MLB30球団分析:シカゴ・カブスの2015シーズン開幕前戦力分析

Chicago Cubs Top Catch

1908年を最後に、106年にわたって、ワールドシリーズ制覇から遠ざかっているシカゴ・カブスで、2000年代にポストシーズンに4度進出したものの、2003年のリーグチャンピオンシップまでは勝ち進んだものの、ワールドシリーズに進出することはできませんでした。

Curse(呪い)とも言われるほどワールドシリーズから遠ざかっているカブスを再建するために、レッドソックスで86年の呪いを解くのに一役を買ったセオ・エプスタインを2011年10月にフロントに迎えたカブスです。

そのエプスタインがフロントに入った後の、カブスは完全な再建モードででした、2012年は101敗、2013年は96敗、2014年は89敗と、若い選手がファームから育ってきたこともあり、徐々に戦力が整いつつありました。

そして2014年シーズン終了後には”脱再建モード”を宣言し、積極的な補強でポストシーズンを狙える態勢へと変貌しました。そのシカゴ・カブスの2015年シーズン前戦力分析です。

カブスの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

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2014年シーズンのカブスのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 614(MLB26位/NL12位)
打率 .239(MLB27位/NL12位)
出塁率 .300(MLB28位/NL13位)
長打率 .385(MLB14位/NL7位)
盗塁 65(MLB24位/NL12位)
2014年投手陣成績 防御率 3.91(MLB21位/NL13位)
SP防御率 4.11(MLB24位/NL13位)
QS 79(MLB24位/NL13位)
RP防御率 3.61(MLB15位/NL8位)
SV率 63.79%(MLB25位/NL13位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) -22(MLB22位/NL14位)
UZR -5.5(MLB19位/NL11位)
UZR:

ファームの時から長打力などを高く評価されるプロスペクトが次々とメジャー昇格を果たしたため、チーム本塁打157は両リーグ5位、ナ・リーグ2位となりました。

その一方でチームが『勝利』より『育成』を重視していたこともあり、多くの選手がバットを振り回した結果、出塁率は.300でリーグ13位、三振数は1477は両リーグトップとなってしまいました。

投手陣はリリーフ陣がナ・リーグで中位につけていたものの、シーズン途中にジェフ・サマージャ、ジェイソン・ハメルらをトレードで放出したこともあり、先発投手陣の防御率がリーグ13位、投手陣全体でもリーグ13位に低迷しました。

その状態から地区優勝を狙うことを宣言し、大型補強に踏み切ったオフのシカゴ・カブスでした。そのオフの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA:ジョン・レスター(SP)
FA:ジェイソン・ハメル(SP)
TR:ミゲル・モンテロ(C)
TR:デクスター・ファウラー(CF)
FA:デビッド・ロス(C)
TR:トミー・ラ・ステラ(2B)
FA:ジェイソン・モッテ(RP)
FA:クリス・デノーフィア(OF)
FA:ジョナサン・ヘレーラ(OF)
主な戦力流出 TR:ダン・ストレイリー(SP)
TR:ルイス・バルブエナ(3B)
TR:ジャスティン・ルジアーノ(OF)
TR:アローディス・ビスカイーノ(RP)
FA:ウェズリー・ライト(RP)
FA:ジョン・ベイカー(C)
FA:藤川球児(RP)

FAではジョン・レスターを6年1億5500万ドル、ジェイソン・ハメルを900万ドルの先発投手2人に、リリーフのジェイソン・モットを1年450万ドルで、さらに和田毅と1年400万ドルで契約しました。

さらに野手では3年4000万ドルの契約が残るミゲル・モンテロをダイヤモンドバックスからトレードで獲得し、1年950万ドルのデクスター・ファウラーをアストロズから獲得しました。

