MLB30球団分析:アリゾナ・ダイヤモンドバックスの2015シーズン開幕前戦力分析

Arizona Diamondbacks Catch

2011年の地区優勝の後、2年連続で81勝81勝の5割ジャストでポストシーズンを逃したダイヤモンドバックスはトレードでマーク・トランボ、田中将大の獲得には失敗したものの、FAではブロンソン・アローヨなどを獲得して勝負をかけました。

しかし、主砲のポール・ゴールドシュミットとマーク・トランボ、投手陣の軸であるパトリック・コービンとブロンソン・アローヨが故障離脱し、さらにはトレバー・ケーヒルも不振で先発ローテを外れるなどした結果、シーズン序盤から最下位を独走し64勝98敗となりました。

その昨シーズン中にオーナーのケン・ケンドリックは低迷の原因を調査するために、殿堂入りの名将トニー・ラルーサをフロントに迎えて、チーム全体を精査してもらうことを選択しました。

その結果、監督とGMらをオーナー側が解雇し、新たにデイブ・スチュワートをGMに、チップ・ヘイルを監督に迎えて再スタートを切ることになりました。

そのダイヤモンドバックスの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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ダイヤモンドバックスの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのダイヤモンドバックスのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 615(MLB25位/NL11位)
打率 .248(MLB18位/NL9位)
出塁率 .302(MLB26位/NL12位)
長打率 .376(MLB20位/NL9位)
盗塁 86(MLB18位/NL10位)
2014年投手陣成績 防御率 4.26(MLB26位/NL14位)
SP防御率 4.44(MLB27位/NL14位)
QS 75(MLB27位/NL14位)
RP防御率 3.92(MLB23位/NL13位)
SV率 63.64%(MLB26位/NL14位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +21(MLB10位/NL6位)
UZR -4.4(MLB18位/NL10位)
UZR:

主砲の2人が故障で長期離脱したため得点力は著しく低下してリーグ11位となり、1試合平均で3.8点しか奪うことできませんでした。その状態で投手陣は主力となるべき3人が故障と不調で離脱した結果、チーム防御率が4.26でリーグ14位、先発ローテも、ブルペンもともにリーグで下位に沈むなどして、総失点が742点で1試合平均で4.6点を失っていましたので、大きく負け越すことは自然な状況でした。

そこからの立て直しをはかることになったダイヤモンドバックスですが、シーズンオフの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:ジェレミー・ヘリクソン(SP)
TR:ルビー・デラロサ(SP)
TR:アレン・ウェブスター(SP)
TR:ロビー・レイ(SP)
FA:ヤスマニ・トマス(3B/OF)
FA:ニック・プント(IF)
FA:ブレイク・ベバン(SP)
FA:ジェラルド・レアード(C)
主な戦力流出 TR:ウェイド・マイリー(SP)
TR:ユリー・デラロサ(RP)
TR:ディディ・グレゴリウス(SS)
TR:ミゲル・モンテロ(C)
TR:ジーク・スプライル(RP)
FA:ノーラン・ライモルド(OF)
TR:トレバー・ケーヒル(SP)

2014年にチーム最多となる201.1イニングを投げたウィド・マイリーをトレードに出し、その見返りとしてレッドソックスでプロスペクトして期待されながらも伸び悩んでいたルビー・デラロサとアレン・ウェブスターらの若い投手を獲得しました。

またマイナーリーガー2人を交換要員としてレイズから2011年の新人王ジェレミー・ヘリクソンを、ショートのディディ・グレゴリウスを交換要員とする3球団間トレードで、タイガースからロビー・レイを獲得するなどして、主に先発投手陣を入れ替えました。

