MLB30球団分析:ヒューストン・アストロズの2015シーズン開幕前戦力分析

Houston Astros Top Catch

2005年にワールドシリーズまで進出したものの、それ以来プレーオフからは遠ざかり、2009年から6年連続での負け越しているだけでなく、チームが大規模な再建モードに移行したこともあり、2011年から2013年にかけて106敗、107敗、113敗と100敗以上のシーズンが続きました。

しかし、2014年は再建モード移行後に育ってきた若い選手の台頭もあり70勝92敗と成績を向上させて、地区最下位を脱することに成功したアストロズでした。

若い選手が育ってきていることもあり、徐々に戦力が充実しつつあったのですが、シーズンオフの補強ではここ数年にない積極さで動きました。

そのヒューストン・アストロズの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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アストロズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのアストロズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 629(MLB21位/AL14位)
打率 .242(MLB25位/AL15位)
出塁率 .309(MLB21位/AL13位)
長打率 .383(MLB15位/AL8位)
盗塁 122(MLB4位/AL2位)
2014年投手陣成績 防御率 4.11(MLB25位/AL12位)
SP防御率 3.82(MLB19位/AL9位)
QS 87(MLB15位/AL6位)
RP防御率 4.80(MLB30位/AL15位)
SV率 54.39%(MLB29位/AL15位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) -16(MLB21位/AL8位)
UZR -63.9(MLB29位/AL14位)

投打ともに課題が多く打線では得点がリーグ14位、打率が同15位、出塁率が13位で、投手陣全体の防御率は4.11でリーグ12位と低迷し、特にリリーフ陣の数字がひどく、リリーフ陣の防御率4.80とセーブ成功率はともにリーグ最下位となっています。

セーブ成功率は54.39%となっているのですが、総セーブ数が31の一方で、セーブ失敗が26となっていて、このセーブ失敗が半分になっていれば、勝率5割に到達できていたと考えられる2014年のアストロズでした。

そのチームを整備するために積極的な補強を行いました。アストロズのシーズンオフにおける主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA:ロバート・ヘルナンデス(SP)
FA:ルーク・グレーガーソン(RP)
FA:ジェド・ラウリー(SS)
FA:パット・ネシェック(RP)
FA:コルビー・ラスマス(OF)
FA:ジョー・サッチャー(RP)
TR:エバン・ガティス(1B/OF)
TR:ハンク・コンガー(C)
TR:ダン・ストレイリー(SP)
TR:ルイス・バルブエナ(3B)
主な戦力流出 TR:デクスター・ファウラー(OF)
TR:ニック・トロピアーノ(SP)
TR:カルロス・コーポラン(C)
FA:マット・アルバース(RP)
FA:カイル・ファンズワース(RP)
FA:ジェシー・クレイン(RP)
FA:ヘスス・グスマン(1B)
FA:ホセ・ベラス(RP)

アストロズはなかなかクローザーが定まらずに苦しんだのですが、チャド・クオルズ(19セーブ・成功率76%)が定着することで勝ち切ることができるようになりました。

そのクオルズの前の7回と8回を締めることのできるルーク・グレーガーソンと3年1850万ドル、パット・ネシェックと2年1250万ドルで契約して、グレードアップさせることに成功しました。

また、打撃陣ではFAが近づいてきたデクスター・ファウラーを放出して、マット・ドミンゲスが伸び悩んだサードを守れるルイス・バルブエナ
を獲得し、捕手から野手に転向することで30本塁打が期待できるエバン・ガティスをトレードで、ショートを守れ攻撃面で期待できるジェド・ラウリー、長打力に優れるコルビー・ラスマスをFAで獲得し、得点力不足の打線のテコ入れを行いました。

若い選手の育成に力を入れてきたアストロズでしたが、2014年はメジャーレベルで実績と経験のあるベテラン野手を加えることで、よりバランスがとれた状態となったと考えられるアストロズです。

アストロズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順、並びにベンチメンバーはは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (2B)ホセ・アルトゥーベ
    打率.341/本塁打7/打点59/出塁率.377/長打率.453
  2. (RF)ジョージ・スプリンガー
    打率.231/本塁打20/打点51/出塁率.336/長打率.468
  3. (3B)ルイス・バルブエナ
    打率.249/本塁打16/打点51/出塁率.341/長打率.435
  4. (DH)クリス・カーター
    打率.227/本塁打37/打点88/出塁率.308/長打率.491
  5. (1B)エバン・ガティス
    打率.263/本塁打22/打点52/出塁率.317/長打率.493
  6. (C)ジェイソン・カストロ
    打率.222/本塁打14/打点56/出塁率.286/長打率.366
  7. (SS)ジェド・ラウリー
    打率.249/本塁打6/打点50/出塁率.321/長打率.355
  8. (LF)コルビー・ラスムス
    打率.225/本塁打18/打点40/出塁率.287/長打率.448
  9. (CF)ジェイク・マリスニック
    打率.249/本塁打3/打点19/出塁率.281/長打率.326

【予想ベンチメンバー】

  • (UT)マーウィン・ゴンザレス
    打率.277/本塁打6/打点23/出塁率.327/長打率.400
  • (C)ハンク・コンガー
    打率.221/本塁打4/打点25/出塁率.293/長打率.325
  • (OF)アレックス・プレスリー
    打率.244/本塁打6/打点19/出塁率.281/長打率.346
  • (OF)ロビー・グロスマン
    打率.233/本塁打6/打点37/出塁率.337/長打率.333
  • (UT)ジョナサン・ビヤー
    打率.209/本塁打7/打点27/出塁率.267/長打率.354
  • (1B)ジョン・シングルトン
    打率.168/本塁打13/打点44/出塁率.285/長打率.335
  • (3B)マット・ドミンゲス
    打率.215/本塁打16/打点57/出塁率.256/長打率.330

37本塁打のクリス・カーター、78試合で20本塁打のジョージ・スプリンガーに加えて、オフの補強で、108試合で22本塁打のエバン・ガティス、104試合で18本塁打のコルビー・ラスマス、149試合で16本塁打のルイス・バルブエナ、2012年に16本塁打、2013年に15本塁打を打ったジェド・ラウリーを加えましたので、打線の上位から下位に至るまで一発の怖さがある打線が形成されています。

ベンチメンバー入りするであろうジョン・シングルトンやマット・ドミンゲスらも長打力があるため、2015年シーズンはかなりの本塁打数になる可能性があります。

しかし、問題は2014年と同様に本塁打がチームの総得点アップにつながるかどうかというところです。2014年シーズンのアストロズの本塁打数163本はオリオールズ、ロッキーズ、ブルージェイズに続く4番目の多さでした。

しかし、出塁率が.309でMLB全体で21位、ア・リーグで13位にとどまるため、チーム総得点の629がMLB全体で21位、ア・リーグで14位に低迷する要因の1つとなってしまいました。

チームが勝利することよりも、個々人の成長に重きがおかれていたこともあり、各自が自由に振り回していたことが、長打の多さにつながった一方で、打線全体のつながりはなくなり、大振りするため三振は多く(24%でア・リーグ最悪の割合)なっていました。

新しく監督となったA.J.ヒンチも認識していて、イチかバチかというアプローチではなく、チームとしてつながりのある攻撃を意識していきたいと、地元メディアに話しています。