またレスターの専属捕手とも言われるデビッド・ロスとも2年500万ドルで契約するなどして、年俸総額の余裕と豊富な資金力を活かした補強で戦力を整えました。

そしてさらにはレイズの監督を務めていた名将ジョー・マドンを5年2500万ドルという大型契約で迎えています。

カブスの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF) デクスター・ファウラー
    打率.276/本塁打8/打点35/出塁率.375/長打率.399
  2. (RF) ホルヘ・ソレア
    打率.292/本塁打5/打点20/出塁率.330/長打率.573
  3. (1B) アンソニー・リゾ
    打率.286/本塁打32/打点78/出塁率.386/長打率.527
  4. (SS) スターリン・カストロ
    打率.292/本塁打14/打点65/出塁率.339/長打率.438
  5. (C) ミゲル・モンテロ
    打率.243/本塁打13/打点72/出塁率.329/長打率.370
  6. (LF) クリス・コグラン
    打率.283/本塁打9/打点41/出塁率.352/長打率.452
  7. (3B) マイク・オルト
    打率.160/本塁打12/打点33/出塁率.248/長打率.356
  8. (2B) アリスメンディ・アルカンタラ
    打率.205/本塁打10/打点29/出塁率.254/長打率.367

【予想ベンチメンバー】

  • (C) デビッド・ロス
    打率.184/本塁打7/打点15/出塁率.260/長打率.368
  • (C) ウェリントン・カスティーヨ
    打率.237/本塁打13/打点46/出塁率.296/長打率.389
  • (UT) トミー・ラステッラ
    打率.251/本塁打1/打点31/出塁率.328/長打率.317
  • (OF) クリス・デノーフィア
    打率.230/本塁打3/打点21/出塁率.284/長打率.318
  • (OF) ライアン・スウィーニー
    打率.251/本塁打3/打点20/出塁率.304/長打率.338
  • (IF) ジョナサン・ヘレーラ
    打率.233/本塁打0/打点9/出塁率.307/長打率.289

一発長打狙いの打線で、出塁率が低いため得点力に直結していなかったのですが、トレードで四球を選ぶことができるデクスター・ファウラーとミゲル・モンテロを加えたことで、その問題が軽減されると予想されます。

打線の中軸には、昨シーズン本格的にブレイクしたアンソニー・リゾと、ショートを守るスターリン・カストロが務めることになります。

スプリング・トレーニングでは9本塁打を放ちながらも、チームがコントロールできる期間を長くするために、2週間ほどマイナーでプレーさせてから昇格してくる予定のクリス・ブライアントは、三塁と外野のどちらになるのかは最終決断には至っていないと報じられています。

仮に外野をメインでやっていくことになるのであれば、ポジションはレフトに入り、打線の中軸を打つことが予想されます。

また、トッププロスペクトとして高い評価を受け、2014年にメジャーデビューしたハビアー・バエズは、52試合で9本塁打を放った一方で、打率は.169と低い上に、213打数で95三振するなど粗さが目立っていました。

今年のスプリングトレーニングでも55打数で21三振で打率.182とその問題は解消されないだけでなく、本塁打は1本にとどまり、長打率が.236と低迷したため、3Aでさらに経験を積ませることになっています。

注目されるのはセカンドとセンターを主に守るとされているアリスメンディ・アルカンタラで、高い身体能力があるため、柔軟な選手起用を好むジョー・マドンの『カブスでのベン・ゾブリスト』になるとも言われていますので、地味ながらも重要な役割を担うことになりそうです。。

カブス打線の潜在的な長打力はピカイチで、大きな魅力で、課題だった出塁率の低さという問題を補強により改善できることが予想されます。しかし、チーム全体の攻撃としてどれだけ機能するのかとなると不透明なところがあります。

その問題を解消するには獲得したミゲル・モンテロらのリーダーシップと、若い選手の才能を引き出し、クラブハウスの雰囲気をポジティブにすることで知られる監督のジョー・マドンが、この1年でどれだけチームとして熟成させていくのかにかかることになりそうです。

カブス投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

カブスの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) ジョン・レスター
    219.2回/防御率2.46/16勝11敗/WHIP1.10
  2. (SP) ジェイク・アリエータ
    156.2回/防御率2.53/10勝5敗/WHIP0.99
  3. (SP) ジェイソン・ハメル
    176.1回/防御率3.47/10勝11敗/WHIP1.12
  4. (SP) カイル・ヘンドリックス
    80.1回/防御率2.46/7勝2敗/WHIP1.08
  5. (SP)トラビス・ウッド
    173.2回/防御率5.03/8勝13敗/WHIP1.53

