FAとなったイチローの考えられる今後のシナリオは?オプション破棄がキャリアの重大な岐路に

マイアミ・マーリンズのオーナーが変わったことは、多くの地元ファンから好意的に受け止められていますが、イチローにとっては良くない方向に影響を与えたと言えそうです。

マーリンズがイチローの来季の200万ドルのオプションを行使せずに、50万ドルのバイアウトを支払うことを選択しました。

イチローのプレーや若い選手への模範と言った役割はあったことは間違いなかったのですが、マーリンズが契約を継続していたのは、それだけが理由ではないのが現実です。

球団そのものの収入が少なく、赤字が続いているマーリンズにとって、観客動員増や日本からの広告収入などが期待できるという点においてもイチローに魅力がありました。

そのため共同オーナーの1人であり、CEOとなったデレク・ジーターらが収益改善の策の一つとして、チームに残すことを選ぶのではないかとの予想もありました。

しかし、2017年は136試合に出場も215打席にしか立てず、打撃成績は打率.255/出塁率.318/長打率.332、本塁打3、盗塁1(成功率50%)に終わり、OPS.649はリーグ平均を24%下回るも厳しい数字で終わりました。

守備面で図抜けていれば第4の外野手としての価値も高いのですが、その面でも疑問符がつく2017年でした。守備のメトリックスに関しては信頼性が疑われてはいるものの、Fangraphsのデータ上では守備の範囲、肩の強などの評価は平均を下回り、守備防御点(DRS)は-1、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)を150試合に換算したUZR/150は-5.5に終わっています。

マーリンズは完全な再建モードに移行するのではなく、ある程度の戦力は残してポストシーズン進出を目指すようです。そのようなチームの状況で、イチローの数字は第4の外野手としては物足りないものであることは否めず、人気や日本からの収入を考慮してもオプションを行使しない決断に至ったものと考えられます。

注目されるのはイチローの今後です。

本人は50歳まではプレーしたいと現役続行を明言していますので、今後は新たな契約を模索することになります。

考えられるシナリオは以下のとおりとなっています。


  1. 年俸をさらに削減してマーリンズとの再契約
  2. 再建モードのチームの若手への負担軽減のための要員としてメジャー契約
  3. マイナー契約でスプリングトレーニングは招待選手
  4. 日本球界(NPB)への復帰

マーリンズは今のロースターを維持した場合には年俸総額が開幕時に1億4000万ドルに達するとされています。それを9000万ドル程度まで圧縮する方針のため、カットできるところはカットしていくスタンスにならざるをえません。

それを考慮すると200万ドルからさらに金額を抑えて再契約というのも考えられるのですが、米メディアの多くは可能性が低いと予想していますし、地元メディアであるマイアミ・ヘラルドのジェイ・マイケルズ氏も「別離」というニュアンスで伝えています。

球団側が再契約の意向をもっている場合には、地元メディアは異なった伝え方をすることが多く、イチローとマーリンズの再契約の可能性は低そうです。

次に考えられるのが2018年にポストシーズンを狙うというよりも、数年先を見据えての再建途上にあるチームとの契約です。

そのようなチームでは「育成している若い選手への負担を軽減する」、「再生させてトレード交換要員にし、見返りとしてプロスペクトを獲得する」ことを目的としてベテラン選手を獲得するケースが多くあります。

現時点で再建モードに移行しているのはタイガース、ホワイトソックス、レッズ、フィリーズ、パドレス、アスレチックス、ブルワーズで、ツインズとブレーブスは再建モードを終了し勝負をかける時期に差し掛かってきています。

こういったチームで歓迎されるベテランはクラブハウスをポジティブな方向にリード、まとめることができる選手です。しかし、イチローは「背中で見せる」といった職人気質のプレイヤーのため、そのあたりでの評価は難しくなりそうです。

ただ、現時点での外野手の能力となるとイチロー以上のベテラン選手が多くいるのが現実です。

主な外野手のFA選手は以下のとおりです。


クリス・ヤング、アンドレ・イーシアー、ベン・リビア、フランクリン・グティエレス、コルビー・ラスマス、コディ・アッシュ、クリス・ハイジー、エリック・ヤング、ダニエル・ナバ、ハウィー・ケンドリック、メルキー・カブレラ、ジェイソン・ワース、クレイグ・ジェントリー、マイケル・ソーンダース、セス・スミス、カルロス・ゴンザレス、J.D.マルティネス、ジェイ・ブルース、ロレンゾ・ケイン、カルロス・ゴメス、ラジャイ・デービス、キャメロン・メイビン、ジャロッド・ダイソン、ジョン・ジェイ、ピーター・ボージャス、オースティン・ジャクソン、カーティス・グランダーソン、アレックス・プレスリー、青木宣親


MLB全体の傾向として若くて運動能力の高い選手が重宝されるようになりつつあります。30歳を越えた外野手には厳しいFA市場になる可能性が高いのですが、にも関わらず多くの選択肢がある状況です。

イチローが仮にメジャー契約を手にできる可能性は高いとはいえないのですが、あったとしても年をまたぐ可能性が高そうです。

現状では1番可能性が高いと考えられるのが、「マイナー契約でスプリングトレーニングは招待選手」というものです。

イチロー側が求めれば「マイナー契約でスプリングトレーニングは招待選手」という契約は提示されることが予想されます。契約する球団も戦力になると判断した場合にはメジャー契約に切り替えることできるためリスクが少なくなります。

イチローが応じれば、このマイナー契約は提示されると予想されるため、2018年に日本プロ野球に復帰する可能性は低いと考えられます。

ただ、マイナー契約を手にしたとしても、そこからメジャー契約を勝ち取るのは容易ではありません。

現在、様々なデータ収集により30歳を越えると選手としての能力が低下し、故障も多くなることが認識されています。その影響により、データ解析を重視するチームほど、若い選手でロースターを編成することを志向しています。そのような中で、先に挙げたベテラン選手たちとの競争にも打ち勝って、25人枠に入ることが必要になります。

このオフの交渉が50歳まで現役を続行する上で重要になるのはもちろんのことですが、それ以上に来季のスプリングトレーニングでのパフォーマンスが重要になります。その時に明らかに際立った高いプレーを見せなければ、MLBでのキャリアは終わりを告げることになると考えられます。

そのため、専門家の中にはこのオプション破棄が、イチローのキャリアの終りとなるかもしれないと予想するものもあります。

岩隈久志、青木宣親も厳しいシーズンオフとなりそうですが、イチローが1番厳しい立場で来季契約を模索することになりそうです。

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