MLB30球団分析:アトランタ・ブレーブスの2015シーズン戦力分析

Atlanta Braves Top Catch

2012年は94勝68敗で地区2位となりワイルドカードでポストシーズンに進出し、2013年は最大のライバルであったナショナルズが低迷した間隙を縫い、96勝66敗で地区優勝を果たして2014年を迎えたブレーブスでした。

しかし、クリス・メドレン、ブランドン・ビーチーらをトミー・ジョン手術による離脱で失いました。それでも投手陣が踏ん張り続けたものの、三振が多く得点力不足の打線が足をひっぱってしまい、順位こそ2位ととなったものの、79勝83敗と負け越してしまったブレーブスでした。

その2015年シーズンのアトランタ・ブレーブスの戦力分析です。

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ブレーブスの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのブレーブスのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 573(MLB29位/NL14位)
打率 .241(MLB26位/NL11位)
出塁率 .305(MLB24位/NL10位)
長打率 .360(MLB29位/NL14位)
盗塁 95(MLB16位/NL8位)
2014年投手陣成績 防御率 3.38(MLB5位/NL3位)
SP防御率 3.42(MLB5位/NL4位)
QS 110(MLB1位/NL1位)
RP防御率 3.31(MLB11位/NL6位)
SV率 80.60%(MLB4位/NL2位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +19(MLB11位/NL7位)
UZR +34.6(MLB5位/NL2位)

先発投手陣はフリオ・テヘランを中心に防御率3.42でリーグ4位、絶対的なクローザーであるクレイグ・キンブレルを中心としてブルペン陣は防御率3.31でリーグ6位となりました。

クオリティスタート数は110回もあり両リーグトップ、セーブ成功率は80.60%でナ・リーグ2位で、守備のスタッツも悪くありませんので、ディフェンス面だけを見れば負け越す要素はありません。

しかし、チーム総得点が両リーグ29位、ナ・リーグ14位と1試合平均で3.5点しか奪えない打線に見殺しにされる形になり、投手力を生かすことができませんでした。

そのブレーブスのシーズンオフの主な戦力の加入、流出の一覧は以下の通りとなります。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:シェルビー・ミラー(SP)
TR:マイケル・フォルテネビック(RP)
FA:ジェイソン・グリーリ(RP)
FA:ニック・マーケイキス(OF)
FA:ジョニー・ゴームス(OF)
FA:ケリー・ジョンソン(OF)
FA:ジム・ジョンソン(RP)
FA:A.J.ピアンジンスキー(C)
主な戦力流出 TR:ジャスティン・アップトン(OF)
TR:エバン・ガティス(OF/C)
TR:ジェイソン・ヘイワード(OF)
TR:メルビン・アップトン(OF)
TR:トミー・ラ・ステラ(2B)
TR:クレイグ・キンブレル(RP)
TR:ジョーダン・ウォルデン(RP)
TR:デビッド・カーペンター(RP)
FA:アービン・サンタナ(SP)
FA:アーロン・ハラング(SP)
FA:エミリオ・ボニファシオ(UT)
FA:ギャビン・フロイド(SP)
ノンテンダーFA:クリス・メドレン(SP)
ノンテンダーFA:ブランドン・ビーチー(SP)

昨シーズンだけの成績を見れば、主力選手を放出して再建モードになる必要がないようにも思えるのですが、マイナーで選手育成がうまくいっていないこと、FAで主力投手がチームを去るにも関わらず、年俸総額がこれ以上増やすことができないレベルに達していることなが要因となり、2年目をメドにしたチーム再建に踏み切りました。

そのため打線の主力となっていたジャスティン・アップトン、ジェイソン・ヘイワード、エバン・ガティス、投手ではキンブレルをトレードで放出し、トミー・ジョン手術を受けて復帰途上にありながら年俸調停権があるため年俸が高いクリス・メドレン、ブランドン・ビーチーには契約を提示しませんでした。

トレードでは見返りとしてシェルビー・ミラーのようなメジャーレベルの選手も獲得したものの、ファームの層の薄さを解消するために、主にマイナーの有望な選手を獲得しています。

そしてFAでは主力選手が抜けた穴をカバーできるベテラン選手を獲得することで、ロースターを編成しました。ただ、再建モードに入りながら、ニック・マーケイキスを4年4400万ドルという金額を出したことには、アメリカメディアでも驚きの声が少なくありませんでした。

ブレーブスの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【スターティングラインナップ】

  1. (CF)エリック・ヤング・ジュニア
    打率.229/本塁打1/打点17/出塁率.299/長打率.311
  2. (2B)ジェイス・ピーターソン
    打率.113/本塁打0/打点0/出塁率.161/長打率.113
  3. (RF)ニック・マーケイキス
    打率.276/本塁打14/打点50/出塁率.342/長打率.386
  4. (1B)フレディ・フリーマン
    打率.288/本塁打18/打点78/出塁率.386/長打率.461
  5. (C)クリスチャン・ベタンコート
    打率.248/本塁打0/打点9/出塁率.274/長打率.274
  6. (LF)ケリー・ジョンソン
    打率.215/本塁打7/打点27/出塁率.296/長打率.362
  7. (3B)クリス・ジョンソン
    打率.263/本塁打10/打点58/出塁率.292/長打率.361
  8. (SS)アンドレルトン・シモンズ
    打率.244/本塁打7/打点46/出塁率.286/長打率.331