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) ヘクター・ロンドン
    63.1回/防御率2.42/29SV/WHIP1.06
  • (SET) ニール・ラミレス
    43.2回/防御率1.44/3SV/WHIP1.05
  • (SET) ペドロ・ストロープ
    61.0回/防御率2.21/2SV/WHIP1.07
  • (RP) ジェイソン・モット
    25.0回/防御率4.68/0SV/WHIP1.52
  • (RP) ジャスティン・グリム
    69.0回/防御率3.78/0SV/WHIP1.25
  • (RP) フィル・コーク
    58.0回/防御率3.88/1SV/WHIP1.53
  • (SP/RP) エドウィン・ジャクソン
    140.2回/防御率6.33/0SV/WHIP1.64

ジョン・レスターとジェイソン・ハメルを加えたことで、先発ローテは質と量ともに大幅に改善され、期待ができる布陣となっています。

トラビス・ウッドの格づけは5番手ですが、先発ローテで5番目におくと、No.1のレスターと左腕が続くことになるので、ローテの順番ではウッドを4番手におくことになるようです。

トラビス・ウッドとの先発ローテ争いに敗れたエドウィン・ジャクソンはロングリリーフとスポット先発をこなす、スウィングマンの役割を果たすことになります。

リリーフ陣は昨年も比較的安定していたところに、ベテランを加えて、圧倒的ではないものの、勝ちゲームをしっかり締めることができるクローザーとセットアップがいます

監督のジョー・マドンは、このブルペンのやりくりなどにも長けている監督のため、ブルペン陣も一定の期待ができると考えられます。

和田毅は故障による調整遅れが続いていて、復帰の正確なメドが立っていない状態ですが、4月2日の時点でジョー・マドン監督は、『故障者リストに入るか、マイナーのとちらかで開幕を迎えることになる』と話していました。

故障者リストに入った場合には、現時点の状況では、一旦はリリーフにまわる可能性が高いと予想されます。ただ、和田毅をアクティブロースター(25人枠)にいれるためには、現状のロースターから選手を外す必要があります。

現在のリリーフ陣の中で、クローザーのヘクター・ロンドンとセットアップのペドロ・ストロープはアウト・オブ・オプションズのため、ウェーバーにかけずにマイナー降格できず、ロングリリーフ兼任のエドウィン・ジャクソンは2年2600万ドルの契約が残っています。

ジェイソン・モット(1年450万ドル)とフィル・コーク(1年225万ドル)はFAからの契約で、詳しい契約内容までは把握できていないのですが、ロースターから外す際にはDFAすることになると予想されます。

ニール・ラミレスとジャスティン・グリムの2人はマイナー降格のオプションが残っているため、アクティブロースターから外しやすいのですが、ラミレスはセットアップの役割を期待されていますし、良い成績を残して重要な役割を果たしている場合には、難しい選択をカブスは迫られることになります。

和田毅(1年400万ドル)が故障から復帰してくる際には、その時の投手陣のパフォーマンスに加えて、このような様々な契約上の事情が重なってくるため、故障リスト入りした場合には、復帰する途上でのマイナー調整時の投球内容も重要になりそうです。

総括・まとめ

オフの補強で戦力が整い、人心掌握に長け、戦略家であるジョー・マドンを迎えたため、自然と期待が高まらざるを得ないカブスです。

ただ、問題はジョー・マドンが腹心と呼べるようなスタッフをレイズからカブスに連れてきていないことや、様々な戦術をチームに浸透させるのに、時間がある程度は必要になることが予想されるため、レイズの時に比較すると選択肢が減ると予想されます。

クラブハウスでリーダーシップをとれるような選手を投手でも、野手でも獲得していますので、一気に雰囲気が変わる可能性はあるものの、若い選手が多いため、チームとして完全に熟成するには、もう少し時間がかかるのではないかと考えられます。

カブスは将来性の豊かな選手が揃い、ポテンシャルは非常に高いチームではあるのですが、チームとしてすでに洗練されたものがあるカージナルスやパイレーツを引きずり下ろせるところまで、チーム全体が躍進できるか?となると疑問符がつきます。

またレッズやブルワーズも決して弱いチームではありませんので、戦力アップしたからといって簡単に走らせてくれるような要素の少ないナ・リーグ中地区です。

若い選手たちが飛躍的に成長し、そのポテンシャルを発揮すればプレーオフ進出の可能性はあるとは考えられるものの、現実的には「5割のラインからどれだけ多く勝ち星を積み上げることができるか?」というところになるのではないかと予想されます。

2015年のポストシーズン進出の可能性が全く無いというチームではないのですが、本格的に地区をリードするような存在になるのは2016年以降となりそうなシカゴ・カブスです。

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