MLB30球団分析:トロント・ブルージェイズの2015シーズン開幕前戦力分析

Bule Jays Top Catch

2014年シーズン開幕時は好調で、6月6日には38勝24敗で2位のヤンキースに6ゲーム差をつけて快走していたブルージェイズでしたが、そこから徐々に失速してしまい、7月3日にはオリオールズに並ばれ47勝40敗でにゲーム差はないものの勝率で下回り2位に転落してしまいました。

そしてその悪い流れはさらに加速してオールスター前には49勝47敗でオリオールズに4ゲーム差をつけられてしまいう状態となってしまったブルージェイズでした。

このオフには主力であるメルキー・カブレラがFAとなったものの、積極的な野手の補強を行い注目を集めたブルージェイズでした。

1993年のワールドシリーズ制覇以来、ポストシーズン進出がない状態が続いているブルージェイズですが、2015年にその流れを止めることができるか注目されます。

そのトロント・ブルージェイズの2015年シーズン開幕前分析です。

初回投稿日:2015年3月15日
最終更新日:2015年3月15日

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ブルージェイズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのブルージェイズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年チーム打撃成績 得点:723 (AL:4位/MLB:5位)
打率:.259 (AL:4位/MLB:7位)
出塁率:.323 (AL:3位/MLB:6位)
長打率:.414 (AL:3位/MLB:4位)
盗塁:78 (AL:12位/MLB:23位)
2014年チーム投手成績 防御率:4.00 (AL:9位/MLB:22位)
SP防御率:3.96 (AL:11位/MLB:22位)
QS:86回 (AL:7位/MLB:16位)
RP防御率:4.09 (AL:12位/MLB:25位)
SV率:71.43% (AL:6位/MLB:12位)
2014年チーム守備成績 守備防御点(DRS):-31 (AL:9位/MLB:23位)
UZR:-6.8 (AL:9位/MLB:21位)

攻撃力に関しては両リーグトップクラスである一方で、投手陣と守備力に課題があるチームで、攻撃面に偏っていた2014年のブルージェイズでした。

その戦力の状態からFAやトレードで戦力に入れ替わりがあります。ブルージェイズのシーズンオフにおける主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 ジョシュ・ドナルドソン(3B・トレード)
ラッセル・マーティン(C・FA)
マルコ・エストラーダ(SP・トレード)
ヨハン・サンタナ(SP・FA)
ダヤン・ビシエド(OF・FA)
主な戦力流出 メルキー・カブレラ(OF・FA)
ケイシー・ジャンセン(CL・FA)
コルビー・ラスマス(OF・FA)
J.A.ハップ(SP・トレード)
ダスティン・マゴワン(RP・FA)
ブランドン・モロー(RP・FA)
アダム・リンド(1B・トレード)
ブレット・ロウリー(3B・トレード)

メルキー・カブレラ、アダム・リンド、コルビー・ラスマスが抜けたことによる攻撃力の低下が懸念されましたが、ジョシュ・ドナルドソン、ラッセル・マーティン、マイケル・ソーンダースなどを獲得することで、長打力に関してはさらに強化できたと考えられます。

その一方で投手陣はJ.A.ハップをマイケル・ソーンダースのトレードで放出する一方で、アダム・リンドをトレードに出すことでマルコ・エストラーダを獲得しています。ブルペンではクローザーを務めていたケイシー・ジャンセン、リリーフのダスティン・マゴワンとブランドン・モローがFAで流出したのですが、主だった補強は行われていません。

ケイシー・ジャンセンはクローザーとしての防御率3.94は物足りないものの、チームトップの25セーブを記録し、なおかつセーブ成功率が83.33%とまずまずでした。しかし、その穴を埋めるような補強をオフに行っていないため、内部でのオプションで活路を見出すことになります。

ブルージェイズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順は以下のとおりとなっています。

【予想スタータティングラインナップ】
1(SS)J.レイエス(率.287/本9/点51/出.328/長.398)
2(C)R.マーティン(率.290/本11/点67/出.402/長.430)
3(RF)J.バティスタ(率.286/本35/点103/出.403/長.524)
4(1B)E.エンカーナシオン(率.268/本34/点98/出.354/長.547)
5(3B)J.ドナルドソン(.255/本29/点98/出.342/長.456)
6(DH)D・ナバーロ(率.274/本12/点69/出.317/長.395)
7(LF)M.ソーンダース(率.273/本8/点34/出.341/長.450)
8(2B)M.イズトゥリス(率.286/本0/点1/出.324/長.314)
9(CF)D.ポンペイ(率.231/本1/点4/出.302/長.436)

予想されるベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想ベンチメンバー】
R(3B)D.バレンシア 率.240/本2/点19/出.273/長.364
R(C)J.トーリー 率.248/本0/点7/出.320/長.278
R(1B)J.スモーク 率.202/本7/点30/出.275/長.339
R(LF)D.ビシエド 率.231/本21/点58/出.281/長.405
R(LF)K.ピラー 率.267/本2/点7/出.295/長.397
R(UT)S.トールソン 率.253/本3/点16/出.308/長.371
R(2B)R.ゴインズ 率.188/本1/点15/出.209/長.271
R(2B)川崎宗則 率.258/本0/点17/出.327/長.296

30盗塁を記録しているホセ・レイエスがリードオフ・ヒッターを務め、2014年に出塁率が.402と4割を超えていたラッセル・マーティンが2番を務め、その後メジャー屈指の破壊力を誇るバティスタ、エンカーナシオン、ドナルドソンという右の強打者3人が並ぶことになりそうです。

現時点ではディオナー・ナバーロがDHとして出場する可能性が高いものの、本人が希望しているトレードが実現すれば、ファーストにジャスティン・スモークが入ってエンカーナシオンがDHに入ったり、長打力はあるものの守備に難が大きいマイナー契約のダヤン・ビシエドをDHで起用することもありそうです。

捕手はナックルボーラーであるR.A.ディッキーの専属であるジョシュ・トーリーが入ることが濃厚で、三塁と一塁のほか、外野の練習もしているダニー・バレンシアも開幕ロースターに入ることが有力視されています。

セカンドはイズトゥリスが有力だと地元メディアで報じられていて、内野のユーティリティプレーヤーはスティーブ・トールソンとライアン・ゴインズの2人が争っていて、川崎宗則は故障者が出ない限りチャンスがなかなか回ってきそうにない状況のようです。

レフトのマイケル・ソーンダースは3月に入ってから膝の手術を行い4週から6週は離脱する見通しでしたが、驚異的な回復力を見せ開幕に間に合う可能性が出ている状態で、仮に間に合わなくても短期間になる見込みです。もしソーンダースが間に合わない場合にはケビン・ピラーが代役になると見られています。

打線は1番から6番あたりまでは非常に強力で両リーグ屈指のラインナップですが、下位打線にはやや弱さがあることと、スプリングトレーニングでもすでに主力が体調面で不安を感じさせる面があることが不安材料となりそうです。

ブルージェイズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ブルージェイズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】
SP1:R.A.ディッキー(215.2回/防3.71/14勝13敗/WHIP1.23)
SP2:M.バーリー(202.0回/防3.39/13勝10敗/WHIP1.36)
SP3:D.ハッチソン(184.2回/防4.48/11勝13敗/WHIP1.26)
SP4:M.エストラーダ(150.2回/防4.36/7勝6敗/WHIP1.20)
SP5:D.ノリス(6.2回/防5.40/0勝0敗/W1.50)

【予想されるリリーフ陣】
CLO:B.セシル(53.1回/防2.70/5セーブ/WHIP1.37)
SET:A.ループ(68.2回/防3.15/4セーブ/WHIP1.17)
SET:A.サンチェス(33.0回/防1.09/3セーブ/WHIP0.70)
RP:T.レドモンド(75.0回/防3.24/1セーブ/WHIP1.33)
RP:S.デラバー(25.2回/防4.91/0セーブ/WHIP1.48)
RP:K.ドレイベック(3.0回/防0.00/0セーブ/WHIP1.33)

