MLB30球団分析:ロサンゼルス・ドジャースの2015シーズン開幕前戦力分析

Los Angels Dodgers Top Catch

94勝68敗で同じ地区の最大のライバルであるサンフランシスコ・ジャイアンツに6ゲーム差をつけて地区2連覇を果たしたものの、ポストシーズンではディビジョンシリースで早々に敗退し、ファンを落胆させて終わってしまった2014年のドジャースでした。

そのドジャースは、フロントに前レイズGMのアンドリュー・フリードマン、前アスレチックスのアシスタントGMを務めたファラハーン・ザイディ、前パドレスGMのジョシュ・バーンズらを招聘しました。

そしてそのフロント陣に酔って94勝をあげたチームのロースターをトレードとFAで組み替えたシーズンオフでした。

そのドジャースの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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ドジャースの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのドジャースのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 718(MLB6位/NL2位)
打率 .265(MLB3位/NL2位)
出塁率 .333(MLB1位/NL1位)
長打率 .406(MLB6位/NL2位)
盗塁 138(MLB2位/NL1位)
2014年投手陣成績 防御率 3.40(MLB6位/NL4位)
SP防御率 3.20(MLB2位/NL2位)
QS 100(MLB6位/NL5位)
RP防御率 3.80(MLB22位/NL12位)
SV率 77.05%(MLB5位/NL3位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +26(MLB9位/NL5位)
UZR -8.3(MLB23位/NL13位)

エイドリアン・ゴンザレス、マット・ケンプ、ハンリー・ラミレス、ヤシエル・プイグ、カール・クロフォード、ディー・ゴードンらスター選手を並べた打線は強力で、ナ・リーグでは軒並み1位か2位になりました。

投手陣全体の防御率はナ・リーグ4位、更にはカーショーとグレインキーというメジャー最高のNO.1-2コンビを軸とする先発投手陣の防御率はリーグ2位となるなど、強力でした。

難点があったのはブルペン陣で、ケンリー・ジャンセンがいるためセーブ成功率こそ高いものの、全体的には不安定でリリーフ陣の防御率はナ・リーグ12位と低迷し、プレーオフでも早い敗退の要因の1つとなってしまいました。

また守備面ではアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)ではナ・リーグ13位となるなど、不安があった2014年シーズンのドジャースでした。

そのドジャースのシーズンオフにおける主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:ジミー・ロリンズ(SS)
FA:ブランドン・マッカーシー(SP)
FA:ブレット・アンダーソン(SP)
TR:ハウィー・ケンドリック(2B)
TR:ヤスマニ・グランダル(C)
TR:ジョー・ウィーランド(SP)
TR:エンリケ・ヘルナンデス(OF)
TR:B.J.ローゼンバーグ(RP)
FA:デビッド・ハフ(RP)
FA:エリック・ベダード(RP)
FA:ブランドン・ビーチー(SP)
TR:ジョエル・ペラルタ(RP)
FA:ダスティン・マゴワン(RP)
TR:クリス・ハッチャー(SP)
FA:フレディ・ガルシア(SP)
主な戦力流出 TR:ダン・ハレン(SP)
TR:ディー・ゴードン(2B)
TR:ドリュー・ブテラ(C)
TR:ホセ・ドミンゲス(RP)
TR:ロベルト・ヘルナンデス(SP)
FA:ポール・マホーム(SP/RP)
FA:クリス・ペレス(RP)
リリース:ブライアン・ウィルソン(RP)
TR:マット・ケンプ(OF)
引退:ジョシュ・ベケット(SP)
FA:ハンリー・ラミレス(SS)
FA:ケビン・コレイア(SP)

ジョシュ・ベケットが引退、ダン・ハレンがトレード、ケビン・コレイアがFAとなった先発ローテには、ブランドン・マッカーシーとブレット・アンダーソンの両FA投手に加えて、トミー・ジョン手術からの再起を目指しているブランドン・ビーチー、パドレスからトレードでジョー・ウィーランドなどを獲得しています。またマイナー契約ではありますが、先発ローテの層を厚くする補強としてフレディ・ガルシアも控えています。

リリーフ陣は1000万ドルの契約が残っていたブライアン・ウィルソンをリリースし、ジョエル・ペラルタをトレードで獲得し、その他は大物リリーフ投手を獲得するのではなく、ベテラン投手をマイナー契約で多く競わせることで層を厚くする方法を選択しています。

FAで去ったハンリー・ラミレスの後釜として、ショートにはフィリーズからジミー・ロリンズをトレードで獲得し、ディー・ゴードンをトレードで放出して空いたセカンドには、エンゼルスからハウィー・ケンドリックを獲得しています。

