シアトル・マリナーズが岩隈久志と1年1200万ドル(契約金・バイアウト含む)と再契約したことで、ジェリー・ディポトGMは以下のように語ったとESPNのバスター・オルニーは伝えています。
Seattle GM Jerry Dipoto calls Hisashi Iwakuma signing the ‘finishing touch’ of the Mariners’ offseason.
『ジェリー・ディポトGMは岩隈久志の獲得をマリナーズのオフシーズンの動きは”最後の仕上げ(finishing touch)”だと話している。』とのことです。
もちろんトレードの打診があれば耳を傾け、マイナー契約で獲得できる選手などは関心を持ち続けると予想されますが、ロースターの大部分の編成は終えた状態だと述べていることになります。
そこで、この2015年12月22日に時点での様々な情報を元にマリナーズの2016年シーズン開幕時のロースター編成について予想していきたいと思います。
2016年シーズンのシアトル・マリナーズの開幕ロースター予想
投手陣の編成は以下のとおりとなっています。
投手12名(先発5+リリーフ7)の構成
- SP1:フェリックス・ヘルナンデス(2500万ドル)
- SP2:岩隈久志(1100万ドル)
- SP3:ウェイド・マイリー(600万ドル)
- SP4:タイファン・ウォーカー
- SP5:ネイサン・カーンズ/ジェームズ・パクストン
- Closer:スティーブ・シシェック(400万ドル)
- Setup:ホアキン・ベノワ(750万ドル)
- Setup:チャーリー・ファーブッシュ(年俸調停)
- RP1:ジャスティン・デフレイタス(75万ドル)
- RP2:アンソニー・バス(年俸調停)
- RP3:ビダル・ヌーニョ
- RP4:マイク・モンゴメリー
現時点では先発4番手にタイファン・ウォーカーが入り、5番手をジェームズ・パクストンとトレードでレイズから獲得したネイサン・カーンズが争うと見られています。
ただ、この3人ともにマイナー降格のオプションが残っている状態で、さらにジェリー・ディポトGMが投球イニングの制限をかける意向であることを示唆していますので、この3人が4番手と5番手を入れ替わりながらローテを作っていくことになりそうです。
ビダル・ヌーニョ、マイク・モンゴメリーというロングリリーフと先発の両方をこなすスイングマンとしての経験がありますが、さらにトレードで獲得したアンソニー・バスも同様の役割をこなせるとディポトGMは考えています。
そのためマリナーズは先発ローテ要員としてすでに9名を抱えている状態となっています。
現在のメジャーリーグでは先発投手が1年間に10名から11名は必要となっていますので、マリナーズがこの時点で層を厚くできたことは、長いシーズンを戦う上で良い準備ができていると言えそうです。
クローザーにはFAで契約したスティーブ・シシェック、セットアップにはトレードで獲得した右腕のホアキン・ベノワ、左腕のチャーリー・ファーブッシュが入り、この3人が勝ちゲームを締めくくる構想です。
マイク・モンゴメリーはマイナー降格のオプションが無くなっているため、もし外す場合にはウェーバーにかける必要がありますので、その場合にはトレードを模索することになりそうです。
また2011年ドラフト1巡目全体2位で指名され、トップスターターになることが期待されていたダニー・ハルツェンは、スプリングトレーニングにはリリーフとして登板する準備をするように言い渡されていて、場合によってはモンゴメリー、ヌーニョなどど枠を争う可能性はありそうです。
野手13名(先発9+バックアップ4)の構成
野手の予想される編成は以下のとおりとなっています。
- 捕手:クリス・アイアネッタ/スティーブ・クレベンジャー
- 一塁手:アダム・リンド(800万ドル)
- 二塁手:ロビンソン・カノー(2400万ドル)
- 三塁手:カイル・シーガー(750万ドル)
- 遊撃手:ケーテル・マルテ
- 左翼手:青木宣親(550万ドル)/フランクリン・グティエレス(150万ドル)
- 中堅手:レオニス・マーティン(年俸調停)
- 右翼手:セス・スミス(675万ドル)/ネルソン・クルーズ
- 指名打者:ネルソン・クルーズ(1400万ドル)
- ユーティリティ:クリス・テイラー(2B/SS)
- ユーティリティ:ルイス・サーディナス(3B/2B/SS)
- バックアップ:ヘスス・モンテロ
この中で当落線上にいると考えられるのがクリス・テイラー、ルイス・サーディナス、ヘスス・モンテロの3人です。
一塁はアダム・リンドが主力となり、捕手と一塁の両方ができるスティーブ・クレベンジャーも控えているため、結果を残せないとヘスス・モンテロの立場は危ういものとなります。
ヘスス・モンテロもマイク・モンゴメリーはマイナー降格のオプションが無くなっているため、マイナー降格するためにはウェーバーにかける必要があります。
またユーティリティはクリス・テイラー、ルイス・サーディナスの2人がその役割を争うことになりそうです。
青木宣親はトレード移籍当初はライトを守るのではないかとの報道が出ましたが、ジェリー・ディポトGMはレフトを守らせる方針であることを示唆しています。
ただ、レフトとライトに関しては、選手の調子や投手の左右、相性などによって、ネルソン・クルーズ、青木宣親、セス・スミス、フランクリン・グティエレスの4人を柔軟に起用することになる見込みです。
一連のトレードやFAの獲得で投手陣、野手陣の両面において柔軟性が生まれ、様々な状況に対応しやすくなっています。
また広いセーフコフィールドに対応するため外野手の守備力を重視していたディポトGMでしたが、マーティン、青木、スミス、グディエレスの4人は平均を上回る守備力を持っていますので、守備面での戦力アップも期待できそうな2016年のマリナーズです。