これらの投手の中では一番実績があるのがジェレミー・ヘリクソンということになり、そのほかの投手はメジャーレベルでの実績の乏しい投手を多数抱えることになりました。

そしてシーズン開幕が近づいた時点で、先発ローテの1人と見られていたトレバー・ケーヒルを放出して、若い投手をローテにいれるなど先発ローテを若がえらせました。

そして打線はキューバからの亡命選手であるヤスマニ・トマスを6年6850万ドルの大型契約で獲得したのですが、正捕手のミゲル・モンテロは放出しています。

ダイヤモンドバックスの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF)A.J.ポロック
    打率.302/本塁打7/打点24/出塁率.353/長打率.498
  2. (LF)デビッド・ペラルタ
    打率.286/本塁打8/打点36/出塁率.320/長打率.450
  3. (1B)ポール・ゴールドシュミット
    打率.300/本塁打19/打点69/出塁率.396/長打率.542
  4. (RF)マーク・トランボ
    打率.235/本塁打14/打点61/出塁率.293/長打率.415
  5. (2B)アーロン・ヒル
    打率.244/本塁打10/打点60/出塁率.287/長打率.367
  6. (SS)クリス・オーウィングス
    打率.261/本塁打6/打点26/出塁率.300/長打率.406
  7. (3B)ジェイク・ラム
    打率.230/本塁打4/打点11/出塁率.263/長打率.373
  8. (C)タフィー・ゴーズウィッシュ
    打率.225/本塁打1/打点7/出塁率.242/長打率.310

【予想ベンチメンバー】

  • (C)オスカー・ヘルナンデス
    打率–/本塁打–/打点–/出塁率–/長打率–
  • (IF)クリフ・ペニントン
    打率.254/本塁打2/打点10/出塁率.340/長打率.350
  • (OF)エンダー・インシアーテ
    打率.278/本塁打4/打点27/出塁率.318/長打率.359
  • (OF)コディ・ロス
    打率.252/本塁打2/打点15/出塁率.306/長打率.322
  • (C)ジェラルド・レアード
    打率.204/本塁打0/打点10/出塁率.275/長打率.257
  • (C)ピーター・オブライエン
    打率–/本塁打–/打点–/出塁率–/長打率–
  • (C)ジョーダン・パチェコ
    打率.255/本塁打0/打点16/出塁率.299/長打率.333
  • (SS)ニック・アハメド
    打率.200/本塁打1/打点4/出塁率.233/長打率.271

ヤスマニ・トマスは外野と三塁を守れるとの触れ込みだったのですが、ワークアウトを視察した多くのチームが三塁としては厳しく、外野手としてならという判断を下していました。

しかし、ダイヤモンドバックスは外野手が余っていることもあり、三塁手として起用する方針でヤスマニ・トマスと契約をしました。しかし、守備面ではポジションを争ったジェイク・ラムに遠く及ばず、期待されていた打撃もスプリング・トレーニング終盤には改善したものの、不安定でマイナーでシーズン開幕を迎える可能性があることをチップ・ヘイル監督が明らかにしています。

30本塁打を打つことができ、2014年のホセ・アブレイユのようなインパクトを期待する声もあったのですが、現状ではその状態に程遠く、ゴールドシュミット、トランボと中軸を形成する構想は頓挫しています。

ヤスマニ・トマスが期待されたパフォーマンスを発揮していれば、上位打線に関しては期待できるラインナップになる見込みでしたが、今シーズンのどの時点で実現できるかは不透明で、ダイヤモンドバックスにとっては誤算と言える状態となっています。

上記のラインナップは一応のもので、レギュラー内野手の守備位置、バックアップ捕手を含めたベンチ要員なども定まりきらず、シーズン開幕ギリギリまで調整と検討が続くことになる見込みです。

ダイヤモンドバックス投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ダイヤモンドバックスの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) ジョシュ・コルメンター
    179.1回/防御率3.46/11勝9敗/WHIP1.13
  2. (SP) ジェレミー・ヘリクソン
    63.2回/防御率4.52/1勝5敗/WHIP1.45
  3. (SP) ルビー・デラロサ
    101.2回/防御率4.43/4勝8敗/WHIP1.49
  4. (SP) チェイス・アンダーソン
    114.1回/防御率4.01/9勝7敗/WHIP1.37
  5. (SP) アーチー・ブラッドレイ
    –回/防御率–/–勝–敗/WHIP–

