上原浩治のスプリットが米メディアでベストピッチの1つに選ばれる!

上原浩治への評価は、アメリカのメディアやファンの中でもかなり高いものがあり、今やメジャーリーグでも屈指の安定感を誇るクローザーの1人と考えられています。

その上原浩治の代名詞と言えば、3つの握りで3つの変化を生み出しているスプリットです。

この3種類の変化をもつスプリットを両コーナに投げわけ、かつ、それをバッターの膝の高さから落とすことができるという圧倒的な制球力を誇っています。

その上原浩治のスプリットが、アメリカのFOXスポーツ(電子版)の”10 of our favorite pitches: ‘The Defector’ for sure makes the cut”という記事の中で紹介されています。

これは現在のメジャーにいる投手の持ち球の中で、セイバーメトリクス分析で有名なBaseball Prospectusのスタッフが「お気に入りの10個の球種」を選んだものを元にした記事です。

今回はその記事を紹介したいと思います。

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Baseball Prospectusのスタッフが選んだお気に入りの10の球種

数字で野球を分析するセイバーメトリクスに強いBaseball Prospectusのスタッフが選んだお気に入りの10の球種は以下の様なものです。

  • クリス・セール(Wソックス):スライダー
  • コール・ハメルズ(フィリーズ):チェンジアップ
  • ジェイク・ピービ(Rソックス):ファーストボール
  • クレイトン・カーショウ(ドジャース):カーブ
  • ザック・ブリットン(オリオールズ):2シーム
  • ケンリー・ジャンセン(ドジャース):カッター
  • 上原浩治(Rソックス):スプリット
  • クレイグ・キンブレル(ブレーブス):カーブ
  • ホセ・フェルナンデス(マーリンズ):The Defector
  • ルーク・グレガーソン(アスレチックス):スライダー

引用元:FOXスポーツ

というようなものがリストアップされていました。ピービはかつて94-96マイルをコンスタントにマークしていた頃のファーストボールを評価したものです。

そしてホセ・フェルナンデスのThe Defectorとはブレーキングボール(カーブ・スライダー系統)のことで、今までに見たことのないようなその動きを評価して、あえて記事のタイトルにしているThe Defectorと名づけています。このdefectorは直訳すると亡命者というものです。

上原のスプリットを際立たせているものは?

これらの投手の決め球と並んで上原浩治のスプリットが選ばれています。

記事の冒頭で、David Sirlinの著書である “Playing to Win”という本の中で、日本のYomi(読み)が紹介されていて、これは相手の心を読む技術で、メンタルなものだと紹介しています。

続いて、上原浩治が90マイル(144.8キロ)のファーストボールと82マイル(132キロ)のスプリットで打者を支配していることを紹介し、そのファーストボールはチャップマンのように160キロを超えるようなものではないもかかわらず、 打者は4シームの25.63%でミスしていて、スプリットに至ってはその率が45%に到達しているとしています。

そしてスプリットの球種の説明をして、アメリカでは馴染みが深いチェンジアップと似ているものだとして、上原の投球について以下のように書いています。

But, what really makes Uehara’s version of this weird changeup so difficult to hit? Why in combination with a 90-mph fastball is it so devastating? I have no idea. If it feels like it’s moving in some strange, never-before-seen way, that’s probably a trick of your mind reinforced by the batter’s ineptitude. So, I’m left with only one explanation:Yomi. Uehara just doesn’t know how to throw 90 and locate. He knows when and where to do it. He knows the one, true style.

「何が上原版の不気味なチェンジアップ(スプリットのこと)の何が打つことを難しくしているのか?そしてなぜ90マイルのファーストボールとの組み合わせが破壊的な力を発揮するのか?私にはわからない。もしそのスプリットの動きが奇妙で、見たことのないような動きのように見えているとするなら、打者の愚かさで強められた”心の錯覚”なのかもしれない。そのため、自分に残された唯一の説明は「読み」だ。上原はどのように90マイルを投げ、コントロールするかは知らない。彼はいつ、どこでそうすべきかを知っている」

上原のスプリットがなぜここまで打たれないのか、その秘密はデータでも解析できないようで、そのため打者のタイミングを完全に外してしまえる「読み」ということ以外では説明できないということのようです。

まとめ

同じ4シームでも2つの握りで、2つの動きを投げ分けていることを自身の著書で明らかにしています。またスプリットは3つの握りで3つの変化をさせていることをアメリカのメディアに語っています。

さらにそれらに加えて、4シームでも足を上げてから下ろすまでのタイミングを微妙に変えて、打者のタイミングを外しています。

そのため、打者からすると本当に気づかないレベルでタイミングを外されていて、打てそうなはずなのに、振ってみたら当たらない、打ち損なう、空振りをするということが多くなってしまうわけです。

しかも、そのタイミングの外し方が打者の打ち気を利用したり、ボールを見ようとする気持ちを利用しているからこそ、うまくいくわけですから、このライターの指摘するように「読み」という、洞察力の鋭さと駆け引きのうまさ、卓越した投球術が上原の武器であることは間違いないのではないでしょうか。

今後も上原がメジャーでその評価を高めていくことを楽しみにしながら、応援を続けたいと思います。