レッドソックスのシーズンオフ補強の最大の目玉はクリス・セールのトレード獲得でした。
クリス・セールの獲得そのものにも大きなインパクトがあるのですが、この補強がデビッド・プライス、リック・ポーセロというサイヤング賞経験のあるフロントスターター2人に加わることに大きな意味がありました。
しかし、そのデビッド・プライスがトミージョン手術で2017年を棒に振ってしまう可能性が浮上しています。
デビッド・プライスの痛みは過去に経験したことのない強さに・・・
ESPNのジム・ボウデン氏が以下のようなツイートをしています。
David Price had MRI on elbow will get 2nd opinion will not make next start
— Jim Bowden (@JimBowden_ESPN) 2017年3月2日
デビッド・プライスは左肘のMRIを受けた結果、セカンドオピニオンを求めることになり、次回の先発は回避することになったようです。
さらに続くツイートで以下のように伝えられています。
John Farrell said elbow soreness more than in past and they are concerned
— Jim Bowden (@JimBowden_ESPN) 2017年3月2日
デビッド・プライスの左肘の痛みは過去にないもので、レッドソックスの首脳陣も懸念していることが伝えられています。
まとめると痛みがかなり酷いのでMRIを受けることになった結果、診察したドクター以外にも見解を求めるために、再度、他のドクターに診察してもらうことになったようです。
こういった肘の痛み、前腕の張りなどで、セカンドオピニオンを求めるという場合は、多くのケースで良い状況ではないことがほとんどです。
そしてセカンドオピニオンを求める予定のドクターの名前を見れば、状況は芳しくないことが明らかです。
トミージョン手術の可能性が高いことを感じさせる状況
レッドソックスの地元メディアのひとつであるプロビデンスジャーナルのティム・ブリットン氏が以下のようにツイートしています。
Second opinion will be with either Dr. Andrews or Dr. El Attrache.
— Tim Britton (@TimBritton) 2017年3月2日
肘だけでなく前腕に痛みがあるためMRIを受けるようになったこと。そしてセカンドオピニオンはアンドリュース氏、もしくはエルアトラーシェ氏に求めることになるようだとのことです。
両者ともにトミージョン手術のエキスパートで、それらのどちらかの診察の後に、最終決断をすることになるようです。
トミー・ジョン手術のエキスパートにセカンドオピニオンを求めるという時点で、状況はかなり厳しいことが伺えます。
2016年のデビッド・プライスは230.0イニングを投げたものの、防御率3.99/17勝9敗/奪三振228/WHIP1.20という成績で7年2億1700万ドルの契約1年目としては物足りない数字に終わりました。
フォーシームの平均球速も94.93マイルから93.75マイルとキャリアワーストの数字に落ち、被安打率8.9、被本塁打率1.2もワーストと完全なダウンイヤーと言える2017年でした。
そこからのバウンスバックを期してのシーズンだったのですが、このままトミージョン手術となれば2017年は絶望で、復帰は最短でも2018年開幕、普通にいけば2018年のオールスター前後になると予想されます。
現在31歳のデビッド・プライスですが、復帰する時には33歳に近い年齢になりますので、そのことも懸念材料となります。
今季の優勝のために、トッププロスペクトのヨアン・モンカダやマイケル・コペックを放出してまで、クリス・セールを獲得したレッドソックスにとって、デビッド・プライスの離脱はかなりの痛手となります。
さらにデビッド・プライスが31歳という年齢でトミー・ジョン手術を受けることは、中長期的なチーム編成にも大きな影を落とすことになります。
デビッド・プライスの残契約は以下のとおりとなっています。
- 2017年(31歳)3000万ドル
- 2018年(32歳)3000万ドル
- 2019年(33歳)3100万ドル
- 2020年(34歳)3200万ドル
- 2021年(35歳)3200万ドル
- 2022年(36歳)3200万ドル
6年1億8700万ドルの契約が残っているのですが、2018年シーズン終了後に破棄してFAを選択できるオプションをデビッド・プライスは有しています。
しかし、トミージョン手術を受けることになれば、この権利を行使しない可能性は高くなりそうです。
年俸総額の中でも大きな割合を占め、補強予算が制約される理由となっているデビッド・プライスが戦力として計算できないのは、かなりの痛みです。
さらにトミージョン手術を受けて復帰した後に、どうなるのかわからないというは中長期的な不安材料ともなります。
今季の先発ローテに関しては、ドリュー・ポメランツ、スティーブン・ライト、エドゥアルド・ロドリゲスの3人が4番手と5番手の枠を争っている状況だったため、開幕当初のの頭数は何とかなるのではないかと考えられます。
ただ、その後の投手となるとヘンリー・オーウェンス、ブライアン・ジョンソン、ロエニス・エリアスと一気に弱くなります。
デビッド・オルティスが抜けることによる攻撃力のダウンを投手力で補う目論見が足元から崩れそうな気配で、レッドソックスは早くもロースター全体の厚みを問われることになりそうです。