マリナーズは「再建」「勝負」のどちらも難しい・・・地元メディアが嘆き

シアトル・マリナーズは 57勝88敗と大きく負け越しナ・リーグ14位に沈んでいたサンディエゴ・パドレスに2連敗を喫し、プレーオフ進出に向けたかすかな望みさえも断たれました。

数字上は可能性が残っているものの、実現性が極めて低いシナリオしか残っていないこともあり、地元メディアの意識もシーズンオフの動向に向けられつつあります。

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問題山積のマリナーズ

シアトル・タイムズのラリー・ストーン氏は、マリナーズのシーズンオフの動向を展望しているのですが、非常に厳しい状態だと述べています。

ラリー・ストーン氏はマリナーズは79勝66敗と悪くはない成績を残しているが、その数字をそのまま信じることはできないと述べています。

  • シーズン全体の勝利数は昨年を上回り、90勝に到達する可能性もあるが、得失点差が悪いにも関わらず大きく勝ち越した前半の貯金が大きいだけで、チームの実情はこの2ヶ月の24勝34敗という成績のほうが実態に近い。
  • マリナーズの得失点差-53は、65勝78敗で沈んでいるメッツの-47よりも良くない数字。
  • ベースボール・プロスペクタスの得失点差をベースにした試算でも、現時点でのマリナーズの成績は65勝78敗が妥当と算出されている。

来季にポストシーズンに向けて勝負をかける上で、79勝66敗という成績だけを見れば、大幅なテコ入れは必要がないように見えます。しかし、運に恵まれた上での好成績であって、実際には戦力の整備を必要としているとラリー・ストーン氏は述べています。

最近のトレンドでもある大規模なチーム再建も選択肢となるような状況なのですが、ラリー・ストーン氏は、その道程も容易なものではないと述べて、マリナーズの抱えている問題を列挙しています。

  • フェリックス・ヘルナンデス、ロビンソン・カノ、カイル・シーガー、マイク・リーク、ディー・ゴードン、ジーン・セグラ、フアン・ニカシオという今季が期待はずれだった7選手に対して、2019年に1億2250万ドルを支払うことになっている。
  • メジャーリーグレベルの戦力として昇格が期待できるプロスペクトが極めて乏しく、ファームの評価は様々な媒体で底辺にランクされている。
  • これから数年はエリートレベルの戦力を維持するであろうアストロズ、MLBで最も低い年俸総額でありながら戦力が充実してきたアスレチックスが同地区に存在する。
  • 同じア・リーグにはレッドソックス、ヤンキースという極めて優秀なロースターを持つチームがいて、レイズも若いコアプレイヤーがステップアップしているため、ワイルドカードの枠も厳しいものになると予想される。
  • マリナーズ打線のテコ入れは簡単ではない。ゴードン、シーガー、ズニーノらは期待に応えられず、主砲のネルソン・クルーズは38歳で、前半はOPS.902と良かったものの、後半は.813に下落。
  • ブルペンはエドウィン・ディアスをサポートできるセットアップマンが不足している。
  • 先発ローテーションは明るい材料もある一方で、フェリックス・ヘルナンデスの処遇という難しい問題がある。
  • 大型補強が必要だが、マリナーズのオーナーサイドは、過去のFA補強の失敗ゆえに、大金を投資することに消極的。
  • 大規模な再建に移行しようとしても、ロビンソン・カノ、カイル・シーガー、フェリックス・ヘルナンデスの契約は引き取り手が事実上見つからない。
  • ジェームズ・パクストン、ミッチ・ハニガー、マルコ・ゴンザレス、エドウィン・ディアスなどは放出すれば、ファームを厚くするプロスペクトを獲得できるかもしれないが、ここからさらに5年もの期間をファンが待ってくれるかわからない。

PED(運動能力強化薬物)の問題で出場停止処分を受けたロビンソン・カノは10月で36歳になりますが、残契約は5年1億2000万ドルと高額です。

カイル・シーガーは2017年に27本塁打も打率.249/出塁率.323/長打率.450/OPS.773にとどまり、2018年はさらに数字を落とし21本塁打で打率.216/出塁率.268/長打率.397/OPS.665と低迷しています。しかし、契約は31歳から33歳の3年5750万ドルが残っています。

フェリックス・ヘルナンデスの32歳のシーズンは間違いなくキャリアワーストで、151回2/3で防御率5.46となっています。2017年の防御率4.36から数字をさらに落とし、球速の低下も目立つ状態で、33歳となる2019年に大きな期待はできません。しかし、年俸は2785万8000ドルと高額です。

トレードで動かすことのできない大型契約が残っているため勝負をかけざるをえない状況ではあります。しかし、予算面の余裕は乏しく、ファームの選手層も薄いため、アストロズ、アスレチックス、ヤンキース、レッドソックス、レイズに競り勝つ戦力を整えるのは至難の業です。

買い手がつくような主力選手の放出に踏み切ればファームの層は厚くなりますが、現在の「北米プロスポーツ最長のポストシーズン進出なし」の年数を延ばし続けることが確定しています。観客動員数などにも影響が出ていて、セーフコ・フィールドのリノベーションに必要なパブリックファンドにも影を落とすことが懸念されています。長期のチーム再建はそれらの問題を悪化させるばかりです。

ジャック・ズレンシック体制でチーム再建を失敗し、低迷を長引かせてしまったことがポストシーズンから遠ざかる原因となっていますので、そちらも決断はしにくい面もあります。

戦力を整えることはジェリー・ディポトGMの責任となりますが、前任のジャック・ズレンシックの負債も大きく、制約が多かったため同情の余地はあります。ただ、ジェリー・ディポトが勝負をかけたトレードを続けたことが結果につながらず、ファームが以前よりもさらに悪化してもいますので、現状を招いた責任は彼にもあります。

マリナーズは2019年に日本での試合を予定していますが、戦える戦力でその時を迎えることができるのか、疑問符がつく状態です。

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