「大型の長期契約選手の現実」がFA市場に影響?大物記者が鈍いシーズンオフの原因を分析

大谷翔平のポスティング、ジャンカルロ・スタントンのトレード、さらには監督、コーチの交代がMLB全体で多かったことなど、様々な原因が市場の動きを鈍くしていると見られていました。

しかし、それらの問題が決着した後も、引き続き鈍い動きのFA市場となっています。

選手の価値を高めるために交渉を終盤まで遅らせる傾向があるスコット・ボラス氏がジェイク・アリエッタ、グレッグ・ホランド、J.D.マルティネス、マイク・ムスターカス、エリック・ホズマーを抱えていることも影響を与えています。

補強に大金を投資できるヤンキースとドジャースが年俸総額を抑制しようとしていることも影響を与えています。

ただ、これらの問題よりも、大型契約選手の現状、結末が影響与えている可能性があるとニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン氏が指摘しています。

スポンサーリンク

大型契約の成功例はマックス・シャーザーだけ?

以下はジョエル・シャーマン氏の記事からの引用です。

But now I think it is even deeper than that. The groupthink has simply come to believe — after more than four decades of evidence — that the massive free-agent deal is more likely to go badly than well; and if nothing else, these analytic front offices understand odds.

『これらの問題は良い根深いものが影響を与えていると私は考えている。40年以上にわたる現実の積み重ねの結果、大型契約は良い方向に働くよりは、悪い方向に影響を与える可能性が高いと考えられるようになり、そのオッズを分析に長けているチームのフロントオフィスは理解している。』とシャーマン氏は述べています。

シャーマン氏は続くパラグラフで、現在のシステムでは6年もしくは7年を経ないとFAとなれないという欠陥があり、もっと早い段階の若い年齢でFAになれるようにすべきだと主張しています。

このことによりFA市場で獲得に動くチームは、下り坂に差し掛かっている選手ではなく、25歳から29歳という良い時期に差し掛かっている選手を獲得できるようになると、その理由をシャーマン氏は説明しています。

そして現状ではジェイク・アリエッタ、ダルビッシュ有、エリック・ホズマー、J.D.マルティネスの4人は年俸が2000万ドル、契約総額が1億ドルを越える可能性が高いと予想されています。それでも各チームがためらっているのは、過去の大型契約が影響を与えているとして、それらをシャーマン氏は検証しています。

There are currently 14 players operating on free-agent deals that hit both of those parameters.

契約延長を除いた純粋なFA選手として、総額1億ドルと年平均2000万ドルを越える契約を手にしている現役の選手は14名です。それらの選手たちの現状が芳しくないことが影響を与えているとシャーマン氏は指摘しています。

Still, of the 14, the only two that are so far working great are with Washington’s Max Scherzer (three seasons into a seven-year, $210 million pact) and Jon Lester (three seasons into a six-year, $155 million deal); and Lester just had a down year in his age-33 season.

今のところ14名の選手のうちで、大型契約の価値を見出すことができているのはナショナルズのマックス・シャーザー(7年2億1000万ドル)、カブスのジョン・レスター(6年1億5500万ドル)の2人だけと考えられるとシャーマン氏は述べています。

ただ、そのうちの1人であるジョン・レスターも33歳となった2017年の成績は良いものではありませんでした(180回2/3:防御率4.33/13勝8敗/奪三振180/WHIP1.32)。

大型の長期契約の大半がチームの足かせに

ダイヤモンドバックスのザック・グレインキー(6年2億650万ドル)は2017年は良いシーズンでしたが、契約1年目の2016年は良くありませんでした。この大型契約があることにより、J.D.マルティネスの再契約は難しく、ポール・ゴールドシュミットとの契約延長も容易ではなくなっています。

メッツはヨエニス・セスペデスと4年1億1000万ドルで契約しましたが、81試合しか出場することができず、チームは年俸総額の削減に取り組んでいます。

ヤンキースの田中将大(7年1億5500万ドル)、ジャイアンツのジョニー・クエト(6年1億3000万ドル)の2人は、このシーズンオフに契約を破棄してFAを選択することができました。しかし、両者ともに健康面の不安や成績面で物足りないもので、現在の契約以上の金額は難しかったこともあり残留を選択しています。

デビッド・プライス(7年2億1700万ドル)はレッドソックス移籍後の成績はイマイチで、2017年は故障で長期離脱をすることになり、ポストシーズンではブルペンにまわりました。

アルバート・プホルスは10年2億4000万ドルの契約を結びました。しかし、この6年間の成績は打率.262/出塁率.319/長打率.459/OPS.777とイマイチで、2017年は故障の影響もありキャリアワーストのOPS.672に終わっています。

ロビンソン・カノーは10年2億4000万ドルで4年を消化しましたが、2017年はこの10年で初めて故障者リストに入り、成績も打率.280/出塁率.338/長打率.453/OPS.791に終わりました。後半戦以降は下半身に不安を抱えていて、セカンドをいつまで守れるかわからなくなりつつあります。

9年2億1400万ドルのプリンス・フィルダーは2017年は全くプレーできず、契約の年数が残った状態で引退することとなりました。

8年1億8400万ドルのジェイソン・ヘイワードは守備面では素晴らしい水準を維持していますが、打撃面では2年で打率.257/出塁率.328/長打率.389/OPS.717、18本塁打と金額に見合わないパフォーマンスです。

7年1億6100万ドルのクリス・デービスは、2年で64本塁打ですが、打率.218/出塁率.322/長打率.443/OPS.765と物足りない数字です。

5年1億1000万ドルのジョーダン・ジマーマンは2シーズンで防御率5.60、7年1億5300万ドルのジャコビー・エルズベリーは4シーズンで打率.264/出塁率.330/長打率.386/OPS.716という成績で5番目の外野手となっています。

現役ではありませんが、カール・クロフォードジョシュ・ハミルトンなどは長期契約の最終年である2017年に打席に立つことはありませんでした。

マックス・シャーザーが3年で657回2/3で防御率2.76、奪三振828、WHIP0.93という素晴らしい成績で、2度サイヤング賞を獲得している以外は、不良債権もしくはチームの補強の足かせとなっている状況です。
これだけ大型のFA契約が上手く機能しない現実があると、簡単には1億ドルを越える金額を提示しにくいのは間違いありません。このようなことが、現在のFA市場に影響を与えているのではないかとシャーマン氏は考えているようです。

現在、様々なデータの解析により、選手として1番ピークの時期となるのが25歳から28歳くらいと考えられるようになっています。しかし、大型契約を結ぶ選手の大半が30歳前後となっていますので、下り坂に差し掛かる時期を多く買い取ることになっているのが現状です。
この問題がFA市場の動向に影響を与えているとするならば、豪華な選手がFAとなる2018-19シーズンオフの市場にも影響が及ぶ可能性が否定できません。

ブライス・ハーパーとマニー・マチャドに10年3億ドルから4億ドルというメディアの予想もありますが、そうそう簡単には実現しないのかもしれません。

スポンサーリンク

フォローする

よく読まれています