高額年俸の選手が揃っていた外野からはマット・ケンプをトレードでパドレスに放出しています。

このように大きな動きが続いたドジャースですが、トレードで出したダン・ハレン(1000万ドル)とディー・ゴードン(250万ドル)の年俸を全額負担、マット・ケンプ(2100万ドルのうち1800万ドル)は年俸の一部負担、さらにはブライアン・ウィルソン(1000万ドル)、ダスティン・マゴワン(約50万ドル)をリリースしていますので、ドジャースでプレーしない選手の年俸を4300万ドルも負担する2015年のドジャースです。

来年以降はこの金額が減るものの、トレードでジミー・ロリンズ(1100万ドル)、ハウィー・ケンドリック(970万ドル)ら年俸の高い選手を獲得し、FAではブランドン・マッカーシー(1025万ドル)やブレット・アンダーソン(800万ドル)を獲得していますので、年俸総額は2億7000万ドルとケタ違いの金額になっています。

ドジャースの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (SS) ジミー・ロリンズ
    打率.243/本塁打17/打点55/出塁率.323/長打率.394
  2. (LF) カール・クロフォード
    打率.300/本塁打8/打点46/出塁率.339/長打率.429
  3. (RF) ヤシエル・プイグ
    打率.296/本塁打16/打点69/出塁率.382/長打率.480
  4. (1B) エイドリアン・ゴンザレス
    打率.276/本塁打27/打点116/出塁率.335/長打率.482
  5. (2B) ハウィー・ケンドリック
    打率.293/本塁打7/打点75/出塁率.347/長打率.397
  6. (C) ヤスマニ・グランダル
    打率.225/本塁打15/打点49/出塁率.327/長打率.401
  7. (3B) フアン・ウリーベ
    打率.311/本塁打9/打点54/出塁率.337/長打率.440
  8. (CF) ジョク・ペダーソン
    打率.143/本塁打0/打点0/出塁率.351/長打率.143

【予想ベンチメンバー】

  • (C) A.J.エリス
    打率.191/本塁打3/打点25/出塁率.323/長打率.254
  • (IF) ジャスティン・ターナー
    打率.340/本塁打7/打点43/出塁率.404/長打率.493
  • (OF) アンドレ・イーシアー
    打率.249/本塁打4/打点42/出塁率.322/長打率.370
  • (OF) クリス・ハイジー
    打率.222/本塁打8/打点22/出塁率.265/長打率.378
  • (1B/OF) スコット・バンスライク
    打率.297/本塁打11/打点29/出塁率.386/長打率.524

リードオフヒッターはディー・ゴードン同様の数の盗塁はできないものの、35歳のシーズンも28盗塁(成功率82.3%)を成功させたジミー・ロリンズが務め、2番はかつてのような50盗塁以上はできないものの、昨シーズンも23盗塁(成功率79.3%)を成功させたカール・クロフォードが入ると見られています。

そして3番にはヤシエル・プイグ、4番にゴンザレス、そしてエンゼルスではアルバート・プホルスの後を打つことも多かった勝負強いハウィー・ケンドリックが座ります。

守備面ではA.J.エリスに劣るものの、長打力があり打撃面でははるかにグレードアップになると考えられているヤスマニ・グランダル、年齢は36歳となるも攻守に光るファン・ウリーベが下位打線を固め、さらにはトッププロスペクトのジョク・ペダーソンも控えています。

ジョク・ペダーソンは、昨シーズンに3Aの121試合で33本塁打、打率.303/出塁率.435/長打率.582/OPS1.017という打撃に加えて30盗塁を記録したトッププロスペクトです。

昨シーズンのメジャー昇格時には結果を残せなかったものの、スプリング・トレーニングの23試合57打数で打率.368/本塁打6/打点12/出塁率.400/長打率.754/OPS1.154という、今シーズンの大ブレイクを予感させる数字を残していて、打線に厚みを加えるにとどまらない活躍が期待できる状態です。

ハンリー・ラミレス、マット・ケンプ、ディー・ゴードンを失ったことは攻撃面では痛手ではあるのですが、ロリンズ、ケンドリック、グランダル、ペダーソンらの全体で十分にカバーできると予想されます。

また守備面ではロリンズ、ケンドリック、ペダーソンらが守備を固めることで、昨シーズンよりも大きくグレードアップすることが確実です。

守備の指標であるアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)によると、ハンリー・ラミレスは67名の遊撃手の中で最下位の一方で、ロリンズはナ・リーグで4位でした。

そしてディー・ゴードンはナ・リーグの87名の二塁手の中で74番目でしたが、ケンドリックはア・リーグで3番目の数字を残しています。これらの6人の順位は以下のとおりとなっています。

