マリナーズのディポトGMは”ファームがMLBワースト”の評価にどう答えたのか?

Seattle Mariners Top Catch

ベースボール・アメリカがマリナーズのファームを「強みと言えるものがない」「先発ローテに入れるような投手が見当たらない」などと酷評し、MLBワーストのファームとランクしました。

(参考記事:マリナーズのファームがMLBワースト評価に・・・ディポトGMはなぜ上位プロスペクトを放出したのか?

多くのトレードで、元々少なかったプロスペクトをさらに放出したため、驚きではない結果でもあります。

ただ、そのことを知ったジェリー・ディポトGMは反論しています。

MLB公式サイトのグレッグ・ジョンズ氏の記事からの引用です。

But while Seattle’s third-year general manager acknowledges that trades, injuries and promotions to the Major League roster have slimmed Seattle’s prospect list, he offers sharp rebuttal to any notion that the club’s development system hasn’t been robust and productive.

『トレード、負傷、メジャー昇格によりファームの選手層が薄くなっていることは認めた一方で、マリナーズの選手育成システムがしっかりとしていない、生産的でないという評価に対して鋭く反論した。』とのことです。

Dipoto frequently notes that the Mariners have gone from one of the oldest rosters in the Majors to one of the youngest over the past two years, largely by trading prospects for young, cost-effective Major League players. Those younger players — like Mitch Haniger, Jean Segura, Ben Gamel, Ryon Healy and Marco Gonzales — are under team control for another five to six years and will allow the franchise to restock behind them.

『マリナーズはメジャーのロースターが最も高齢化したチームの一つだったが、この2年間で最も若いチームの一つなった』ことにディポトGMは頻繁に言及したとのことです。

ディポトGMによって、プロスペクトを放出するトレードが多く行われたのですが、その動きによって獲得したミッチ・ハニガー、ジーン・セグラ、ベン・ギャメル、リオン・ヒーリー、マルコ・ゴンザレスなどの若い選手は5年から6年チームがコントロールできます。そのため、次の選手を育てる時間を生み出すことができているとのことです。

この後、『ディポトGMと選手育成担当のアンディ・マッケイ氏は、これらの若い選手を獲得できたのは、マリナーズのファームの選手が他チームから関心を持たれたからこそのものであり、マリナーズの選手育成システムの成果であると話した』ことをジョンズ氏は伝えています。

さらにマリナーズがドラフトして育成した選手の中にもマイク・ズニーノ、エドウィン・ディアス、ダン・アルタビラ、アンドリュー・ムーアなどがいるし、他にもファームに良い選手がいると考えていることをディポトGMは明かしています。

“I respect Baseball America,” Dipoto said. “But we are a little more bullish on our group than they are, to be frank.”

『ベースボール・アメリカの評価をリスペクトはするが、私たちはマリナーズのファームに関して、もう少し高い評価をしている』と話しています。

“You’re not going to make too many advances in prospect rankings when you graduate 475 innings pitched in the big leagues, which is what our rookies did last year,” Dipoto said. “Or 250 games pitched, which is what our rookies did last year, or 1,522 plate appearances. That is the most innings pitched by rookies, the most games pitched by rookies, and the second-most plate appearances taken by rookies in the American League. It’s the most in each one of those categories in the history of the Mariners.

『メジャーリーグでルーキーが250試合、475イニングを投げたり、1522打席に立ったりするなど、マイナーから多くの選手が昇格するとプロスペクトランキングでは上位にはランクされない。ア・リーグではルーキーが最も試合に登板し、最もイニングを投げ、ルーキーが2番目に多く打席に立った。これはマリナーズの球団史上最も多い数だ』

“We transitioned a lot of young players to the big leagues and they’re no longer eligible for prospect lists. That doesn’t make them less than good young players. Guys like Marco Gonzales, Mitch Haniger, Ben Gamel and Andrew Moore, who otherwise would have been on such a list, are no longer eligible. So, look at all the details, and I’m very comfortable with what we’ve done organizationally and how we set up.”

