【MLB2014 サイ・ヤング賞候補】マディソン・バムガーナー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のシーズン成績と投球内容

ナ・リーグのサイ・ヤング賞は投票の結果を待たなくとも、多くの人が予測するようにドジャースのクレイトン・カーショウが受賞することが確実です。

カージナルスのアダム・ウェインライト、レッズのジョニー・クエトと顔を並べるため、トップ3に入ることも容易ではないものの、クレイトン・カーショウよりも5ヶ月若い25歳で、来季以降にさらに期待されるのがサンフランシスコ・ジャイアンツのマディソン・バムガーナーです。

マディソン・バムガーナーの今季は33試合217.1回を投げて、防御率2.98/18勝10敗/奪三振219/WHIP1.09という成績を残しました。

そのマディソン・バムガーナーの通算成績、2014年の月別成績、そして球種の内訳や特徴などをまとめています。

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常勝サンフランシスコ・ジャイアンツの若き左腕エース

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マディソン・バムガーナーは2007年のドラフト1巡目全体10番目でサンフランシスコ・ジャイアンツに指名され入団し、その後2009年9月にメジャーデビューを果たしています。ただ、本格的にメジャーに定着したのは2010年6月以降となります。

そのマディソン・バムガーナーの年度別成績は以下のとおりとなっています。

Madison Bumgarner Career Stats

2010年6月以降は先発投手としてローテを守り続け、2011年から2014年の4年連続で200イニング以上を投げていて、通算の防御率も3.06となっています。

そして2014年はキャリハイとなる18勝、217.1イニング、219奪三振を記録するなど、さらに凄みを増しつつあります。

また2014年の成績は、ナ・リーグの主要な投手部門においてもトップクラスで勝利数(18勝)、投球回(217.1イニング)、奪三振(219個)がいずれもリーグ4位、WHIP(1.09)はリーグ7位となっています。

圧倒的な投球と裏腹な脆さがサイ・ヤング賞に向けて課題のバムガーナー

続いて、2014年のマディソン・バムガーナーの月別成績です。

Madison Bumgarner Mothly Stats

8月には6試合で4勝1敗、46.0回を投げて防御率1.57/WHIP0.63という圧倒的な成績を残しています。

さらにP/IP(イニングあたりの平均投球数)が14.0奪三振率が10.96被打率.164でした。

また46イニングで56個の三振を奪った一方で、与四球はわずかに3つのため、K/BB(奪三振÷与四球)は驚異的な18.67と様々なスタッツで抜群だっため、月間防御率1.80のカーショウを抑えてピッチャー・オブ・ザ・マンスを獲得しています。

また5月にも39.0回で防御率2.08/5勝0敗/奪三振48/WHIP0.85という成績でピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞していて、年2回も月間最優秀投手に輝いています。

ただ、今後MLBでトップ5の投手にマディソン・バムガーナーなるには克服すべき課題があります。

月間成績にも現れているのですが、4月は防御率4.25、7月は4.95と不安定で、33試合の先発のうちクオリティスタートは21回にとどまり、クオリティスタート率(以下QS率)64%は、リーグ全体で21位にとどまるなど、良い時と悪い時のバラつきが大きくなりがちです。

サイ・ヤング賞の投票で上位にくることが予想されるクレイトン・カーショウのQS率は89%でリーグトップ、ジョニー・クエトは85%でリーグ2位、アダム・ウェインライトは78%でリーグ5位となっています。

これらのトップクラスの投手との差は、この『安定感』に顕著に現れていて、調子の波による落ち込みを最小限に抑えることができるようになれば、同世代のクレイトン・カーショウやクリス・セールと並ぶMLB最高の左腕としての地位を確固としたものにできそうです。

マディソン・バムガーナーの球種や投球スタイル

最後にマディソン・バムガーナーの球種と投球スタイルについてです。

マディソン・バムガーナーの持ち球はBrooks Baseballのデータによると、最速95.5マイル(154キロ)、平均92.7マイル(149キロ)のフォーシームファーストボール、最速92.9マイル(150キロ)、平均88.8マイル(143キロ)のカッターを軸に、2種類のカーブとチェンジアップとなっています。

カーブは平均77.3マイル(124キロ))と、さらにスピードを抑えた平均球速が69.9マイル(112キロ)のスローカーブの2種類があり、主に前者が投球に組み入れられています。

バムガーナーの2014年シーズンにおける球種別の球速、投球割合、奪三振に占める割合、被打率などは以下の表のとおりとなっています。

Madison Bumgarner Pitch Type (2014)

フォーシームが投球の43.7%、カッターが34.4%を占めていて、この2つの球種が投球の8割近くを占めていることになります。そこにカーブ(13.6%)とチェンジアップ(7.7%)を織り交ぜ、極稀にスローカーブ(0.5%)を投げています。

バムガーナーの最大の武器はフォーシームファーストボールです。被打率.200と打たれにくく、奪三振に占める割合も一番高く42.9%となっていて強力です。

投球の4割強を占める軸となるフォーシームが効果的なのが大きな強みなのですが、球速は先述のように最速95.5マイル(154キロ)、平均92.7マイル(149キロ)と特別に速いわけではありません。

しかし、投球フォームがサイド気味のスリークォーターで、さらにインステップ(クロスステップ)するため、ボールに角度がつき、球速以上に打者には捉えにくくなっています。

またボールをリリースするまでフォームは力感がなくゆったりとしていて、そこから150キロ前後のファーストボールがくるため、打者にとってはタイミングを合わせにくく、球速表示以上に体感速度が速くなっています。

また次に多く使っているカッターはMLB平均的な球速より速めで、ファーストボールとの球速差が少ないため、空振りを奪うのとゴロを打たせることの両面で効果を発揮しています。

3番目に多く使われているカーブはフォーシームとカッターとの緩急をつけるのに有効で、低めに制球されているため、バットに当たってもゴロとなるなど効果的です。

全体的な高低の使い方は、フォーシームは打者のベルトよりも高目で、カッター、チェンジアップはベルトよりやや低めに、そしてカーブが一番低いゾーンで使われています。

このようなバムガーナーの投球スタイルのイメージをつかみやすくするため、8月21日のカブス戦で7イニングで12個の三振を奪った試合の動画を紹介します。

もう少し変化球が使われている動画が多くあると良いのですが、とりあえず、この動画では高めのフォーシームで多くの三振を奪っていることが確認できます。

マディソン・バムガーナーはすでに2012年から17年の6年3556万ドルの契約に加えて、2018年と19年にそれぞれ1200万ドル更新できるオプションをチーム側が保持しているため、ジャイアンツは少なくとも29歳の2019年シーズンまでバムガーナーをチームにとどめることができます。

捕手のバスター・ポージーとともに、サンフランシスコ・ジャイアンツのコアとして、MLBのトップ5に入るような投手への飛躍が期待されるマディソン・バムガーナーです。