またマット・ケンプはナ・リーグの中堅手としては76名中74位、右翼手としては100名中92位でしたが、ライトにはヤシエル・プイグが入り、センターには5ツールプレーヤーとして守備面での評価も高いペダーソンが入ることになります。

ファーストにはゴールドグラブ賞を獲得したエイドリアン・ゴンザレス、サードには守備防御点(DRS)が+17でナ・リーグの三塁手でトップだったファン・ウリーベ、レフトにはカール・クロフォードが入りますので、得点力に関しては昨年同様の水準が期待できる上に、守備面でも大きな改善が期待できる状態となっています。

ドジャース投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ドジャースの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) クレイトン・カーショー
    198.1回/防御率1.77/21勝3敗/WHIP0.86
  2. (SP) ザック・グレインキー
    202.1回/防御率2.71/17勝8敗/WHIP1.15
  3. (SP) 柳賢振
    152.0回/防御率3.38/14勝7敗/WHIP1.19
  4. (SP) ブランドン・マッカーシー
    200.0回/防御率4.05/10勝15敗/WHIP1.28
  5. (SP) ブレット・アンダーソン
    43.1回/防御率2.91/1勝3敗/WHIP1.32

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) ケンリー・ジャンセン
    65.1回/防御率2.76/44SV/WHIP1.13
  • (SET) ジョエル・ペラルタ
    63.1回/防御率4.41/1SV/WHIP1.18
  • (SET) J.P.ハウエル
    49.0回/防御率2.39/0SV/WHIP1.14
  • (RP) ブランドン・リーグ
    63.0回/防御率2.57/0SV/WHIP1.46
  • (RP) パコ・ロドリゲス
    14.0回/防御率3.86/0SV/WHIP1.14
  • (RP) クリス・ハッチャー
    56.0回/防御率3.38/0SV/WHIP1.20
  • (SP/RP) フアン・ニカシオ
    93.2回/防御率5.38/6勝6敗/WHIP1.47

MLB最高のNo.1-2スターターであるカーショーとグレインキー、3番手に柳、バックエンドにブランドン・マッカーシー、ブレット・アンダーソンという非常に豪華な布陣となっています。

懸念があるとすれば健康面で、柳は昨年2度故障者リスト入りしたのと同じ肩の問題で、開幕は故障者リストに入ることや、ブランドン・マッカーシーとブレット・アンダーソンの両者ともに故障がちなところです。

マッカーシーとアンダーソンはスプリング・トレーニングでは順調に調整できていて、この2人が健康であれば隙のない先発ローテとなりそうです。

柳賢振が故障者リスト入りし、復帰までどれだけかかるかは不透明ですが、開幕から1ヶ月は日程が緩く、先発ローテの5番手が必要になるのが3試合しかないため、当面はジョー・ウィーランドなどの内部からのオプションで対応すると報じられています。

ロングリリーフを含めたブルペン陣はドジャースの泣き所で、地味ながらも細かく補強を行ったのですが、ケンリー・ジャンセン、エリック・ベタード、ブランドン・リーグらが開幕は故障者リストに入るため、シーズン当初はやりくりに苦労することになりそうです。

クローザーのケンリー・ジャンセンがいない間は、特にクローザーは固定せずに、複数の投手を使い分けるのが基本的なスタンスのようです。

総括・まとめ

野手の主力が30台の選手ばかりで、先発ローテの投手も故障がちな投手を3人も抱え、ブルペン陣も故障者が続出していることが気になるドジャースです。

ただ、イーシアーやバンスライクと言った他球団であればレギュラーになれる選手も控えていますし、投手陣もロングリリーフと先発の両方をこなせる投手を複数抱えていて、故障者が出ても、それを補うことが出来るだけの層の厚さがあります。

またシーズン中に必要であれば戦力を整えるトレードを成立させることができる手腕のあるフロント陣が揃い、さらにその動きをサポートできるだけの資金力も備わっています。

クラブハウスの一体感のなさが大きな課題とされてきたドジャースですが、問題とされてきた選手がチームを去り、ジミー・ロリンズやハウィー・ケンドリックらによるポジティブな影響で雰囲気も変わりつつあります。

圧倒的な戦力、圧倒的な資金力、メジャー屈指のスマートさを持つフロント陣、そしてクラブハウスの雰囲気もポジティブなものに変わりつつありますので、ドジャースをナ・リーグ西地区の優勝候補から外すことはできません。

先発ローテの3人が故障で長期離脱するなどの、よほど故障者が続出しない限り、ポストシーズン進出は確実で、地区3連覇は難しくないと考えられる2015年のロサンゼルス・ドジャースです。