マリナーズを優勝を争うチームに変えた「5つのトレード」

Seattle Mariners Top Catch

シアトル・マリナーズは43勝24敗で、ヒューストン・アストロズと僅かに0.5ゲーム差ではありますが、地区首位に立っています。

得失点差は+25でア・リーグ6位にとどまるのですが、1点差ゲームで21勝9敗と競り合いに強いことで勝利を積み重ねることができているのですが、必ずしも主力が期待通りに働いてくれているわけではありません。

ロビンソン・カノを80試合の出場停止で失い、主軸の一人であるカイル・シーガーが打率.226、OPS.697と不振で、先発ローテの軸となるべきフェリックス・ヘルナンデスが14試合で防御率5.70、WHIP1.38と苦しんでいます。

そのような状況でありながらもチームが快進撃を見せることができているのは、ジェリー・ディポトGMが行ってトレードにより獲得した選手が活躍しているからだとESPNのジェリー・クラスニック氏は述べます。

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マリナーズの快進撃を支えるトレード補強

ESPNのジェリー・クラスニック氏はマリナーズを優勝争うチームに変えたトレードを選び、ディポトGMのコメントともに分析しています。

ジェリー・クラスニック氏が挙げた「マリナーズを変えた5つのトレード(取引)」は以下のとおりとなっています。

  • ジーン・セグラ(遊撃手)ミッチ・ハニガー(外野手)、ザック・カーティスの3人をダイヤモンドバックスから獲得し、タイファン・ウォーカー(先発投手)とケテル・マルテ(遊撃手)の2人を放出(2016年11月23日)
  • ディー・ゴードン(中堅手/二塁手)をマーリンズから獲得し、3人のマイナーリーガーを放出(2017年12月7日)
  • マルコ・ゴンザレス(先発投手)をカージナルスから獲得し、プロスペクトのタイラー・オニールを放出(2017年6月21日)
  • ヤンキースがリリースしたウェイド・ルブラン(先発投手)と65万ドルのメジャー契約(2018年3月25日)
  • アレックス・コロメ(リリーフ投手)デナード・スパン(外野手)の2人をレイズから獲得し、アンドリュー・ムーア(先発投手)とトミー・ロメロ(投手)の2人を放出。(2018年5月25日)

ジーン・セグラはMLBの遊撃手の中で安打が1位、二塁打が2位、盗塁が4位にランクされていてWAR(Win Above Relacement: 同じポジションの代替可能な選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか)は2.4と貢献しています。
マリナーズの遊撃手は長年の泣き所で、ブラッド・ミラー、ニック・フランクリン、クリス・テイラー、ケーテル・マルテらを次々と起用しましたが固定できませんでした。ジーン・セグラを獲得し、さらに契約延長したことで、マリナーズの強みの一つになっています。

ミッチ・ハニガーは66試合で15本塁打、打率.267/出塁率.351/長打率.514/OPS.866と攻撃面での活躍に加えて、強肩で度々ランナーを刺すなど守備面の貢献も大きくなりつつあります。

この2人のトレードで放出したタイファン・ウォーカーは移籍後1年目は良かったのですが、トミー・ジョン手術で今季は絶望、ケーテル・マルテは打率.238、OPS.687と低迷しています。

ディー・ゴードンは本職のセカンドからセンターへのコンバートを前提としたトレード補強でしたが、カノの出場停止処分を受けてセカンドに戻って、その穴を埋めています。度重なる守備位置の変更の影響のためか、6月に入ると攻撃面では停滞し、出塁率は.296まで落ちてしまいました。ただ、19盗塁は両リーグトップで、ディポトGMが求めていた走塁面での貢献もあります。

マルコ・ゴンザレスは2016年4月にトミー・ジョン手術を受けて、2017年8月に復帰しました。その2017年は10試合で防御率5.40とイマイチでしたが、今季は13試合で防御率3.28、7勝3敗、WHIP1.24と先発ローテの一角として十分な働きを見せています。

マルコ・ゴンザレスの獲得の際に放出したタイラー・オニールはマリナーズの数少ないトッププロスペクトだったため、批判の声も上がっていました。そのオニールは今季メジャー昇格し3試合連続本塁打を持ち前のパワーを発揮したものの、18打数で13回の三振を喫する粗さが理由で3Aに降格しています。

マリナーズは左のロングリリーフとしてウェイド・ルブランを獲得したのですが、エラスモ・ラミレスが復帰後すぐにDLに戻るなどしたため、先発として起用されるようになりました。消化するイニング数は少ないものの、ルブランが先発した8試合中6試合で勝利するなど、試合を壊さない投球が光っていて、防御率3.00、WHIP1.22を好調です。ディポトGMは2014年に防御率3.83、11勝3敗という成績をメジャーで残している点に目をつけ、期待していたことを明かしています。

デナード・スパンはジャイアンツで構想外になってレイズに放出され、さらにレイズからマリナーズへと移籍しています。アレックス・コロメを獲得するための抱合せのような存在にも思われたのですが、移籍後11試合では打率.316/出塁率.366/長打率.526と活躍しています。アレックス・コロメはレイズとの連戦の中で不安定な投球がありましたが、その前までは4回の登板をすべて零封するなどして勝利に貢献していました。

ジェリー・クラスニック氏の記事では取り上げられていませんが、リリーフのエミリオ・パガンを交換要員として、攻撃力不足が課題となっていた一塁にリオン・ヒーリーが加わったこともプラスになっています。今季は故障で出遅れたものの打率.245/出塁率.276/長打率.473/OPS.749、12本塁打という数字になっています。一塁手として優れた数字とまではいきませんが、昨年のマリナーズの一塁手のOPSは.697で両リーグ最低になっていましたので、グレードアップにはなっています。

一方、放出したパガンは防御率3.68はまずまずも、WHIPは1.50と与四球、被安打が多く、被本塁打も増えていて、いずれは防御率も落ちそうな気配です。

もちろんドリュー・スマイリー、デビッド・フェルプスのように、故障でほとんどマリナーズに貢献してくれていないトレード補強した選手もいますし、ネイト・カーンズ、ウェイド・マイリーなど失敗に終わっているトレードもあります。

ただ、全てのトレードがプラスにしようとするのは非現実的で、トータルで見てチームの戦力アップにつながることが重要です。トレード全体で見た時には、良い成果を生み出しているシーズン序盤となっています。

しかし、得失点差が大きくなく、一点差ゲームの勝率がかなり高いことで勝利数が増える状態というのは、シーズン全体を見ると不安を感じさせる面があるのも事実です。

打線に関してはロビンソン・カノの復帰をチームの戦力アップとして見込んでいるフシがあります。先発ローテに関してはジェームズ・パクストンに続く、信頼できるNO.2スターターが欠けている状態が続います。フェリックス・ヘルナンデスの低迷が続くようであれば、トレード期限前の先発ローテ補強は重要な課題になると予想されます。

ハイパーアクティブなジェリー・ディポトGMが、どのようなトレードを成立させ、2001年以来のポストシーズン進出への勢いをつけるのか注目されます。

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