長打力がある選手が揃っていますので、よりチーム全体で攻撃する意識が高まれば、同地区のライバルチームにとって、かなり脅威となりそうなアストロズです。

アストロズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

アストロズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP)ダラス・カイケル
    200.0回/防御率2.93/12勝9敗/WHIP1.18
  2. (SP)スコット・フェルドマン
    180.1回/防御率3.74/8勝12敗/WHIP1.30
  3. (SP)コリン・マクヒュー
    154.2回/防御率2.73/11勝9敗/WHIP1.02
  4. (SP)ブルット・オバーホルツァー
    143.2回/防御率4.39/5勝13敗/WHIP1.38
  5. (SP)ロベルト・ヘルナンデス
    164.2回/防御率4.10/8勝11敗/WHIP1.39
  6. (SP)ダン・ストレイリー
    52.0回/防御率6.75/1勝3敗/WHIP1.48
  7. (SP)アッシャー・ウォジェハウスキー
    –回/防御率–/–勝–敗/WHIP–
  8. (SP/RP)サミュエル・デドゥーノ
    100.2回/防御率4.47/2勝6敗/WHIP1.42
  9. (SP)ブラッド・ピーコック
    131.2回/防御率4.72/4勝9敗/WHIP1.56

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)チャド・クオルズ
    51.1回/防御率3.33/19SV/WHIP1.15
  • (SET)ルーク・グレガーソン
    72.1回/防御率2.12/3SV/WHIP1.01
  • (SET)パット・ネシェック
    67.1回/防御率1.87/6SV/WHIP0.79
  • (RP)ジョシュ・フィールズ
    54.2回/防御率4.45/4SV/WHIP1.23
  • (RP)トニー・シップ
    50.2回/防御率3.38/4SV/WHIP0.89
  • (RP)ジョー・サッチャー
    30.1回/防御率3.86/0SV/WHIP1.32
  • (SP/RP)サミュエル・デドゥーノ
    100.2回/防御率4.47/0SV/WHIP1.42

2014年の開幕時にはスコット・フェルドマンだけというような先発ローテでしたが、ダラス・カイケルとコリン・マクヒューらが台頭してきたことで、安定感を増すことができました。

勝率5割というものが2015年シーズンの目標となっているアストロズですが、それを達成するためにはカイケル、マクヒューの2人のパフォーマンスが欠かすことができません。

しかし、仮にこの前の3人が昨年並みに働いたとしても、4番手以降はやや弱さがあります。またリリーフ陣もクオルズ、グレガーソン、ネシェックの3人により良くなったとは考えられるものの、全体的な層の薄さは隠せず、故障があった場合には一気に戦力ダウンしてまう選手層です。

打撃面でも課題があるアストロズなのですが、野手の選手層はそれなりに厚いのですが、投手陣は同地区のライバルであるエンゼルス、マリナーズ、アスレチックスと決定的な違いがあります。

ただ、カイケルとマクヒューのようにくすぶっていた選手がさらにブレイクしてくるようであれば、勝率5割以上もできなくはない編成になりつつありますので、先の3チームも故障者が多くでるようであれば、足元をすくわれることがありそうです。

総括・まとめ

ア・リーグ西地区は2015年シーズンでは最激戦地区と言える状態のため、戦力が整ってきたアストロズですが、先の3チームを上回ることは容易ではなく、ポストシーズンを狙うにはやや苦しい布陣です。

また、若い選手が多く再建モードだったチームを、勝てるチームに熟成させていくための移行期にあるため、本当の勝負は2016年シーズン以降になりそうなアストロズです。

しかも、これからさらに期待できる選手がまだまだファームシステムに控えています。2013年ドラフト1巡目全体1位のマーク・アペル投手、2012年のドラフト1巡目全体1位で、アレックス・ロドリゲスの若い頃を思わせるとの声もあるショートのカルロス・コレア、2014年はメジャーで結果を残せなかったものの将来を嘱望されるドミンゴ・サンタナなど、今後も期待できるプロスペクトがまだマイナーにいます。

また、フルシーズンでどれだけの数字を残すのか注目されるジョージ・スプリンガーやジョン・シングルトンなどもいますので、大きなポテンシャルを秘めています。

アストロズは、チーム全体と若い選手個々人が2015年にどのように熟成されていくのか注視すべきチームで、うまくはまれば5割以上の数字を残すこともありそうです。