レッドソックスの立て直しには時間が必要?地元メディアがチェリントンGMとファレル監督に疑問の声

Boston Redsox Top Catch

シーズンオフの補強で話題をさらったのは監督を解任したパドレス、そしれハンリー・ラミレス、パブロ・サンドバルの2人に1億8000万ドルの大金を投入して獲得したレッドソックスでした。

そのレッドソックスは28勝38敗(現地6月16日終了時点)と負け越し勝率は.424と低迷し、ア・リーグではアスレチックスの.418をわずかに上回る程度にとどまるなど、シーズンオフの熱狂とは裏腹にチームは低迷しています。

ア・リーグ東地区全体が低迷しているため、それでも首位とのゲーム差は8.5ゲーム差とギリギリのラインにとどまっていますが、得失点差は-57(得点258/失点315)とこちらもア・リーグで14番目に低迷し、内容も良くありません。

昨年はシーズン当初から低迷しトレード期限前には売り手にまわったレッドソックスでしたが、65試合終了時点での勝敗は29勝36敗(.446)となっていて、今年の27勝38敗(.415)を上回っていました。

ア・リーグ東地区全体のレベルが低下しているためレッドソックスにもチャンスが残っているものの、大型補強にも関わらず昨年を下回る成績にという大きな問題を抱えている現状です。

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地元メディアが辛辣にベン・チェリントンGMとジョン・ファレル監督を批判

熱狂的なファンと厳しい地元メディアをもつレッドソックスのため、当然ことながら補強を行ったベン・チェリントンGMと、現場を指揮するジョン・ファレル監督に対する批判の声が上がり始めています。

主砲のデビッド・オルティーズは責められるべきは選手であって、ベン・チェリントンやジョン・ファレルではないと擁護するものの、地元メディアはそのような言葉で静まるはずもありません。

ボストンの隣接する都市であるプロビデンスの地元メディアであるプロビデンスジャーナルのジム・ドナルドソン記者は「選手に責任があるが、そのような選手を集めたフロントにも責任がある」と厳しく追求しています。

ア・リーグ西地区の首位を走るアストロズは全30球団最低年棒である7058万ドル、ア・リーグ東地区で首位を争っているレイズは7490万ドルで同28位である一方で、ア・リーグ14番目の勝率に沈むレッドソックスは全体でも3位となる1億7880万ドルの大金を費やしていることを指摘しています。

つまり1億ドルも多く資金を使いながら、低迷しているのは、フロントに責任があると言わざるを得ないと、ジム・ドナルドソン記者は述べます。

そして、さらに監督であるジョン・ファレルの手腕にも批判の矛先は向かいます。

ジョン・ファレルは5年間の監督してのキャリアで勝率が5割を越えたのは2013年にワールドシリーズ制覇を果たした一度しか無いことを指摘します。

ファレルは2013年にレッドソックスの監督なる以前には、ブルージェイズで2年間監督を務めましたが154勝170敗という成績に終わっています。

2013年は97勝65敗と勝ち越したものの、2014年は71勝91敗と負け越し、さらに2015年も27勝38敗と大きく負け越しているため、レッドソックスの3年間での勝率もようやく5割という程度にとどまっています。

つまりチームを勝たせるだけの手腕がないのではないか?という疑問をジム・ドナルドソン記者は呈しています。

そしてオーナーであるジョン・ヘンリーは、チェリントンは長くGMを務めることになると話したことに対しても疑問を呈し、お金を払っている客に投票をさせたら、その反対の結論になるだろうと辛辣に批判して記事を締めくくります。

ベン・チェリントンとジョン・ファレルともに契約延長したばかりなのですが、何ともきな臭い雰囲気が地元メディアには漂い始めています。

大型補強は問題の特効薬とはならず逆効果にも

同じくプロビデンスジャーナルのブライアン・マクファーソンは、大型補強は問題の解決にならないと別の記事でレッドソックスの問題を指摘します。

シーズンオフにヘッドラインを飾った多くのチームがシーズンに入ると停滞していると述べて、マーリンズ、ブルージェイズ、パドレスらのチーム名をあげています。

その一方で強いチームは、ドラフト指名した選手をマイナーで育成することに長けるチーム、メジャーレベルの選手ではなくマイナー選手のトレードで獲得で、その後育成し開花させているチームだと指摘し、具体的にはカージナルス、アストロズ、ロイヤルズ、カブス、パイレーツといったチームを列挙しています。

しかし、これらのチームの多くは数年にわたる低迷を覚悟した上で、期間をかけてマイナーで成長させ、メジャーレベルで忍耐強く選手を起用しています。

ただ、同様のアプローチが果たしてレッドソックスに許されるかというと、そこには大きな疑問符がつきます。

ヤンキースと並ぶファンとマスコミの目が厳しいレッドソックスにあって、アストロズやカブスが行ったような大規模な再建モードが許容されるとは想像しにくいものがあります。

そうなると目の前の勝利にための特効薬を求め、フリーエージェントでの大型契約に踏み切らざるを得なくなります。

しかし、ハンリー・ラミレスが打率.270/本塁打13/打点33/OPS.784と今一歩の打撃で守備面では足を引っ張り、サンドバルが打率.265/本塁打6/打点23/OPS.728と低迷し、守備でも粗さが目立つなどする現状では、二の足を踏まざるをえなくなってしまいます。

またFA選手との大型契約は、チームの年俸総額も膨れ上がらせ、必要な補強の予算確保ができず、ロースターも硬直化するため、大きなリスクも伴います。

かつてのようにステロイドやアンフェタミンが使用されていた時代は、30歳後半でもトップパフォーマンスを見せる選手がいましたが、禁止薬物の取り締まりが強化された今となっては、ごく一部の選手を除いて、期待はできません。

しかも、レッドソックスは、期待されてきたプロスペクトたちが、ことごとくメジャーレベルでのアジャストに苦労してしまい、かつてのファームでの層の厚さも失われつつあります。

この後、チームが立ち直ればベン・チェリントンGMとジョン・ファレル監督は安泰となりますが、ワイルドカードを手にするには86勝から88勝は必要となり、最低でも58勝、できれば60勝は上積みが必要で簡単ではありません。

ワイルドカードに到達するためには60勝36敗(.625)、58勝38敗(.604)と長期間にわたるハイレベルの勝率が必要になりますが、現在の投打のバランスを見ると穴が多く、簡単にはその勝率をイメージすることができません。*いずれも現地6月16日終了時点の成績を元にした数字。

もちろんア・リーグ東地区が低迷し続け、優勝ラインが下がれば、それ以下の数字で優勝できる可能性があるものの、それは運頼みに近いものがあります。

レッドソックスがここから急カーブで上昇するのか、それともGMや監督のクビが飛び、トレード期限前には2年連続で売り手チームとなってしまうのか?そしてこのシーズンオフの補強がどうなるのか?

トレード期限が近づく、これからの一ヶ月は今シーズンからシーズンオフの動向を左右することになりそうです。