『私たちは多くの若い選手をメジャーに昇格させたことにより、それらの選手はプロスペクトランキングの対象外となった。しかし、そのことによって彼らが若い良いプレイヤーでなくなるわけではない。マルコ・ゴンザレス、ミッチ・ハニガー、ベン・ギャメル、アンドリュー・ムーアなどはプロスペクトのリストに入っていたが、そうではなくなった。つまり、全体的に詳細に見たときに、私は組織全体としてやってきたこと、現在の状態に満足している。』

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ディポトGMは反論するも・・・

まとめると、以下のような反論をしていると考えられます。

  • ファームの層が薄いことは認めるが、それは実力のある良い選手たちが一斉にメジャーレベルの戦力となったから。
  • プロスペクトを放出するトレードを行ってきたが、メジャーレベルで通用する若い選手に入れ替えたので、最も若いチームの一つとなった。これから数年先も戦えるロースターになっている。
  • ドラフトした選手でもズニーノやムーアのように育っている選手もいるし、トレードでメジャーレベルに近い良い選手を獲得できたのは、マリナーズのファームの選手が気に入られたからであり、選手育成が弱いわけではない。

ディポトGMの反論にも一理あります。
確かに、若いメジャーレベルの選手が増えたことは明るい材料です。しかし、それらの選手が打線の中軸を打ったり、先発ローテのフロントスターターになったりが期待できるかと言われると、疑問符がつかざるを得ないという大きな問題があります。

現在の打線の中軸は35歳のロビンソン・カノ、37歳のネルソン・クルーズ、30歳のカイル・シーガーの3人で、数年先の大きな不安材料です。場合によっては今年問題になる可能性もあります。

将来的に中軸になることが期待されたタイラー・オニール、アレックス・ジャクソンを放出し、D.J.ピーターソンの育成に失敗し、マイク・モンゴメリーを出して獲得したダン・ボーゲルバックも伸び悩んでいます。

ミッチ・ハニガー、ベン・ギャメルは攻守で安定した良い選手ですが、外野の両翼としては長打力の面では物足りないところがありますし、ジーン・セグラもそういうタイプではありません。

現状では、中軸を打てるようなパワーヒッターとなるとトレードで獲得したリオン・ヒーリーか、マイク・ズニーノがステップアップすることに期待することになります。

先発ローテでは、ジェームズ・パクストンがエースとして期待される状況となっていますが、136イニングが1シーズンのキャリア最多という故障の多さがネックで、しかもFAまで3年しか残っていません。

アンドリュー・ムーアは制球力の良い投手ですが、際立った球種がなく、球速も出ないため、現時点では先発ローテの4番手、5番手に定着できればという印象です。

マルコ・ゴンザレスはカージナルス時代からポテンシャルを期待され続けてきました。しかし、メジャーに定着しきれず、マイナー降格のオプションがなくなり、カージナルスはトレードの交換要員として応じています。
移籍後の2017年のマリナーズでの成績も、10試合36回2/3で防御率5.40と、ディポトGMが強く推しても少々説得力に欠けるところはあります。

一方、トレードで放出したマイク・モンゴメリー(移籍後2年で169回、防御率3.25)、タイファン・ウォーカー(157回:防御率3.49)、クリス・テイラー(21本塁打、OPS.850)、ローガン・モリソン(38本塁打、OPS.868)らがブレイクアウトしました。
しかし、獲得した選手ではドリュー・スマイリーはマウンドに立つことなくマリナーズを去りましたし、ネイト・カーンズも94イニングを投げただけでした。

最新のベースボール・アメリカではトレードで放出したルイス・ゴハラがMLB全体で23位、タイラー・オニールが同86位にランクされています。

前任のジャック・ズレンシックの負の遺産が大きいのは間違いないのですが、ディポトGMのトレードが上手くハマって大きな戦力アップとなったとも言い難いものがあります。

ジェリー・ディポトGMはエンゼルス時代にも積極的にトレードを成立させましたが、ファームの選手層の薄さが今もダメージとして残っています。
ジェリー・ディポトGMのやってきたことが2018年のマリナーズの成績として、どのような結果を生み出すのか注目されます。

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