【ベンチメンバー】

  • (OF)キャメロン・メイビン
    打率.235/本塁打1/打点15/出塁率.290/長打率.331
  • (LF)ジョニー・ゴームス
    打率.234/本塁打6/打点37/出塁率.327/長打率.330
  • (C)A.J.ピアジンスキー
    打率.251/本塁打5/打点37/出塁率.288/長打率.337
  • (IF)アルベルト・カヤスポ
    打率.223/本塁打4/打点39/出塁率.290/長打率.290
  • (UT)フィリップ・ゴセリン
    打率.266/本塁打1/打点3/出塁率.304/長打率.320

長打力のある中軸を打っていた打者が軒並みいなくなり、得点力不足だった打線はさらに迫力不足になり、1年間を通じで十分な得点を供給できるかには疑問符がつきます。

2017年の新球場移転のタイミングに向けて小規模の再建モードに移動したのですが、すぐにチャンスを与えられるような若い選手がいないところに、ブレーブスの抱えていた問題がうかがえます。

2015年の当初はベテラン選手でチームを回していくと予想されますが、2017年に勝負できるようにするには、今シーズンの終盤にどれだけ若い選手が出てくるのかも焦点となりそうです。

また、野手ではフレディ・フリーマン、アンドレルトン・シモンズ、クリスチャン・ベタンコートらが今後のコアになっていきますので、着実な成長が求められることになります。

ブレーブス投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ブレーブスの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP)フリオ・テヘラン
    221.0回/防御率2.89/14勝13敗/WHIP1.08
  2. (SP)アレックス・ウッド
    171.2回/防御率2.78/11勝11敗/WHIP1.14
  3. (SP)シェルビー・ミラー
    183.0回/防御率3.74/10勝9敗/WHIP1.27
  4. (SP)エリック・スタルツ
    176.0回/防御率4.30/8勝17敗/WHIP1.38
  5. (SP)トレバー・ケーヒル
    110.2回/防御率5.613勝12敗/WHIP1.61

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)ジェイソン・グリーリ
    54.0回/防御率4.00/12SV/WHIP1.33
  • (CLO)ジム・ジョンソン
    53.1回/防御率7.09/2SV/WHIP1.95
  • (SET)ルイス・アビラン
    43.1回/防御率4.57/0SV/WHIP1.57
  • (RP)コディ・マーティン
    –回/防御率–/–SV/WHIP–
  • (RP)フアン・ハイメ
    12.1回/防御率5.84/0SV/WHIP1.86
  • (RP)アンドリュー・マッキラハン
    –回/防御率–/–SV/WHIP–
  • (RP)ブランドン・カニフ
    –回/防御率–/–SV/WHIP–

先発ローテの3番手までは一定の計算ができる投手が揃っているのが強みで、昨シーズン不調でブルペンにまわったトレバー・ケーヒルが入りましたので、ある程度計算できるます。

しかし、ブルペン陣はクローザーのキンブレルがいなくなったことにより、昨シーズン低迷したジム・ジョンソンとジェイソン・グリーリが代役となり、ジョーダン・ウォルデン、デビッド・カーペンターらがいなくなりましたので、不安が残ります。

総括・まとめ

2017年には優勝を狙うことを意識してのロースターの組み換えを行いましたが、すぐにチャンスを与えれるような若手が少ないことがブレーブスの問題点で、長期的な観点ではファームの育成システムを整備することは不可欠です。

シーズンオフ当初は、エバン・ガティス、クレイグ・キンブレルらをトレードに出すことはないと述べていた、事実上のGMであるジョン・ハート社長でしたが、実際にはトレードして、大幅な入れ替えとなりました。

2015年では、シーズン全体を通じて見た時には、戦力的にナショナルズを上回ることは難しく、投打のバランスもメッツやマーリンズには見劣りする印象です。

2015年にポストシーズン進出を目指すとはしているものの、2017年に勝てるチームにするためには、若い選手の台頭が欠かせません。

そのことを踏まえるとベテランがいつまでも試合に出続けることがプラスになるとは考えにくいため、シーズン中盤以降から2016年にかけては、多くのチャンスをトレードで獲得した若い選手たちに与えることになると予想されます。

そして、キンブレルとセットでトレードとなったメルビン・アップトンの3年4630万ドルを予算から外せたことは非常に大きく、開幕時点でブレーブスが2016年に支払うことが確定している年俸は5400万ドル程度まで絞りこむことができました。

その結果、予算の上限とされている昨シーズンの年俸総額1億1089万7341ドルから半減させることに成功し、今シーズンオフ以降に補強を行う予算枠も作ることができています。

チーム再建の指揮をとるジョン・ハート社長は、1991年9月から2001年10月までインディアンスのGMを10シーズン務めたのですが、その期間でドラフトでとった選手でチームのコアをつくり、スカウティングとトレードで優秀なチームをつくりあげました。

1991年には100敗していたインディアンスを3年間で立て直し、1995年には100勝するチームに作りかえ、その年を含む7年間で4度の地区優勝を含む6度のプレーオフ進出を果たしました。

そのジョン・ハートが今シーズンから2016年にかけて、どのようにチームを立て直し、勝てるチームに作り上げていくのか注目されます。

ただ、長いシーズンを戦いきって、ポストシーズンに進むことは想像しにくく、地区の下位に沈むことが予想される2015年のアトランタ・ブレーブスです。