MLB最多の47本塁打も関心はイマイチ?マーク・トランボに各チームが慎重になる理由とは

2016年のマーク・トランボはキャリアベストとなる47本塁打を放ち、メジャー両リーグトップとなりました。

そして108打点もキャリアベストというFAとなる年としては最高のシーズンを過ごしました。

しかし、そのマーク・トランボの周辺は激しい争奪戦が繰り広げられているというような情報は、残念ながらありません。

ここまでオリオールズが再契約を試みたり、マリナーズが接触したりという情報は流れたものの、それ以外に強力に獲得に動いているチームの報道はありません。

両リーグでトップの本塁打を記録したにも関わらず、争奪戦がヒートアップしない現状をCBSスポーツ電子版のDayn PerryがMLB Hot Stove: Five reasons why buyers should be wary of Mark Trumboという記事で分析しています。

Dayn Perryはこの記事でマーク・トランボの獲得に各チームが慎重になっている理由として以下の5つを挙げています。以下はその理由と内容の要約です。

1. 長打力という以外において打席での貢献度が低い

キャリア全体で打率は.251、四球率は6.2%と低い。三振が多くほぼ四球の4倍。その結果、キャリア全体の出塁率は.303となり、打撃重視の選手としては受け入れられにくい数字。直近の2シーズンは出塁率.316と改善しているが、それでもアウトになる回数が多く、47本塁打の10倍となる470回もアウトになっている。

2. 2016年の成績はトランボのこれまでの平均値を大きく上回り過ぎている

2016年の47本塁打はキャリアベストだった34本塁打を40%以上上回っている。2016年はフライボールの24.6%が本塁打になったが、キャリア平均は19.3%と、こちらも平均値から大きく乖離。トランボのスキルが上がったとも考えられなくもないが、普通に考えてフライの1/4を本塁打にすることを持続するのは難しい。

3. 30歳をこえる年齢による懸念

2017年のトランボは31歳となる。年齢を重ねてから本塁打を量産するシーズンを迎える選手もいて、トランボの2016年はそうだったようだ。一般的に、選手は20代終盤に衰えが出始めるとされているが、もう少し早い時期からそれが見られるというデータも存在する。2017年は年齢による衰えの影響を受ける可能性が高まる。

4. 外野手の守備で相手に多くの点を与えてしまう

47本塁打を打ちながらWAR(Win Above Replacement:同じポジションの代替可能(控え)選手と比較してどれだけ勝利数を上積みしたかを示す)は+1.6にとどまった。これは守備が悪いからだ。トランボはセイバーメトリクスのデータ、見た目、スカウティングリポートの全てにおいて守備が悪いことで共通している。一塁手としては許容できるが外野手としては厳しい。この4年間で盗塁を試みたのはわずかに7回で、4個成功にとどまる。二塁打以上の長打は32%にとどまる。

5. クオリファイング・オファーを拒否したことの影響

クオリファイング・オファーを拒否したことにより、プロテクトされている以外のチームは1巡目指名権を失うことになる。それに加えて、その指名権とともに与えられているインターナショナルの若いアマチュアFA選手の契約の枠も失うことになる。

このような要素がマーク・トランボを不利な状況に押しやっていて、ネルソン・クルーズ、イアン・デズモンド、デクスター・ファウラーのように1年契約で選手としての価値を証明して、その後に大型契約を結べるようにしていくことになるのではないかとDayn Perryは予想して記事を結んでいます。

ネルソン・クルーズはテキサス・レンジャーズからFAとなった時点で、クオリファイング・オファーを拒否して複数年の大型契約を希望したもののドラフト指名権の問題と、本人の禁止薬物使用がネックとなり、上手くいきませんでした。

その結果、2013年の年俸1050万ドル、クオリファイング・オファーの1年1410万ドルのいずれよりも低い1年800万ドルでオリオールズと契約しました。

そして2014年に打率.271/出塁率.333/長打率.525/OPS.859、40本塁打、108打点で本塁打王のタイトルを獲得し評価を高めました。

オリオールズからもクオリファイング・オファーを提示され拒否しましたが、34歳から37歳までの4年5700万ドルの契約を手にしました。

イアン・デズモンドは2015年の成績がいまいちだったところに、クオリファイング・オファーによるドラフト指名権の問題が追い打ちをかけ、2015年の年俸1100万ドル、クオリファイング・オファーの1年1580万ドルのいずれよりも、かなり低い金額の1年800万ドルでテキサス・レンジャーズと契約しました。

そして2016年に打率.285/出塁率.335/長打率.446/OPS.782、本塁打22、打点86という攻撃面に加えて、守備面ではそれまでの本職だったショートに加えて、センターを守れる守備力の高い外野手としての価値を加えました。

それが実り、レンジャーズからのクオリファイング・オファーを拒否したものの、ロッキーズと5年7000万ドルの契約をイアン・デズモンドは結んでいます。

デクスター・ファウラーはアストロズからFAとなった後、2015年の1年950万ドルでカブスに移籍しました。

2015年のファウラーは打率.250/出塁率.346/長打率.411/OPS.757、20盗塁、17本塁打、46打点というやや微妙な数字だったのですが、カブスは1年1580万ドルのクオリファイング・オファーを提示しました。

ファウラーはそれを拒否したもの、最終的に前年の年俸950万ドル、クオリファイング・オファーの1580万ドルを大きく下回る1年800万ドルでカブスと再契約しました。

そして2016年に打率.276/出塁率.393/長打率.447/OPS.840という打撃成績に、セイバーメトリクスのデータでも高い守備力を示す数字を残し、評価を高めました。

カブスは2年連続となるクオリファイング・オファーを提示したのですが、拒否したファウラーはカージナルスと5年8250万ドルの契約を結ぶことに成功しています。

これらの選手は1回目のクオリファイング・オファーを拒否した時は、そのクオリファイング・オファーの額はもちろんのこと、前シーズンの年俸を下回る1年契約を結ばざるをえない状況に追い込まれました。

しかし、いずれも翌年に選手としての評価を高めた結果、クオリファイング・オファーを2年連続で拒否したものの大型契約を手にすることに成功しています。

マーク・トランボは複数年契約を手にする可能性も十分にあるものの、先の3人のような道をたどることになる可能性も否定できないとDayn Perryは予想しています。

外野手としては計算するのは厳しいため、基本的には一塁、指名打者としての起用となりますが、同様のタイプの選手では、トランボよりも費用が安くてすむマイク・ナポリ、クリス・カーター、ペドロ・アルバレスらも残っています。

シーズンオフ当初に予想されたよりも厳しい状況となっているマーク・トランボがどのような契約を手にするのか注目されます。

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