ポストシーズン成績がFA選手の契約へ与える影響・・・ダルビッシュの動向にも及ぶか

メジャーリーグで大型契約を手にする選手は、故障に強いこと、レギュラーシーズンでの成績が高いレベルで安定していること、年齢が比較的若いこと、など様々な要素を持ち合わせているケースが大半です。

それに加えて小さくない影響を与えているのがポストシーズンでの成績です。

ポストシーズンでの強さはFA市場で大きな影響を与えることになります。

カブスのジョン・レスターが6年1億5500万ドルの契約を手にできたのは、故障の少ないタフさとレギュラーシーズンでの安定したシエ席に加えて、圧倒的なワールドシリーズでの成績が理由でもありました。

レッドソックスでは2008年から2014年の7年で1454イニングと平均で200イニング以上を投げ、防御率3.47という成績を打者有利のフェンウェイパークを本拠地としながら残しました。ただ、レッドソックスからFAとなった時点での実績は通算防御率3.64で、サイヤング賞投票でも4位になったのが最高でした。

しかし、ジョン・レスターが手にした平均年俸2583万3333ドルはサイヤング賞クラスの投手以上の評価で、ジャスティン・バーランダーを越える金額でした。さらにその時点で、投手としてはクレイトン・カーショーの3071万4286ドルに続くMLB史上歴代2位となる金額です。

一部には過剰評価の声もありましたが、カブスがポストシーズンでの強さを高く評価していたのが大型契約の要因と考えられています。

ジョン・レスターのカブスと契約する時点で、ワールドシリーズでの通算成績が3試合21イニングで防御率0.43、ポストシーズンでの通算成績防御率2.42でした。このことがワールドシリーズ制覇が悲願だったカブスのフロント陣の背中を後押し、36歳まで平均で2500万ドルを越える契約を提示することに至っています。

パブロ・サンドバルに5年9500万ドルという大型契約をレッドソックスが提示したのもポストシーズンに強かったのが大きな理由です。

サンドバルのジャイアンツ時代の通算成績は8年916試合で打率.291/出塁率.342/長打率.460/OPS.803、111本塁打という成績です。この数字はそこそこというレベルで大型契約にふさわしくありません。

さらにFA前の3シーズンの成績が打率.280/出塁率.335/長打率.424/OPS.759で、FA前最終年が157試合で打率.279/出塁率.324/長打率.415/OPS.739、16本塁打と月並みなものでした。

それでも大型契約を手にできたのは、2014年のポストシーズンで打率.366/出塁率.423/長打率.465・OPS.888と活躍し、通算でも39試合154打数で打率.344/出塁率.389/長打率.545/OPS.935、6本塁打、20打点と素晴らしい成績を残していたためです。

球団が大型契約を提示する背景には、レギュラーシーズンで勝つこと以上に、ポストシーズンを勝ち進んで「ワールドシリーズ制覇」という目標を是が非でも達成したいという思いがあります。

優勝争いの可能性が低いチームが大型契約を提示することは稀で、「ワールドシリーズ制覇」の確率を高めるためのものが大半です。

そのためポストシーズンで結果を残せない選手よりも、結果を出せる選手のほうが、FA市場で評価が高くなる傾向があります。

FA市場に限らずトレード市場においても同様の傾向があり、昨年のトレード市場で半年しか契約が残らないカルロス・ベルトランのためレンジャーズがプロスペクトをパッケージにしたり、今年はダルビッシュのためにドジャースがレベルの高いプロスペクトを交換要員にしています。

タイガースが年俸の一部を負担するものの2000万ドルの負担増とプロスペクトの放出をともなうジャスティン・バーランダーを、レギュラーシーズンの優勝が確実だったアストロズが獲得したのも、ワールドシリーズ制覇のためです。

契約破棄が注目されている田中将大にとってプラスに働くのは、今季のポストシーズンで3試合20イニングを投げて防御率0.90、被打率.145、WHIP0.65、通算でも4試合25イニングで防御率1.44、奪三振21、被打率.161、WHIP0.80と結果を残していることです。

投手としての能力は田中以上の評価を受けることが多いダルビッシュ有です。ポストシーズンでのパフォーマンスがオフのFA契約に大きく影響をあたえることになると予想されていましたが、結果はポストシーズンの4試合14回2/3で防御率6.75、ワールドシリーズでは2試合で3回1/3しか消化できず防御率22.60という数字に終わりました。

今季のレギュラーシーズンの成績は防御率3.86、ドジャース移籍後でも防御率3.44と悪くはありませんが、圧倒的な数字というわけではありません。

それでもこのシーズンオフのFA投手ではNO.1の評価を受けることになると予想されます。しかし、ワールドシリーズ制覇を目指すチームが金に糸目をつけずに獲得に動きにくくなったことは確実で、今シーズン開幕前に予想されたほどの大型契約にはならない可能性もありそうです。

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