ブルージェイズにとって大きな誤算だったのが、先発ローテ3番手として期待されていたマーカス・ストローマン(防3.65/11勝6敗/WHIP1.17)が左膝の前十字靭帯を損傷してしまい2015年はプレーできなくなったことです。

このマーカス・ストローマンがいたからこそJ.A.ハップ(防4.22/11勝11敗)をトレードに出すことができたわけですが、その計算が狂ってしまい、残る2枠をトレードで獲得したマルコ・エストラーダ、プロスペクトのダニエル・ノリスとアーロン・サンチェスの3人が争うこととなりました。

現状ではマルコ・エストラーダのローテ入りが有力視されていて、さらにダニエル・ノリスがローテでいけるメドが立てば、昨年もリリーフとして防御率1.09・3セーブ/WHIP0.70の成績を残したアーロン・サンチェスをセットアップマン、場合によってはクローザーに据えることもありそうです。

またアーロン・サンチェスがローテに入った場合には、マルコ・エストラーダがブルペンにまわることになると見られています。

クローザーはアーロン・サンチェスがブルペンにまわるかどうかに左右されるのですが、肩の炎症があったため調整が遅れているもののブレット・セシルが務めることが最有力です。

リリーフ陣はアーロン・サンチェスとマルコ・エストラーダのどちらかをローテに回すことにならざるを得ず、元々不安がある状態に拍車がかかる状態となっています。

また先発投手陣はR.A.ディッキーがNo.1ではあるもののエースとしてはやや弱く、2番手となるマーク・バーリーも36歳となるシーズンのため不安がないわけではありません。

総括・まとめ

打線に関してはすでに強力だったところからさらにグレードアップしたと考えられるラインナップになった一方で、問題の投手陣は結果として戦力アップしているとはいえないため、昨年のマーカス・ストローマンのような若い投手の台頭がないと苦しい台所事情となりそうです。

ラッセル・マーティンと5年8200万ドルで契約を結び、年俸調停で年俸が上昇することが確実だったジョシュ・ドナルドソン(2015年430万ドル)と契約を結んだことで、アレックス・アンソポロスGMの自由に使える補強予算が600万ドルから700万ドル程度を残すのみとなっていました。

しかし、その金額があればクローザー経験のある投手を獲得することができるため、フランシスコ・ロドリゲスやラファエル・ソリアーノなどのFAリリーフ投手の獲得で名前が上がり続けたブルージェイズでしたが、外野手のダヤン・ビシエド、先発投手のヨハン・サンタナとマイナー契約を結ぶことを選択しました。

両者ともにマイナー契約ではあるものの、メジャー昇格を果たした場合にはダヤン・ビシエドに280万ドル、ヨハン・サンタナに250万ドル+出来高を用意する必要があるため、補強予算が多くの残っているとは言えない状態となっています。

投手に関しては内部からのオプションで対応する意図が見えるオフの補強動向でしたが、2014年シーズンの一番の不安材料だったリリーフ陣を十分に整備せずに、すでに強力だった打線を強化することを選んだのは、ややバランスを欠くリスキーな選択だった感が否めません。

これからシーズン開幕までに考えられる補強は、ディオナー・ナバーロを交換要員として投手を獲得することくらいですが、クローザーを任せられるような投手を獲得できる可能性は、現状ではあまり見えてきません。

オフの出だしでの補強は非常にスムーズだったブルージェイズでしたが、投手陣の整備が十分とは言えない状態であるため、シーズンを通じて安定した結果を残せるか不安が残ることになりました。

その不安が投手陣をカバーするためには、投手有利で本塁打の出にくいオー・ドットコー・コロシアムをホームとしながら、29本塁打を放ったジョシュ・ドナルドソンと攻守にわたる貢献が大きいと期待されているラッセル・マーティンらを加えた打線の助けが必要となりそうです。

ただ、ここ最近の傾向として打線がいくら強力なチームでも、タイガースのように『先発ローテが強力』か、オリオールズのように『リリーフ陣が強力』のどちらかがないと、なかなかポストシーズンには進めていませんので、若い選手の台頭と飛躍がない限り、不安が残る状態で開幕を迎えることになりそうです。