フェリックス・ヘルナンデスの投球スタイルが変化?ファーストボールの球速と奪三振率・ストライク率が低下

Seattle Mariners Top Catch

マリナーズ打線が機能し始め、先発投手陣も安定感を増し始めたため、ア・リーグ西地区の首位に立つなど好調です。

そのチーム投手陣の中心であるフェリックス・ヘルナンデスは6試合36.2回で防御率2.21/2勝2敗/WHIP1.25と、勝ち星こそ伸びていませんがエースとしての存在感を感じさせる数字を残しています。

前回の登板では4回8失点と乱れたものの、自身の守備でのミス、味方選手のエラーなどによるもので自責点は4点でした。

その試合前の時点では防御率1.38ということもあり、さほど気にしていなかったのですが、そのアスレチックス戦での登板を見ていたところ、フェリックス・ヘルナンデスの球速が以前よりも落ちているように感じました。

それが気になっていたのですが、データ分析に長けるFanGraphsがその問題について取り扱っていました。

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防御率は良いものの奪三振率やストライク率は低下

フェリックス・ヘルナンデスの球速が落ちていること、ストライク率、奪三振率が落ちていて、打者にコンタクトされる率が高くなっていること、ただ、そのボールの動きは変わらずに大きいことを”We’ve Never Seen This Felix Hernandez”というタイトルの記事でJeff Sullivanは指摘しています。

通常、投手の球速が落ちてくると防御率が悪くなってくるのですが、フェリックス・ヘルナンデスは現状ではその問題はないと言える防御率を残しています。

では、球速が落ちていても、なぜ相手打線を抑えることができているのか?ということになります。

フェリックス・ヘルナンデス自身が、ファーストボールについて、以前より制球、コマンドを重視していると認めているとことをJeff Sullivanは伝えているのですが、このことから、力でねじ伏せるようなスタイルから微妙にモデルチェンジしていることがうかがえます。

そのフェリックス・ヘルナンデスの試みは、現時点では上手く言っているようで、コンタクトされる割合は高くなっているものの、Statcastなどのデータによると、コンタクトされた打球の速さはMLBで6番目に低い数字で、これはシカゴ・カブスのジェイク・アリエータよりも良いものとなっています。

つまり球速が抑えられている分、バットに当てられる割合は高くなったものの、制球とボールの動きによって抑えることができているようです。

またこのコンタクトされる率が高くなっているのは、フェリックス・ヘルナンデスが対戦したチームが、いずれも三振が少ないチームであることが少なからぬ影響を与えている可能性についてもJeff Sullivanは言及しています。

エンゼルスはア・リーグで一番低い三振率で、2度対戦しているアスレチックスが2番目、ロイヤルズが3番目、ヤンキースが4番目、レンジャースが6番目と、いずれもコンタクト重視の打線ばかりとフェリックス・ヘルナンデスが対戦しています。

2試合目の登板では10個の三振を奪うなど、まだまだ健在であることを感じさせる結果もありますので、今後もっと振り回してくる打線との対戦が増えていけば、奪三振率が上昇する可能性もあります。

ですが、このまま強いコンタクトをされない状況が続かない可能性もあるので、今後も注視するとJeff Sullivanは記事を結んでいます。

球速が昨シーズンより2マイル程度落ちているフェリックス・ヘルナンデス

フェリックス・ヘルナンデスの2007年以降のフォーシームとシンカー/ツーシームの球速と奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)の推移は以下の表のとおりとなっています。
Felix Hernandez velocity 2007-2016

ブルックスベースボール(Brooksbaseball)によると20台半ばまでは最速が98-99マイルでしたが、年々球速は落ちていっています。

2016年はまだ6試合だけなので参考程度の数字でしかありませんが、フォーシームは最速と平均ともに2マイル程度球速が落ちています。

特にこの2015年から2016年での球速の低下は今までの緩やかなものとは異なる急な球速低下であるように見受けられます。

2006年から2015年の10シーズンで2178イニング、年平均で218イニング近くを投げ続けていることや、30歳となる年齢を考えれば球速の低下があったとしても、それは自然なことであり、避けることができないものではあります。

フェリックス・ヘルナンデス自身もファーストボールの威力や球速に陰りがあることを実感しているので、より制球・コマンドを重視しているのかもしれません。

ただ、マリナーズにとって明るい材料であるのは、球速が落ちている状態でも、打たれた打球のスピードはMLBでも屈指の低さになるなど、いまだエースと言える数字を残していることです。

ジャスティン・バーランダーは2011年にサイヤング賞、2012年にサイヤング賞投票で2位となった後、2013年から急激に成績を落としました。

その2013年を境にファーストボールの球速が低下していて、2009年から2012年にかけて96マイルから95.5マイル程度を記録してのが、93マイルまで落ちています。

2012年までは防御率3.40だったのですが、2013年からの3シーズンちょっとでは防御率4.00と数字が落ちています。

このようなジャスティン・バーランダーの数字の落ち方に比較すれば、フェリックス・ヘルナンデスは現在の球速でも投手としての質をある程度維持できていると言えます。

ただ、フェリックス・ヘルナンデスにも不安材料がないわけではありません。

これまでのキャリア通算での与四球率(9イニングあたりの与四球数)は2.5、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は8.5で、味方の守備を排除して投手の実力を示す指標として用いられる擬似防御率のFIP(Field Independent Pitching)は3.20でした。

しかし、今年は与四球率は4.4、奪三振率は7.1といずれも悪化し、FIPは4.11と内容に不安を感じさせる数字も残っています。

キャリア通算の防御率はオールスター前が2.99で、オールスター後が3.24となるなど、どちらかと言えばシーズン前半の方が成績が良いフェリックス・ヘルナンデスであることを考えると、やや不安は残ります。

最近の登板を見て球速と威力の低下が個人的には気になったのですが、、肩の筋肉が出来上がるにつれて球速が上がるケースもありますし、シーズン終盤にピークをもっていけるように調整している可能性もありますので、やはりまだまだ今後のパフォーマンスを見る必要がありそうです。

自身キャリア初のポストシーズンが見え始めているキングが、どのような投球を見せてくれるのか、今後も注目していきたいと思います。

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