2017年もポストシーズン進出を果たすことができず、現在のメジャーリーグで最長となる16年連続でのレギュラーシーズンでの敗退となったシアトル・マリナーズです。
年俸総額、ファームのプロスペクトなど、多くのリソースが残っていない中で、78勝84敗と負け越したチームを立て直すことになるジェリー・ディポトGMです。
そのシアトル・マリナーズの2017-18シーズンオフの補強、特にFA市場での動きについてグレッグ・ジョンズ(Greg Johns)氏が予想しています。
マリナーズからはヨンダー・アロンソ(一塁手)、ダニー・バレンシア(一塁手)、ゴードン・ベッカム(内野手)、ジャロッド・ダイソン(外野手)、カルロス・ルイーズ(捕手)、ヨバニ・ガヤルド(先発投手)、岩隈久志(先発投手)がFAとなります。
そのためファースト、センターを守れる外野手、バックアップ捕手、ベテランの先発投手といったところが、シーズンオフに補強が必要なポジションとなるのですが、以下のようにジョンズ氏は予想しています。
The Mariners could bring back Alonso, but there are other veterans who might also fill the team’s most obvious offseason hole. They aren’t likely to compete for the big-ticket first baseman, long-time Royals standout Eric Hosmer, but the Indians’ Carlos Santana could be an excellent fit. Former Mariner Logan Morrison broke out with a career-high 38 homers and 85 RBIs for the Rays last season and Lucas Duda, Mitch Moreland and Mark Reynolds are also available.
ヨンダー・アロンソはディポトGMも評価し、本人も再契約に前向きな姿勢です。そのため一塁の穴を埋める策としては、現時点では最有力です。エリック・ホズマーは予算的に厳しいものの、カルロス・サンタナは手がとどくかもしれないと言及されています。ただ、この記事の後にカルロス・サンタナにクオリファイング・オファーが出されていますので、候補から外れることになりそうです。
他に名前が上がっているのはトレードで放出し、レイズで38本塁打とブレイク・アウトしたローガン・モリソン、メッツからレイズにトレード移籍した30本塁打のルーカス・デューダ、22本塁打のミッチ・モアランド、30本塁打のマーク・レイノルズなどとなっています。
外野に関してはジェリー・ディポトGMが「ミッチ・ハニガーやギジェルモ・エレディアに任せることができる」とは話しています。そのためセンターを守れる外野手にこだわらず両翼の選手まで補強の範囲を広げる可能性もあります。
その上で候補としてジョン・ジェイ、カーティス・グランダーソン、メルキー・カブレラ、ラジャイ・デービスが挙げられています。
ただ、これまでの一塁や外野に比較して、補強の優先順位が高いと考えられるのが先発ローテーションです。
グレッグ・ジョンズ氏は以下のように書いています。
Unless Japanese two-way standout Shohei Ohtani says he’s not coming to the Majors this offseason, he’ll remain atop the Mariners’ — and most every team’s — wish list. And he’d potentially help out with that corner outfield opening as well. More realistic options would be right-handers Lance Lynn, Alex Cobb and Tyler Chatwood or lefties like Jaime Garcia or Francisco Liriano.
大谷翔平の名前は当然のことながら上がっています。全球団がリストアップしていると考えられますので、驚くようなことではありません。ただ、激しい争奪戦となるため、先を読むことは困難です。
そのため現実的な選択肢としてカージナルスからFAとなったランス・リン、レイズからFAとなったアレックス・カッブ、他にはロッキーズからFAとなるタイラー・チャットウッド、ヤンキースからFAとなったハイメ・ガルシア、アストロズからFAとなったフランシスコ・リリアーノなどがリストアップされています。
そして、この記事の最後では契約が6年残っているロビンソン・カノの体を守るために二塁から一塁に移動させる可能性にも言及していて、その場合にはハウィー・ケンドリック、ニール・ウォーカー、ブランドン・フィリップスなどが候補となると予想されています。
現時点での先発ローテはフェリックス・ヘルナンデス、ジェームズ・パクストン、マイク・リークの3人が確定で、アリエル・ミランダ、マルコ・ゴンザレス、エラスモ・ラミレス、アンドリュー・ムーアなどが候補となる状態で、手薄感が否めません。
できればランス・リン、アレックス・カッブあたりの力量がある投手が欲しいところではありますが、両者ともにこの記事の後にクオリファイング・オファーを受けたことが報じられています。
ファームのプロスペクトの層が薄い現状で、ドラフト指名権を失うことは大きな痛手となり、中長期的なダメージが大きくなります。シーズン中に移籍していてクオリファイング・オファーの対象外となっているハイメ・ガルシアあたりが、さらに現実的な選択肢となるかもしれません。
昨シーズンオフには3AとMLBの間を行き来するようなレベルの先発投手を数多く獲得したのですが、それらの中から大きくステップアップするような投手は現れず、シーズン中にエラスモ・ラミレスを連れ戻し、マルコ・ゴンザレスを獲得するに至っています。
このオフも同様にメジャーレベル前後の選手を獲得する動きを続けるとするならば、来季を迎えるにあたり不安が残ることになりそうです。
昨シーズンオフに引き続き、難しいやりくりを迫られることが確実なマリナーズです。