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) アディソン・リード
    59.1回/防御率4.25/32SV/WHIP1.21
  • (SET) ブラッド・ジーグラー
    67.0回/防御率3.49/1SV/WHIP1.25
  • (SET) エバン・マーシャル
    49.1回/防御率2.74/0SV/WHIP1.36
  • (RP) オリバー・ペレス
    58.2回/防御率2.91/0SV/WHIP1.26
  • (SP/RP) ダニエル・ハドソン
    2.2回/防御率13.50/0SV/WHIP1.50
  • (RP) マット・レイノルズ
    –回/防御率–/–SV/WHIP–
  • (RP) ランドール・デルガド
    77.2回/防御率4.87/0SV/WHIP1.36
  • (SP/RP) ビダル・ヌーニョ
    161.2回/防御率4.56/2勝12敗/WHIP1.26
  • (SP/RP) ロビー・レイ
    28.2回/防御率8.16/1勝4敗/WHIP1.88

先発ローテの位置づけとしてはコルメンターがNo.1で、ヘリクソンがNo.2となるようですが、2人のタイプが似ているため、No.3のルビー・デラロサを間に挟むローテの編成にする方針だと伝えられています。

トレバー・ケーヒルはスプリング・トレーニングで復調の気配を見せていたため、一旦は先発ローテの座を勝ち取ったと見られていました。しかし、年俸の削減(1200万ドル)とプロスペクトのアーチー・ブラッドレイにチャンスを与えることを優先したようで、650万ドルをダイヤモンドバックスが負担してトレードしました。

メジャーでのフルシーズンでのしっかりとした実績がある先発投手はジョシュ・コルメンターとジェレミー・ヘリクソンの2人にとどまりますので、不安が残る編成となっています。

ロングリリーフとスポット先発をこなすスイングマンを務めるとも予想されているビダル・ヌーニョ、ダニエル・ハドソン、マイナーにはアレン・ウェブスターなどがいますので、数は多くいます。

しかし、質には疑問があり、トミー・ジョン手術を受けたパトリック・コービンやブロンソン・アローヨが戻ってくるまでは、苦しい台所事情となりそうです。

課題のブルペン陣も大幅なアップグレードがあったわけではありませんので、不安が残る状態のままとなっています。

総括・まとめ

ウェイド・マイリーやミゲル・モンテロらの主力を放出はしたものの、ポール・ゴールドシュミットやマーク・トランボらをチームに残し、ヤスマニ・トマスと契約していることからしても、完全な再建モードに移行したわけではないダイヤモンドバックスです。

ただ、今年に勝負をかけているというよりも、全体的にロースターを若返らせチームを作り変えて、来年もしくは再来年を重視していることが透けて見えてくるダイヤモンドバックスのオフの動きでした。

投手陣と野手陣の両面で比較すると同地区のライバルであるドジャース、ジャイアンツ、パドレスには及ばない印象で、ロッキーズと地区最下位を回避する争いになりそうな2015年のダイヤモンドバックスです。

2015年シーズンも下位に低迷し、さらにロースターの若返りを推し進める可能性があり、昨シーズン中にブランドン・マッカーシー、マーティン・プラドを放出したような動きが起こる可能性が高い状況です。

主砲のポール・ゴールドシュミットはチームオプションも含めると2019年シーズンまで契約が残り、エースのパトリック・コービンが2018年シーズンまでチームがコントロールできるのですが、マーク・トランボは2016年シーズン終了後にFAとなり、残り2年となっています。

外野手が余っている現状や、ヤスマニ・トマスの三塁での起用をあきらめた場合には、トレードとなっても不思議ではありません。

シーズン序盤で低迷すれば、トレード市場の売り手としてで頻繁に名前が出てくることになりそうなダイヤモンドバックスです。