす、センターの負担が大きいため、ルジアーノがメインのバックアップに。ジャクソンが休養をとるときに加えて、ジャクソン自身の出塁率が高くないため、リードオフヒッターにはリッキー・ウィークスが入る試合も増えると見られています。

リッキー・ウィークスはブルワーズでも1番打者を務めていた経験があり、スピードもあり、出塁率もそれなりに期待できるため、場合によってはこの打順での出番が増えそうです。

ロビンソン・カノとカイル・シーガーというマリナーズの主軸2人が左打ちのため、その間を打つ右打者が必要でしたが、2014年はモラレス、ハートの両者が機能しませんでした。

しかし、オフの補強で2014年のア・リーグ本塁打王となったネルソン・クルーズを獲得し、その問題解消にメドがついています。クルーズはカノ同様に打者有利の球場が多いア・リーグ東地区から、セーフコ・フィールドをメインの球場とすることで数字が落ちる可能性が高いものの、打線のバランスを良くし、カノとシーガーの負担を減らせそうです。

ショートはブラッド・ミラーとクリス・テイラーが激しく争っていたものの、テイラーが右手首を骨折して4-6週間は離脱することになりましたので、ミラーで確定となりました。

そのテイラーが不在になったことによりショートのバックアップが心もとないのですが、ユーティリティプレーヤーのウィリー・ブルームクイストがその役割をしばらくは担うことにとになりそうです。

バックアップ捕手はヘスス・スクレが有力ですが、マイナーで経験を積ませることを優先する場合には、昨シーズンのジョン・バックやハンベルト・キンテーロの役割をジョン・ベイカーが務めることになると予想されます。

マリナーズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

マリナーズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. フェリックス・ヘルナンデス
    236.0回/防御率2.14/15勝6/WHIP0.92
  2. 岩隈久志
    179.0回/防御率3.52/15勝9/WHIP1.05
  3. ジェームズ・パクストン
    74.0回/防御率3.04/6勝4/WHIP1.20
  4. J.A.ハップ
    158.0回/防御率4.22/11勝11/WHIP1.34
  5. タイファン・ウォーカー
    38.0回/防御率2.61/2勝3/WHIP1.29
  6. ロエニス・エリアス
    163.2回/防御率3.85/10勝12/WHIP1.31
  7. エラスモ・ラミレス
    75.1回/防御率5.26/1勝6/WHIP1.54

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)フェルナンド・ロドニー
    66.1回/防御率2.85/48SV/WHIP1.34
  • (SET)ダニー・ファーカー
    71.0回/防御率2.66/1SV/WHIP1.13
  • (SET)トム・ウィルヘルムセン
    79.1回/防御率2.27/1SV/WHIP1.05
  • ヨアビス・メディーナ
    57.0回/防御率2.68/0SV/WHIP1.33
  • ドミニク・レオン
    66.1回/防御率2.17/0SV/WHIP1.16
  • チャーリー・ファーブッシュ
    42.1回/防御率3.61/1SV/WHIP1.16
  • ロエニス・エリアス
    163.2回/防御率3.85/0SV/WHIP1.31
  • エラスモ・ラミレス
    75.1回/防御率5.26/0SV/WHIP1.54
  • カーソン・スミス
    8.1回/防御率0.00/0SV/WHIP0.60
  • ルーカス・リットキー
    9.0回/防御率5.000SV/WHIP1.22

先発1番手、2番手のヘルナンデスと岩隈のコンビはメジャーでもトップクラスの1-2コンビで一定の計算ができますので、問題は3番手以降となります。

3番手を務めていたクリス・ヤングが抜けたものの、ブルージェイズでローテを守っていたJ.A.ハップを獲得して、ある程度の穴を埋める見通しが立っています。

またジェームズ・パクストンは、健康でさえあれば2番手を務めることができるとのメディアによる評価もあり、1年を通して投げることができれば、それなりの数字が期待できます。

先発5番手はタイファン・ウォーカー、ロエニス・エリアス、エラスモ・ラミレスが争っているものの、ウォーカーがその座を射止めることが濃厚です。

ロエニス・エリアスはマイナー降格のオプションが残っていますが、ラミレスは残っていませんので、ロングリリーフとしてもポジションがないようであれば、トレードを模索することになりそうです。

またかつてのトッププロスペクトであるダニー・ハルツェンも順調に回復していて、良い投球を見せていますので、3Aで試合を重ねたシーズン終盤には、重要な役割を果たす可能性がありそうです。

リリーフ陣はブランドン・マウラーをトレードで出した後でも、十分に層が厚く、スプリング・トレーニングでも25人にカットしていくのが難しいとされるほどで、2015年も大きな強みとなりそうです。

クローザーのフェルナンド・ロドニーは相手を完全に封じ込めるほどの圧倒感はないものの、48セーブを上げる一方で、セーブ失敗はわずかに3回で、成功率は94.1%と非常に高い数字を残しました。

ファーカーやウィルヘルムセンがクローザーとしては結果を残せていませんが、セットアップとしてはしっかりと働けていますので、ロドニーが今年もクローザーとして働き続けれるかどうかは、非常に重要なポイントとなりそうです。

総括・まとめ

打線の補強を行い2014年よりも打線が強化されたと考えられるマリナーズですが、同地区のライバルであるエンゼルスを上回るような打線になったわけではありません。

そのためやはり鍵となるのは投手陣です。

エンゼルスよりもリリーフ陣は遥かに強力なのですが、その一方で先発投手陣は若いジェームズ・パクストンとタイファン・ウォーカーの2人がどれだけその才能を開花させて、結果を残すかどうかにかかっています。

ジェームズ・パクストンはやや故障がちなところが懸念材料で、それさえなければバクストンをNO.2にして、岩隈をNo.3にできるのではとの評価もありますので、健康状態が最大の焦点となります。

また多くの球団が大物選手のトレード交渉の際には必ず名前を上げるとされ、MLBでもトップクラスのプロスペクトとして評価されてきたタイファン・ウォーカーがブレイクすれば、マリナーズはフロントスタータークラスの投手を4人抱えることができます。

逆にこの2人が故障や不調でうまく機能しない場合には、やや弱さが目立つようになりますので、2014年に11ゲーム差をつけられたエンゼルスを捉えることは容易ではなくなりそうです。

ただ、確実に2014年よりも得点力はアップすることが期待でき、ブルペンは質と量ともに揃っているため、ワイルドカード争いには絡んでくることが有力です。

しかし、地区優勝を目指すのであれば、ウォーカーとパクストンの活躍と、オフの補強で獲得したネルソン・クルーズとセス・スミスらのが結果を残すことが不可欠となります。

このようなピースがうまくはまればエンゼルスと互角に戦うポテンシャルがあるとと考えられる2015年のマリナーズで、投打ともに選手層が厚くなってきていますので、久々のプレーオフ進出と地区優勝が期待ができるシーズンとなりそうです。