ファーストボールの球速の影響は?高速の投手が重宝される背景

高速のファーストボールは、スピードガンの数字というわかりやすい指標により大きな関心を集めます。

高速のファーストボールは、打者にとって18.44mという距離を短く感じさせ、反応する時間を奪います。そのため投手にとって大きな武器になると考えられています。

その一方で、ファーストボールは球速だけではなく、キレ(スピン量)、ボールの出どころの見えにくさ(リリースポイントと投球フォーム)、制球力などの要素も打者に対して影響を与えます。

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データが示すファーストボールの球速が与える影響

ボールのキレと制球力で勝負し、成功をおさめている投手がいるため、ファーストボールの速さが全てではないとも言えます。ですが、MLB公式サイトの示すデータを見ると、キレと制球力で成功をおさめているケースのほうが希少なもので、ファーストボールにおいては球速の比重が高いのではないかと考えられます。

MLB公式サイトのアンドリュー・サイモン氏は以下のようなデータを提示しています。

  • 90マイルより下:wOBA .379
  • 90-92マイル:wOBA .365
  • 92-94マイル:wOBA .355
  • 94-96マイル:wOBA .335
  • 96-98マイル:wOBA .281
  • 98マイルより上:wOBA .270

wOBAとはWeighted On-Base Averageの略で、安打や四球など出塁を伴う要素に得点価値を加重して算出される数字で、打者の攻撃力を測る指標となっています。このwOBAはWAR(Win Above Replacement: 同じポジションの代替可能な選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか)を算出される際にも用いられるもので、重要視される指標となっています。

上記のデータが示すのは球速が速くなるにつれて、打者のwOBAの数値が落ちていくことを示しています。wOBAの評価の目安は以下のとおりとなっています。

  • 非常に良い:wOBA .370
  • 平均以上:wOBA .340
  • 平均:wOBA .320
  • 悪い:wOBA .300
  • 非常に悪い:wOBA .290

平均球速が96マイルを超えてくると、一気に打者が攻略することが難しくなることがわかります。

ファーストボールの平均球速が96-98マイルとなる相手打者のwOBA .281と「悪い」と評価されるところまで封じ込めることができ、98マイルより上になるとwOBAは.270で「非常に悪い」状態にしてしまうことを、先のデータは示していることになります。

このような数字があるため、データ解析を重視するチームであるほど、先発投手においても、リリーフ投手においても、ファーストボールの球速が重視する傾向が強まり、FA市場とトレード市場にも影響を与えていると考えられます。

ドジャースと3年2500万ドルで契約したジョー・ケリーの2018年全体の成績は防御率4.39、FIP(Fielding Independent Pitching:味方の守備の影響を排除して投手の実力を測るために使用される疑似防御率。被本塁打、与四球、奪三振などをベースに算出)は3.57と際立ったものではありません。

ポストシーズンの11回1/3で防御率0.79と活躍したことが評価されていることは間違いありません。

それに加えてファーストボールの平均球速が98.1マイルと高速で、ジョーダン・ヒックス(100.5マイル)、アロルディス・チャップマン(98.9マイル)、タイロン・ゲレーロ(98.8マイル)らに続くメジャー屈指であることもポイントであったと考えられます。

高速のファーストボールは、打者のホームランと並ぶ野球の醍醐味であり華ですが、それだけでなく、打者を封じるという効果においても、大きなウェイトを占めていると言えそうです。

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