2017-18シーズンオフの大型補強の現状は?米大手メディアが開幕1ヶ月を評価

メジャーリーグもシーズン開幕から1ヶ月あまりが過ぎ、シーズンオフの目論見どおりに事が運んでいるチームもあれば、予想以上に良い結果を手にしているチームもあれば、逆に補強した選手が上手く機能していないチームもいます。

大型補強を敢行したチームは基本的に2018年に勝負をかけているため、獲得した選手が活躍するかどうかは死活問題となります。

またシーズンは1ヶ月を終えた段階にすぎませんが、その大型補強をESPNのジェリー・クラスニック氏が評価しています。

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ジェリー・クラスニック氏による「2017-18シーズンオフの大型補強の評価」の要約は以下のとおりとなっています。


9桁(総額1億ドル)を超えるFA契約による補強

J.D.マルティネス(レッドソックス:5年1億1000万ドル)

レッドソックスが2017年に埋めれなかったデビッド・オルティーズの引退によって生じた4番の穴を埋めている。ファーストボールとカットボールに対して長打率.592、ブレイキングボールには同.575と、様々な球種に対応している。ただ、懸念されるのは「ストライクの空振り率」が15.0%をメジャー全体で14番目に悪く、BABIP(ホームランを除くフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになった割合)が.441と極端に高いなど運に恵まれているところがあるため、これから成績が落ちていくことが予想される。その時にフェンウェイパークでのプレッシャーに耐えられるか。

GRADE: B+

エリック・ホズマー(パドレス:8年1億4400万ドル)

若いチームにリーダーシップをもたらす選手としてパドレスと契約した。成績は忍耐強く四球を選んでいることによる出塁率.402は素晴らしいものの、パワーに関しては3本塁打と今一歩。
8打点に関しては前を打つ打者が出塁できていないことが原因で、得点圏打率は.313と悪くない。
パドレスのチーム全体の守備防御点(DRS)はナ・リーグ2位にランクされているが、ショートのフレディ・ガルビスとエリック・ホズマーによる力は大きいと考えられる。

GRADE: B+

ダルビッシュ有(カブス:6年1億2600万ドル)

ダルビッシュはアリエッタが市場に残っている状況で、投手としてはシーズンオフ最大となる契約を手にした。6試合の登板で2試合は良かったが、4試合が悪いとい結果だ。
ブレーブスとの試合ではボークで集中力を失い、ロッキーズ戦では投手のタイラー・アンダーソンを歩かせたことをキッカケに崩れた。このような状況を受けて監督のジョー・マドンは公に彼を擁護する必要に迫られた。幸いなことにジョン・レスター、カイル・ヘンドリックス、タイラー・チャットウッドが安定していて、ブランドン・モローを中心としたブルペンも良いので、立て直す時間を与える余裕がカブスにはある。またカブスがポストシーズンに到達した場合には10月に強くないという評価を覆すチャンスとなるだろう。

GRADE: D+

大型トレードによる補強

ゲリット・コール(アストロズ)

アストロズはジョー・マスグローブ、コリン・モラン、マイケル・フェリス、ジェイソン・マーティンの4人をパッケージにしてコールを獲得した。
コールは4月に60奪三振以上を記録し、ロジャー・クレメンス、ランディ・ジョンソン、カート・シリングらと名前を連ねることになるなど、相手打線を制圧した。
スライダーとカーブの割合を増やし、ツーシームとチェンジアップを減らしたことで成功していて、奪三振率は13.18と2年前の7.60を大きく上回り、サイヤング賞候補となる投球を最初の1ヶ月は見せている。

GRADE: A

ディー・ゴードン(マリナーズ)

デレク・ジーターによるファイヤセールに最初に飛びついたのがマリナーズだが、手にしている結果に彼らは喜びを感じている。
クラブハウスに素晴らしい雰囲気をもたらし、ジーン・セグラとの1番、2番コンビは相手チームに脅威を与えている。打率.342、盗塁は14回試みて12回成功していて、彼が安打を打った試合のマリナーズは16勝6敗だが、そうでない試合は1勝6敗となっている。
ポジションに不慣れなことによるシーズン序盤の守備でのミスにより守備防御点(DRS)は-8で、中堅手としては35位と良いものではない。ただ、経験を重ねる度に改善されているし、マリナーズも慣れるのに時間を要することを理解している。

