マリナーズのジェリー・ディポトGMは、デビッド・フェルプスの獲得後も、先発投手の獲得に動いていることを示唆していましたが、それが実現に達したようです。
#Mariners acquire LHP Marco Gonzales from St. Louis for minor league OF Tyler O’Neill.
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— MarinersPR (@MarinersPR) 2017年7月21日
マリナーズがカージナルスからマルコ・ゴンザレスをトレードで獲得したことを発表しています。
マルコ・ゴンザレスは25歳の先発左腕投手で、2015年シーズン開幕前にはベースボール・アメリカがMLB全体で50番目、ベースボールプロスペクタスが同52位にランクしていた、かつてのプロスペクトです。
すでにメジャーデビューを果たしていて、2014年には34回2/3を投げて防御率4.15という成績を残しています。その後は2015年に1試合を投げているのですが、左肘のトミージョン手術を受け、今年メジャーに復帰しています。
メジャーデビューは2014年ですが、まだ新人王の資格を有していて、フリーエージェントとなるのは最短でも2022年シーズン終了後となりますので、マリナーズは今年の残りを含めた5年半をコントロールできる選手です。
ジェリー・ディポトGMは、先発投手の補強は今季限りのレンタル選手だけでなく、来季までの選手という短いスパンではなく、長期間チームがコントロールできる選手の獲得を目指すと話していました。
マルコ・ゴンザレスはそのディポトGMの方針に合致している選手です。
カージナルス側からすると3Aにルーク・ウェイバー(MLB全体でNO.55)、ジェイク・フラハティ(同95位)とメジャー昇格寸前の投手のプロスペクトがいて余裕があるため、マルコ・ゴンザレスの放出に踏み切ることができています。
ただ、プロスペクトとして評価されてきた投手で、これまでカージナルスも簡単には放出に応じなかった投手のため、マリナーズ側もそれなりの代償を支払っています。
マリナーズが今回、交換要員として放出したのは、2016年ドラフト1巡目指名のカイル・ルイスに続くチーム内2番手の評価をされていたタイラー・オニールです。
タイラー・オニールは右投げ右打ちの22歳の外野手で、2013年ドラフト3巡目全体85番目に指名されたマリナーズに入団しています。プロスペクトの層が薄いマリナーズにあって、今季開幕前にはベースボール・アメリカがMLB全体で38位、MLB公式サイトが36位、ベースボールプロスペクタスが53番目にランクする質の高い選手です。
すでに3Aに昇格していて、今季は93試合で打率.244/出塁率.328/長打率.479/OPS.807、19本塁打と結果を残すなど、いつメジャーデビューしてもおかしくない状態でした。
現在のファームの層を考えると、手痛い放出ではあるのですが、マリナーズの外野手はメジャーレベルで、ベン・ギャメル、ミッチ・ハニガー、ギジェルモ・エレディア、ジャロッド・ダイソンと揃っています。
さらにマイナーにはレオニス・マーティン、ブーグ・パウエルもバックアップとしているため、フェルプスのトレードで放出したディラン・ヘルナンデスと同様に放出できるような状況ではありました。
先発投手としてのポテンシャルが高いプロスペクトを多く抱えているわけではないマリナーズにとっては、既にメジャーレベルにあるマルコ・ゴンザレスを獲得することのほうが価値があると判断したようです。
これでマリナーズがトレード期限前に動いていた先発投手とリリーフ投手の補強に成功しました。ただ、カイル・シーガー、ジーン・セグラ、ロビンソン・カノの負担を減らせる内野手として、メッツのアズドルバル・カブレラにも関心を示しているとされていますので、まだまだトレード補強の動きが続く可能性はありそうです。