田中将大の真価が問われるのは6月以降に?ヤンキースの日程から予想されるカベ

田中将大がメジャー1年目ということを感じさせない適応能力を発揮しています。野茂の後にメジャーに渡った日本人投手の中では、一番スムーズにMLBのスタイルやボールに馴染んでいると考えられる田中将大です。

7試合の先発登板を終えた時点で、49.0回/防御率2.57/5勝0敗/奪三振58/WHIP1.00という数字は出色のもので、高い順応性と実力の高さが証明されている成績です。

では、このまま現在の防御率や奪三振率で勝ち続けられるのか?ということが次なる疑問となってきます。

田中将大の持っている力量がメジャーでも優れたものであることは間違いないのですが、実はこれからが真価を問われる時期になってきます。

その田中将大がメジャー1年目で結果を残すために乗り越えるべき壁について、ヤンキースの日程や対戦相手を見ながら考えていきます。

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日程がハードになり2度目の対戦が増える6月以降

2014年5月9日終了時点でのヤンキースの日程、対戦相手、そして予想される先発ローテ投手のリストは以下のとおりとなります。マイケル・ピネダの復帰や天候で変更になる場合もありますので、先発投手は参考程度に見てください。

ヤンキースの2014年5月-7月の日程と先発予定_0509

5月は交流戦も多く、ア・リーグ東地区のチームとの対戦は6月までありません。しかし、6月以降は同地区対決が多くなります。

現時点のローテ通りになる可能性は低いのですが、仮に現状のローテ通りであれば、アスレチックスとオリオールズと2回、そしてレッドソックスとレイズは2回目の対戦があるスケジュールとなっています。

ただ、普通に考えれば登板が後ろにずれる可能性が高く、その場合にはブルージェイズと2回対戦する可能性が出てきそうです。

そのため、どちらにしても、2度目の対戦が6月以降に増えることは確実な状況となります。そうなると初対戦との時とは違って、対戦する打者も田中将大の球筋がわかった状態で打席に立ちますので、より戦いはシビアになることが予想されます。

また日程的にもさらにハードになっていきます。4月30日に中止になったマリナーズ戦が6月2日に入ったこともあり、5月30日から6月15日までは17連戦、その後に休養日が1日あって9連戦、また休養日を挟んでオールスターまで17連戦となっています。つまり5月30日から7月13日までの45日間でわずかに3日しか休養がないスケジュールとなっています。

そのため先発投手も厳しいですが、ブルペンもかなり厳しくなるため、中4日であっても、ある程度のイニングを投げることが要求されることが多くなってきます。

疲労が蓄積してくる時期に、次第にハードな日程になっていくため、多くの投手が疲労で苦しみます。昨年はダルビッシュ、岩隈、黒田の3人は開幕直後から4月から5月頭くらいまでは素晴らしい成績を残していたのですが、開幕してから1ヶ月半から2ヶ月過ぎたあたりで打ち込まれる試合が増えていきました。

田中将大も、そろそろ疲労が蓄積してくる時期に差し掛かってくるため、これからが正念場となっていきます。

オールスター後にさらなる本当の正念場が待っている田中将大

もちろん一番の正念場となるのがポストシーズン進出がかかる9月です。その9月はロイヤルズとの3連戦以外は全てア・リーグ東地区のチームとの対戦が予定されています。

9月2日から28日の26試合のうち、23試合がア・リーグ東地区のレイズ、オリオールズ、ブルージェイズ、レッドソックス戦が予定されています。

いずれのチームも打線が強力で、かつ打者が有利な球場ばかりのため、タフな試合が多くなっていきます。昨年、黒田博樹が140イニング以降に成績が悪くなったのも、本人の疲労もあると考えられますが、ア・リーグ東地区のチームが対応できるようになったという可能性も否定できません。

黒田博樹が140イニングを超えてきた8月以降の登板では、10試合中7試合がア・リーグ東地区のチームでした。その8月と9月はいずれも月間防御率が5点台です。

さらに8月以降の黒田博樹のア・リーグ東地区のチームとの対戦成績だけを取り出してみると、7試合で0勝6敗、40.1回で防御率6.69/WHIP1.66となっていて、徹底的に打ち込まれています。

多くのチームはポストシーズンを決める重要な8月と9月で、決定的なダメージを相手に与えて最後に勝ち抜けるように準備しています。強いチームであればあるほどその時期への準備に怠りがなく、シーズン終盤に相手チームのエースを攻略できるように虎視眈々とデータを集め、チームの状態のピークをそこに合わせていきます。

田中将大との初対決の時に、攻略を諦めていたわけではないでしょうが、仮に打ち崩せなくても、ポストシーズン進出がかかる重要な時期に攻略できるように準備していたであろうことは間違いありません。

またそれらの各チームの対策に加えて、疲労が蓄積してくる最後の1ヶ月は試合日程もハードです。オールスター後の簡単な日程は以下のとおりとなっています。

  • 13連戦(7月18-30日)
  • 13連戦(8月1-13日)
  • 3連戦(8月15-17日)
  • 6連戦(8月19-24日)
  • 6連戦(8月26日-31日)
  • 6連戦(9月2-7日)
  • 20連戦(9月9-28日)

27日間で20連戦を含む26試合が組まれている一番ハードな9月に、ア・リーグ東地区の強力打線を誇るチームと続けて対戦することになるわけです。

できるだけ有利にシーズン終盤を戦うために、ヤンキースの首脳陣がシーズンの早い段階で、レッドソックスに田中将大のボールを見せたくなかったとワシントン・ポストが伝えていたのもうなずけます。

そのため田中将大は、シーズン終盤にはアジャストというレベルにとどまるのではなく、進化していかないと、勝ち続けられないと考えられます。

田中将大は、すでに素晴らしい投手であると評価されています。ただ、ヤンキースのエースとなるには、この大事な時期に活躍してこそ、正真正銘のエースとなったと考えられるのではないでしょうか。

勝つことが宿命づけられ、勝ってこそ評価されるチームにいるわけですから、この時期により力を発揮してほしいところです。

また、サイ・ヤング賞候補になったり、それに準ずるグループにいるMLBのトップクラスの投手たちは、シーズン終盤の各チームの包囲網を打ち破って抑えていますので、田中将大にもそうあってほしいものです。田中将大の本当の戦いはこれからというところではないでしょうか。

田中将大本人はこういうことも頭に入っているのでしょう。浮かれているようなところがありません。そのクレバーさで相手の包囲網をかいくぐって、素晴らしい成績を残してくれることを期待しています。

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