デビッド・プライスが球速低下と大量失点で低迷中・・・でもシーズン後半には復調?

Boston Redsox Top Catch

レッドソックスは7年2億1700万ドルの大型投資をデビッド・プライスにして、ジョン・レスターを失って以来のエース不在という問題は解消されたかに思われました。

しかし、30歳で2016年シーズンを迎えたデビッド・プライスが球速の低下、そして大量失点をともなう低調なピッチングで苦しんでいます。

レッドソックスにとって気になるのは、この状態がただ単に不運や調子の波に過ぎないのか、それとも速球派の宿命とも言える球速低下によるパフォーマンスの低下なのか?というところです。

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球速の低下が顕著な2016年シーズン序盤のデビッド・プライス

デビッド・プライスのシーズン別のフォーシーム、シンカー(ツーシーム)、カッターの最速と平均球速の推移は以下の表とおりとなっています。

David Price Velocity 2008-2016

22歳のデビュー当初に最速で98マイルから99マイルを記録していたフォーシームは、2015年までは同様の数字を維持していたのですが、2016年は95.87マイルと前年よりも2.5マイル程度落ち、平均球速でも1.7マイル低下しています。

同様の傾向はシンカーとカッターにも見られ2マイルから1マイル程度の球速の低下が数字に出ています。

デビッド・プライスの投球フォームのメカニックがおかしくなったことによって球速が低下している可能性もあるわけですが、その点については以前と変わっていないとレッドソックス首脳陣が分析していて、この球速低下の原因はつかめていないようです。

このように球速の低下は見られるものの、デビッド・プライスの投手としての能力が極端に落ちたのではないと考えられる数字も残っています。

デビッド・プライスのシーズン別の成績は以下の表のとおりとなっています。

David Price Stats 2008-2016

2008年から2015年にかけての奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は8.57、与四球率(9イニングあたりの与四球数)は2.3、そして2013年から2015年の直近3シーズンでは奪三振率が8.89、与四球率が1.5となっています。

防御率が低迷している2016年シーズンの7試合では奪三振率は11.54とかなり高い割合で三振を奪い、与四球率は2.6とこれまでのキャリアに比較すれば多いものの、9イニングあたりで1個増えているだけなので、大幅に増えているわけではありません。

そのため表面上の防御率などの数字では酷い状態となるのですが、投手がコントロールでき、投手の能力が表れやすい奪三振や与四球という面では大きな問題があるわけではありませんので、投球内容は悪く無いと捉えることができます。

2016年シーズン序盤は極端な不運にも見舞われている?

2016年シーズンの被打率は.278とキャリア通算の.234よりかなり悪い数字なのですが、この数字に関してはかなりツキがないと言える面もあるようです。

投手が出したランナーの内、ベース上に残ったランナーの割合、残塁率を示しているLOB%という指標があるのですが、この数字が高いほど失点が少なくなり、低いほど失点が多くなる傾向があります。

この数字によって投手の粘り強さを知ることができるとも言えるのですが、投手がコントロールすることが難しいもので、運の影響を受けやすいとされています。

  • LOB%(残塁率):LOB%が高いと残塁が多くなるため失点が少なくなり、逆に低いと残塁が少なくなり失点が多くなる。投手のがコントロールすることが難しい指標で、運の影響を受けやすい。投手のタイプに関わらず、多くの投手がリーグ平均前後に落ち着くとされていて、そこから大きく外れた場合は、翌年以降にその平均値に戻る傾向がある。MLBでは70%から72%、近年のNPBでは72%-75%程度。

運・不運には波があるのですが数年にわたり統計をとると、多くの投手がリーグ平均値、もしくはその投手のキャリア平均値に近づく傾向があります。

デビッド・プライスのキャリア通算のLOB%は74.6%で、リーグ平均ではだいたい72-73%のため、基本的には粘り強い投手であると言えます。

ところが2016年の序盤においては、このLOB%が57.3%と極端に低い数字となっています。

これまでのキャリア平均よりもかなり低い数字であり、LOB%が低いシーズンでも67%程度のため、試合を重ねるに連れて徐々にこの数字が平均値に近づいていくことが予想されます。

つまり平均値へのより戻しがおこり、それにつれて防御率なども向上していく可能性が高いということです。

そして投手の能力を測るために用いられるFIPでは2.89とキャリア平均の3.19を上回っていますので、投手としての実力が落ちているわけではないことがうかがえます。

また防御率が6点台後半であるにもかかわらずFIPは3点台を切っていることからも、どちらかと言えば味方の守備にも助けられていないという不運に見舞われている可能性があると考えられます。

  • FIP(Field independence Pitching):味方チームの守備力の影響を除外して、投手の実力を測るための指標で、与四死球、本塁打、奪三振、投球イニングを元に算出する擬似防御率。防御率よりもFIPが低ければ味方の守備によって自責点が増えていると考えられ、FIPよりも防御率が低ければ、味方の守備によって自責点が減っていると、一般的に考えられている。

球速低下という気になる問題はあるものの、三振を多く奪い、ストライクをきっちりと投げることができる投手としての能力はまだまだ健在といえる数字がデータ上では残っているデビッド・プライスです。

元々、春先は成績が良いタイプではなく、シーズンが深まっていくに連れて成績が向上していきます。月別のデビッド・プライスの防御率は以下のとおりとなっています。

  • 3-4月:防御率4.08
  • 5月:防御率3.31
  • 6月:防御率2.83
  • 7月:防御率3.01
  • 8月:防御率2.89
  • 9-10月防御率2.92

球速低下は大型契約の後半部分が惨めなものになる可能性につながりますが、2016年シーズンに関しては現時点で悲観的になる必要が無いのではないかと考えられます。

これまでのキャリア全体での成績と今年の成績を見る限り、この後、シーズンが進むに連れて成績が向上していく可能性が高いのではないかと考えられる要素が多くありますので、注目したい今後のデビッド・プライスです。

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