デビッド・オルティーズは現在40歳で、すでに今季限りの引退を表明しています。
しかし、その打撃成績は打率.313/本塁打27/打点92/出塁率.407/長打率.621/OPS1.028と引退するには、あまりにも惜しい正成績を残しています。
その成績は現在のMLBでもトップクラスにランクされるだけでなく、現役最終年の成績としてはMLB史上でも異例のものとなっています。
スポーツイラストレイテッド電子版のTOM VERDUCCIがDavid Ortiz is having a farewell season like no hitter ever (except Chicken Hawks)という記事のタイトルでデビッド・オルティーズの今季の成績がいかに素晴らしく、かつ異例のものであるかを紹介しています。
Move over Barry Bonds, Mark McGwire, Ted Williams and any other slugger who left with plenty of gas still in the tank: Ortiz is the rare player who is willingly departing at the top of his game.
(中略)
Ortiz, the Red Sox’ 40-year-old DH, hit his 27th home run Monday in a 3?2 win over the Indians in Cleveland. He enters play on Tuesday ranking among the American League’s top 10 in slugging (first, .621), OPS (first, 1.026), doubles (first, 37), extra-base hits (first, 65), RBIs (second, 92), batting average (fourth, .312), home runs (eighth, 27) and total bases (10th, 241).
デビッド・オルティーズのようにキャリア全体で見てもトップレベルの状態で引退しようとする稀なプレイヤーであること。
そしてオルティーズは月曜日の試合を終えた時点で長打率.621がリーグ1位、OPS1.026が1位、長打が65で1位、打点92が2位、打率.312が4位、本塁打27が8位、塁打数324が10位と、打撃の主要部門でア・リーグのトップ10にランクされていることを伝えています。
リーグトップクラスの打撃成績を残している状態なのですが、引退宣言を決して撤回しない姿勢を貫いているため、今季のこの素晴らしい成績がプロキャリアの最後のシーズンの成績となる見込みです。
そしてこのデビッド・オルティーズの今季の成績は引退した打者の現役最終年と比較しても、かなり異例と言える数字であることをTOM VERDUCCIは伝えています。
TOM VERDUCCIは本塁打、打点、塁打数、長打数、二塁打数、長打率、OPS、OPS+(リーグ平均のOPSをどれだけ上回ったかを示す指標)、打率の9つの部門で歴代の名選手と比較しています。
【本塁打】
- マーク・マグワイア(STL-2001) 29本塁打
- テッド・ウィリアムス(BOS-1960) 29本塁打
- バリー・ボンズ(SF-2007) 28本塁打
- ジャーメイン・ダイ(CHW-2009) 27本塁打
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 27本塁打
【打点】
- サミー・ソーサ(TEX-2007) 92点
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 92点
- エド・コネッチー(PHI-1921) 82点
- トリー・ハンター(TEX-2007) 81点
【塁打数】
- ジョージ・ブレット(KC-1993) 243
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 241
- スティーブ・エバンス(1915) 237
【長打数】
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 65
- ポール・オニール(NYY-2001) 55
- ウィル・クラーク(BAL/STL-2000) 53
【二塁打数】
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 37
- ジャック・バーンズ(1936) 37
- レイ・ダーラム(SF/MIL-2008) 35
- ノーム・マクミラン(1929) 35
【長打率(規定打席到達)】
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) .621
- ウィル・クラーク(BAL/STL-2000) .546
- バズ・アーレット(1931) .538
【OPS(規定打席到達)】
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 1.026
- ウィル・クラーク(BAL/STL-2000) .964
- ハンク・グリーンバーグ(1947) .885
【OPS+(規定打席到達)】
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) 164
- ウィル・クラーク(BAL/STL-2000) 145
- ミッキー・マントル(NYY-1968) 143
【打率(規定打席到達)】
- チキン・ホークス(1925) .322
- ビル・キースター(1903) .320
- サム・ダンガン(1901) .320
- ウィル・クラーク(BAL/STL-2000) .319
- バズ・アーレット(1931) .313
- テックス・ヴァシュ(1925) .313
- ジョニー・ホダップ(1933) .312
- デビッド・オルティーズ(BOS-2016) .312
累積数が記録となる長打数、二塁打数はすでに歴代1位となり、本塁打、打点、塁打数も更新することが濃厚となっています。
打率、長打率、OPSはこれからの成績で変動していくためシーズン終盤にならないと確実とはなりませんが、このうち長打率、OPSは歴代1位となる可能性がある部門となります。
このように打撃の主要部門でことごとく現役最終年の歴代1位となる驚異的な成績を残しているデビッド・オルティーズです。
打線が強力で、デビッド・オルティーズ以外にも良い打者をラインナップに並べることができるレッドソックスではありますが、この穴をシーズン全体を通して埋めるのは容易ではありませんので、シーズンオフの課題の一つとなりそうです。