GRADE: A-

マーセル・オズナ(カージナルス)

カージナルスは4人のマイナーリーガーを交換要員としてオズナを獲得し、その一方でスティーブン・ピスコッティとランダル・グリチャックをトレードして外野を組み替えた。
カージナルスは打線の中軸として得点力アップの原動力となることを期待していたが、オズナは多くの本塁打を打とうとするあまりボール球に手を出し、引っ張りすぎていることで低迷している。OPS.591は規定打席に達している177選手の中で157位となっている。
しかし、エネルギッシュで、チームメイトとして素晴らしい選手で、重要な場面での勝負強さも垣間見せている。カージナルスは5月に状態が一気に上向くことを願っていることは間違いない。

GRADE: D+

ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)

スターリン・カストロと2人のマイナーリーガーを交換要員としてジャンカルロ・スタントンを獲得。
明るいニュースは、シーズン当初のヤンキースタジアムでの不振を抜け出しつつある気配があることだ。ヤンキースはディディ・グレゴリウス、アーロン・ジャッジ、ゲーリー・サンチェスの3人が好調で、投手陣の防御率もア・リーグ3位にランクされる状態となることで、レッドソックスにプレッシャーを与えている。
ジャンカルロ・スタントンがもっとコンスタントにボールを捉えることができるようになれば、ボストンを追いかけるのに勢いがつくことになる。
あるスカウトは「昨年の彼は上体と下半身の連動とタイミングが素晴らしかったが、まだそれを見つけることはできていない。ただ、彼の能力は素晴らしいので、そのタイミングを掴めないとは考えられない」と話している。

GRADE: B+


ジャンカルロ・スタントンは4月の25試合で打率.218/出塁率.304/長打率.356/OPS.661、3本塁打と低迷しましたが、5月に入ってからの3試合では打率.273/出塁率.333/長打率.909/OPS1.242、2本塁打と急浮上の気配を見せています。

本塁打の多い選手は一旦タイミングを掴むと量産体制に入りますので、ジャンカルロ・スタントンにその時が訪れようとしている気配があります。

ディディ・グレゴリウスはシーズン開幕からの好調を維持していて、アーロン・ジャッジ、ゲーリー・サンチェスはすでにシーズン当初の不振が嘘のような活躍を見せています。ここにジャンカルロ・スタントンが加わることになれば、ヤンキース打線を抑えることは至難の業となります。

投手陣は故障離脱者がありながらも良い成績を残していますので、ワールドシリーズ制覇の最右翼と呼ばれた下馬評通りの力を発揮し、好調のレッドソックスと熾烈な争いを繰り広げてくれそうなヤンキースです。

アストロズはゲリット・コールだけでなく、ジャスティン・バーランダー、チャーリー・モートンもサイヤング賞を狙えるような滑り出しを見せています。クローザーの役割をケン・ジャイルズに任せ続けるのが適切かどうかをシーズン半ばには判断する必要がありますが、そこを整備できればワールドシリーズ連覇を狙える布陣となりそうです。

カブスはダルビッシュ有とホセ・キンタナの2人が期待通りの結果を残してくれていません。それでも勝ち越せているのはジョン・レスター、カイル・ヘンドリックス、タイラー・チャットウッド、そしてブルペンが安定していて、打線は得点を奪えているためです。

ただ、カージナルスとブルワーズを突き放していくためにはダルビッシュの活躍は必要不可欠なため、復活・再生が待たれます。

まだ開幕から1ヶ月のため出遅れた選手が挽回する時間が残されていますし、逆に好調な出だしの選手が失速してしまう可能性もあります。大型補強がレギュラシーズンとポストシーズンの結果にどのような影響を及ぼすのかは、次のシーズンオフの動向にも影響があるため注目したいポイントの一つです。

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