ダルビッシュがMLBでの登板前に調整し確認していること

ダルビッシュ有の実力に対する評価が、更に高まりつつあるのですが、その素晴らしさについて分析する記事も増えてきます。

その中でもESPNのバスター・オルニー氏による記事が興味深いものでしたので、今後の備忘録的な意味合いもこめて、まとめたおきたいと思います。

レンジャーズの捕手であるロビンソン・チリノスが話した内容を以下のように伝えています。

And Darvish throws an incredibly wide-ranging arsenal. As Chirinos talked about all of the pitches that the right-hander throws, he prompted his memory by going through the signs – the changeup, the splitter, the curveball, the speed variations.

『ダルビッシュは驚くほどの多様な球種を投げる。チリノスが自身が出すサインを辿って話したところによると、この右腕が投げる球種はチェンジアップ、スプリット、カーブ、そして球速によるバリエーションがある。』

ダルビッシュの強みはメジャーレベルでも優れているカテゴリーに入る球種を多く持っていることなのですが、さらにスピードでバリーエーションをつけることができるため、打者がさらに球種が多く感じることになります。

さらに、ダルビッシュの卓越しているところは、その球種のそれぞれの感覚、基準を自分の中にしっかりともっていて、多くを投げなくても、状態を判別できるところだとオルニー氏は伝えています。

Remarkably, Darvish is able to maintain a feel for all of these pitches with very little practice. As he warms up in the bullpen before each of his starts, Darvish has a set routine of what he will throw, starting with three outside fastballs, and then a breaking ball. But within that relatively short number of warm-up pitches — maybe 30 or so, Chirinos estimated — Darvish will mix in at least one or two of the other types of pitches.

『驚くことに、ダルビッシュはそれらの球種に対するフィーリングを、僅かな投球数で確認、維持することができる。先発登板の試合前にブルペンでウォームアップするときに、何から投げるかのルーティンを持っている。外角の速球を3球投げた後、ブレイキングボール(カーブ・スライダー)を投げる。30球程度の少ないウォームアップの中で、ダルビッシュは少なくとも1つもしくは2つの異なる球種を織り交ぜる』

ダルビッシュの試合の登板直前のウォームアップは30球前後と多くないのですが、その間に多種多彩な球種の状態を確認することができるようです。

同じ記事からの引用です。

At the end of his warmups, Chirinos said, Darvish will offer his feelings to his catcher about which pitches feels right, what he will use as a primary weapon.

『チリノスが話すところによると、ウォームアップの最後に、ダルビッシュはどの球種の状態が良いかという感触、どれを投球の軸にするいかということを捕手に話している。』

ダルビッシュは30球前後の投球練習の間に、どの球種が良くて、どの球種が悪いかを把握し、どのボールをメインの武器にして投球を構成するかを捕手に話していることになります。

投球の軸となるボールを変えることができるのは、ダルビッシュの持っている球種のレベルがどれも高いからなせることではありますが、状態を練習段階の30球で見極めることができるというのは、明確な基準と鋭敏な感覚を持っているからなせることです。

その具体的な例として、先日のフィリーズ戦の投球内容を、オルニー氏は紹介しています。

Before that start against the Phillies, for example, he had told Chirinos that he wanted to use his changeup, and the battery mixed in a couple. According to FanGraphs, he used significantly fewer cutters than he had in his previous start against the Padres, and threw more sliders — 40 percent of his 95 pitches that day, for the second-highest rate in any of his starts in the 2017 season.

『例えば、フィリーズ戦前にチリノスにチェンジアップを使いたいとダルビッシュは話し、実際にこのバッテリーはその割合を少し増やしている。FanGraphsによると、その前のパドレス戦に比較するとカットボールの割合が減り、スライダーの割合が増えていて、その日は投げた95球の40%がスライダーだった。このスライダーの割合は2017シーズンで2番目に高いものだった。』

FanGraphsによる、直近3試合の登板別の球種割合は以下のとおりとなっています。

FB:ファーストボール SL:スライダー CT:カットボール CB:カーブ CH:チェンジアップ

Pitches 2017/05/16:PHI 2017/05/10:SD 2017/05/10:SEA
FB 42.1% 38.5% 42.2%
SL 40.0% 27.1% 45.7%
CT 11.6% 24.0% 8.6%
CB 2.1% 8.3% 3.5%
CH 4.2% 2.1% 0.0%

今年に入ってからファーストボールの割合が多く、平均球速も94.1マイルとキャリアハイで有効であることが、スライダーをさらに有効にしているとオルニー氏は分析しています。

しかし、そのスライダーよりも感覚が良い球種があれば、その割合を増やして、打者の目先をかわすとともに、より打たれにくい投球構成にしていることになります。

さらに投手として完成度が高まり、調子が悪い時のダルビッシュでないと攻略するのは困難で、トミージョン手術からの復帰後はさらに投手としての凄みが増しつつあります。

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