マリナーズの再建の鍵はロイヤルズのスタイルの模倣?地元メディアが再建策を提言

Seattle Mariners Top Catch

マリナーズはジャック・ズレンシックがGM職を解かれ、マクレンドン監督もチームを去ることになりました。

そのズレンシックの後任としてGM職についたのがエンゼルスでGMを務めていたジェリー・ディポトです。

そのディポトGMを中心としたチームの立て直しに注目が集まることになるのですが、そのマリナーズ再建の方向性について、地元メディアであるタコマニューストリビューンのジョン・マグラス(John McGrath)が提言しています。

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マリナーズがロイヤルズをモデルとして再建すべき理由とは?

ジョン・マグラス(John McGrath)は”Mariners general manager should use Royals as his template(マリナーズのGMはロイヤルズをテンプレートして使うべきだ)”は記事の冒頭でワールドシリーズの戦況について簡単に述べた後、マリナーズはロイヤルズをモデルとすべきだと述べています。

ロイヤルズが本拠地として使用するカウフマン・スタジアムは、マリナーズの本拠地であるセーフコ・フィールドと同様に広い球場で、投手有利のスタジアムです。

なので、マリナーズと同様の本拠地で成功しているロイヤルズのチームのスタイルを、マリナーズは模倣すべきだと提案しています。

その提案内容をまとめると以下の様なものとなります。

  • 高い守備力:大きいスタジアムは素晴らしい守備力が要求されることになるが、ロイヤルズはセイバーメトリクスの守備に関するスタッツでNo.1であるだけでなく、2位のサンフランシスコ・ジャイアンツの1.5倍に近い数字を出している。その一方でマリナーズは24位となっている。
  • 走塁面でのスピード:大きいスタジアムは洗練されたベースランニングを必要とする。ロイヤルズは104盗塁を記録し失敗は39回だが、マリナーズは69盗塁にとどまり失敗は45回となっている。
  • 打撃面でのコンタクト技術:大きいスタジアムでは本塁打よりも連打による得点を必要とする。マリナーズは198本の本塁打を記録しながら656得点だが、ロイヤルズは139本塁打で724得点を記録している。
  • 強力なブルペン:大きいスタジアムは1-2点の僅差のリードを守りきれるブルペンを必要とする。ロイヤルズは相手を完全にシャットダウンすることができるあが、マリナーズは2点の自チームのリードを、相手チームの2点リードにしてしまう。

広い本拠地の特性を活かした選手を揃え、戦術を採用してロイヤルズは成功しているわけですが、それが高い守備力、走塁面でのスピード、打撃面でのコンタクト、強力なブルペンなので、マリナーズは同様のチーム編成を行っていくべきではないか?という提案です。

セーフコ・フィールドに合わない編成を続けてきたマリナーズ

マリナーズのチーム総得点656は両リーグ21位ですが、指名打者制ではないナ・リーグも含まれています。ア・リーグだけに限定した場合には下から3番目となる13位で得点力が乏しい状態でした。

一方で本塁打198本は両リーグ5位となっているのですが、効率的な得点ができないため長打力が得点力にはつながっていません。

ロイヤルズは724得点でア・リーグ6位、両リーグ7位となるなど上位の得点力を維持していますが、本塁打139本は両リーグ24位と下位になっています。

しかし、両リーグ3位となる打率.269、同5位の盗塁104個、同4位の盗塁成功率75.36%を記録するなど、効率的な攻撃で得点を積み重ねていくことができます。

盗塁成功率が75.00%を超えると効率的な攻撃になるとされていますが、それをチーム全体のアベレージで超えていますので、ロイヤルズの攻撃面での戦略上、重要なものとなっていると考えられます。

守備に関するスタッツではアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)でロイヤルズは50.9と両リーヅでダントツのトップで、2位であるジャイアンツの37.2を大きく上回り、守備でかなり多くの失点を防いでいることがわかります。

一方のマリナーズは26位で-29.6とリーグ平均の守備力のあるチームより、かなり多くの点を失っている状態です。

投手陣に関してはロイヤルズは防御率3.73で両リーグ10位で、マリナーズはと同22位となっていますが、ロイヤルズも図抜けた数字ではありません。

そして先発投手陣だけに限定すれば、マリナーズが4.17で両リーグ17位であるのに対して、ロイヤルズは4.34で22位のため、実はマリナーズが上回っています。

しかし、リリーフ陣の防御率となるとロイヤルズは2.72で両リーグ2位、ア・リーグ1位と素晴らしい数字ですが、一方のマリナーズは4.15で両リーグ25位、ア・リーグ13位と低迷しています。

今季のマリナーズの試合を見ることが多かった人は感じていることかもしれませんが、2-3点のリードを持ちながら先発投手がマウンドを降りた途端に、あっさりと逆転されて、そのまま負けてしまうということが少なくありませんでした。

広いスタジアムでの試合となるとロースコアでの勝負、僅差での勝負が傾向として多くなるのですが、このブルペン陣の脆弱さで勝利が手からこぼれ落ちることがマリナーズには多くあり、低迷の原因となったことは否定できません。

ジャック・ズレンシック前GMは、広いセーフコ・フィールドを本拠とするいチームでありながら、選手の獲得は長打力重視で、シーズン途中の補強もマーク・トランボなど、長打力はあるものの安定性に欠ける選手を獲得しました。

また外野の両翼に関しては、守備力の良いとは言えないネルソン・クルーズ(UZR:-6.2)をライトで80試合、同じく守備が良いとは言えないダスティン・アクリー(UZR:-4.1)をレフトで63試合、センターで21試合起用するなど、守備力よりも攻撃力を重視した布陣をひくことも少なくありませんでしたが、得点力が大幅にアップすることはありませんでした。

広いセーフコ・フィールドを活かすようなチーム編成ではなく、その特性を無視したような編成をした結果、空回りが多くなってしまったマリナーズでした。

またプロスペクトとして期待されてきた選手が軒並み長打力はあるものの、三振が多く、出塁率が低いという選手になってしまうなど、育成面での課題を抱えていますし、プロスペクトの層そのものも薄くなってきています。

さらには33歳となったものの、40歳までの8年1億9200万ドルの契約が残るロビンソン・カノの衰えに対する懸念もあります。

2015年は21本塁打を記録したものの、2008年以来となる打率3割を切る.287、三振が多くなりキャリアワーストとなる三振率15.9%で、自身初の3ケタとなる106個の三振数を記録しました。

また守備面でもアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)では2014年が-3.9、2015年が-7.9と衰えが懸念される数字があります。

マリナーズのチームの年俸総額の1/5も占める選手の衰えが隠せない状態になれば、チームは硬直化し、柔軟なロースター編成ができなくなります。

ジャック・ズレンシックGMが残したものが大きな重荷となりそうな現状ですが、それをどのように整理していくのかジェリー・ディポトGMの手腕が注目されます。