2016年のトレード期限前の補強の勝者と敗者は?米大手メディアが13チームを査定

2016年シーズンのウェーバー公示なしのトレード期限は例年どおりの7月31日ではなく、試合開始日時などに配慮して8月1日に設定されました。

そのタイムリミットに合わせて、今季の優勝とポストシーズンのための戦力補強に動き、逆に来季以降を見据えて若い有望株の選手を獲得しました。

そのトレード期限前の動きについて、米大手メディアの一つであるFOXスポーツのDieter Kurtenbachがポストシーズンを争う13球団を対象に勝者と敗者にわけて査定しています。

Dieter Kurtenbachの2016年8月31日付けの”Grading the MLB trade deadline, a month later”の記事で査定された13球団と、その評価は以下のとおりとなっています。

注:FIP(Fielding Independent Pitching)とは味方の守備の影響を排除して、投手の実力だけを測るための擬似防御率で、奪三振、与四球、被本塁打という投手がコントロールできる要素で算出される。防御率よりもFIPが良ければ、味方の守備に足を引っ張られていて、防御率が良くてもFIPが悪ければ味方の守備に助けられていることになる。

1. ボルティモア・オリオールズ - 勝者

スティーブ・ピアースは、移籍後のOPSは.875とオリオールズが求めていたとおりの活躍をしている。ウェイド・マイリーは移籍後の6回先発したうち2回は良くなかったが、不安定なオリオールズの先発ローテにとってはポジティブな材料に。

2. ボストン・レッドソックス – 敗者

フェルナンド・アバットはFIP4.03とイマイチで、ドリュー・ポメランツはオールスター出場前のような姿ではなく、ア・リーグではFIP4.38と低迷。ブラッド・ジーグラーの獲得は大きなプラスになったが、アーロン・ヒルがサードのレギュラーを勝ち取れないパフォーマンスであることを考えると、敗者のカテゴリーに入る。

3. シカゴ・カブス – 勝者

ジョー・スミスは移籍後にFIP16.51とひどい状態だが、アロルディス・チャップマンはとても素晴らしい。マイク・モンゴメリーは期待されたようなものでもないが、一番必要だった試合終盤を任せるリリーバーとしてベストの投手を獲得できたので勝者だ。

4. クリーブランド・インディアンス – 勝者

インディアンスはトレードで多くものを失ったが、アンドリュー・ミラー獲得により多くにものを得ている。トレード期限前にもっと多くの補強もできたはずだが、1ヶ月が経過してみると、得たものの大きさに喜ぶできだ。

5. ロサンゼルス・ドジャース – 敗者

ジェシー・チャベスはブルペンで良い働きをしているが、それ以外はあまり良い結果となっていない。リッチ・ヒルは1試合しか先発できず、バド・ノリスはブルペンに降格し、ジョシュ・レディックは24試合のOPSが.359と低迷。

6. マイアミ・マーリンズ – 敗者

アンドリュー・キャッシュナーは5試合に先発し未勝利でFIP4.28、フェルナンド・ロドニーもFIP4.50と助けになっていない。

7. ニューヨーク・メッツ – 敗者

ジョン・ニースは先発2試合を含む6試合の登板でFIP8.14とひどい成績で、膝の負傷で今季絶望だ。ジェイ・ブルースは移籍後にOPS.533で本拠地でブーイングを浴びている。

8. ニューヨーク・ヤンキース – 勝者

ポストシーズン進出の可能性を高めるような動きは何もしなかったが、トレード期限前の動きの結果は素晴らしいものになりつつある。トレード期限前にはA+の評価だったが、今はA++だ。

9. サンフランシスコ・ジャイアンツ – 勝者

ジャイアンツも敗者のカテゴリーに入るところだったが、マット・ムーアがカッターを多く投げることにより、良くなっているため9月に希望が持てる状態に。ウィル・スミスは防御率5.59だが、FIPは1.90と内容は良い。現在は運に恵まれていないが、いずれ良い方向に働くだろう。エドゥアルド・ヌニェスは期待通りの働き。

10. セントルイス・カージナルス – 勝者

補強はザック・デュークを獲得しただけだが、非常に良く機能している。T

11. テキサス・レンジャーズ – 勝者

カルロス・ベルトランとルーカス・ハレルは期待通りではなく、ジェレミー・ジェフレスは飲酒運転による問題を起こした。しかし、ジョナサン・ルクロイが素晴らしく、それらを打ち消している。レンジャーズ移籍後はOPSが.990だ。

12. トロント・ブルージェイズ – 敗者

評価が難しいチーム。フランシスコ・リリアーノは予想よりも良くWHIP1.37で、スコット・フェルドマンとホアキン・ベノワも安定している。しかし、最大の補強であったはずのメルビン・アップトンがOPS.602で、控え選手よりも悪い数字だ。

13. ワシントン・ナショナルズ – 勝者

クローザーのマーク・マランソンのために多くのものを支払ったが、15試合の登板で許したヒットはわずかに8本と素晴らしく、不安定だったブルペンに安定感をもたらした。

と以上のような13チームを査定しています。

あくまでも今年のポストシーズンに向けての補強に成功したかどうかを基準に査定しているため、放出・獲得したプロスペクトがどうなるかによっても左右される全体的な成否ではありません。

不思議なのはワイルドカード争いで2枠目のカージナルスに2.5ゲーム差のパイレーツが査定されていないことです。

パイレーツの主な動きとしてはナショナルズにクローザーのマーク・マランソンを放出しましたが、プロスペクトを獲得し、ヤンキースから獲得したイバン・ノバは5試合31回1/3で4勝0敗、防御率2.87とパイレーツが浮上する要因となっています。

クローザーはトニー・ワトソンが務めることになり、8月は12回のセーブ機会で10回成功し、防御率2.84と及第点の成績をおさめているので、どちらといえばトレード期限前の補強動向では勝者になるのではないかと思われます。

アンドリュー・ミラーは移籍後の14回2/3で奪三振24、防御率1.23と期待通りの圧倒的な成績でポストシーズンに向けてインディアンスの大きなアドバンテージになりつつあります。

トップクラスのプロスペクトを失いましたが、圧倒的な成績のアンドリュー・ミラーを2018年までチームがコントロールできることになりましたので、良い補強となっています。

アロルディス・チャップマンも15回2/3で奪三振26、防御率1.15、FIP0.59とアンドリュー・ミラー以上の圧巻の成績で、悲願のワールドシリーズ制覇を目指すカブスにとっては、これ以上ない補強となっています。

これらのトレードの成否は、さらにワールドシリーズまで辿り着けるかどうかによっても左右されますので、さらにトレード期限前の補強がどうのような結果を生み出すか注目されます。

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