移籍したブランドン・モローが明かした「ドジャースのカブス打線の攻略法」

シカゴ・カブスはドジャースからFAとなったブランドン・モローと契約し、セットアップではなくクローザーに据える構想でシーズンを迎えようとしています。

そのブランドン・モローがドジャースがどのようにカブス打線を攻略していたのかを明かしています。

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ドジャースが投手陣全体に強調している投球スタイルとは?

2017年のカブス打線は2016年ほどには得点力を発揮できませんでした。ワールドシリーズ制覇を果たしたことで徹底的に研究されたこと、若い選手が多く成長のプロセスとして停滞を通過したこと、などがその理由として上げられます。

それでもチーム総得点は822点でナ・リーグ2位、両リーグ4位とMLB屈指の強力な打線であるといえる数字を残しています。

しかし、ナ・リーグチャンピオンシップではドジャース打線が5試合で28得点したのに対して、カブス打線は7点に封じ込められてしまいました。

ポストシーズンでのプレッシャーやシリーズ全体での流れなども左右したという面もありますが、シーズン中での対戦でもドジャースがカブス打線を攻略していますので、そういった捉え方では片付けらない面があるのも事実です。

シーズン前半の4月と5月にそれぞれ3試合ずつ対戦があったのですが、4月の時点ではカブスが3試合で7点を奪って2勝1敗と勝ち越しましたが、5月には3試合で4点しか奪うことができず3連敗を喫しています。

どちらにしてもカブスがレギュラーシーズンの6試合で11点しか奪うことができていませんので、リーグチャンピオンシップでドジャース投手陣がカブス打線を封じ込めることができたのは勢いや流れというだけでなく、それなりの理由があると考えるほうが自然です。

その「ドジャース投手陣のカブス打線の対策」をドジャースから移籍したブランドン・モローが話していることがシカゴ・トリビューンによって伝えられています。

“He’s already giving away our secrets?” Roberts said Tuesday with a tone of amusement.

But the Cubs’ big weakness was evident as early as late May and became more obvious in the NLCS. The Dodgers’ ability to find the strike zone with high fastballs proved to be Kryptonite to the Cubs.

『デーブ・ロバーツ監督は「彼はもう私たちの秘密を漏らしたのか?」と驚きの色をにじませながら話した。しかし、カブスの弱点は5月の段階で明らかになり、それがナ・リーグチャンピオンシップでより鮮明になった。ドジャース投手陣の「ストライクゾーンの高めに制球できる能力」はカブス打線にとってクリプトナイト(スーパーマンの力を吸い取る鉱石)であることを証明した。』

“A pitch up looks good to hit, but it’s tough to square up,” Kris Bryant said. “I felt we could get better at it. We know how to approach the Dodgers this year because that’s what they do.”

『高めのボールは打ちやすいように見えるが、実際にはしっかりと捉えることが難しい。』『私たちはもっと上手く対応できると思う。彼らが何をやっているのかをすることができたので、どのようにドジャースと対峙すれば良いかわかるからだ』とクリス・ブライアントは話した。

ストライクゾーンの高めを有効に使うことは投球の幅を広めますが、少し高さを間違えると長打が出やすくもなります。しかし、ドジャースの投手陣はそこにボールを集めることができる制球力を持つ投手が揃っていたので、有効にストライクゾーンの高めを使いカブス打線を封じることができたということです。

ブランドン・モローはこのドジャースの作戦を見事に実行した1人です。

カブス打線は攻撃の44イニングで53個の三振を喫していて、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)にすると10.84、ブランドン・モローに至っては4回2/3で7個の三振(奪三振率13.50)を奪っています。

ブランドン・モローはストライクゾーンの高めへの制球が優れていたことがその理由の一つなのですが、ドジャースは打球に角度をつけるフライボールレボリューション(フライボール革命)への対策として強調していたようです。

“(The Dodgers) put a big emphasis on it and they scout for it,” said Morrow, whose command of the strike zone enticed the Cubs to sign him to a two-year, $21 million contract as a free agent.

“For me, it was learning how low you can go, where you’re still (throwing) above the barrel. (You) throw a high strike that doesn’t have to be at the eyes and (are) working down, finding where you can get guys to swing.”

『ストライクゾーンの制球力を評価して2年2100万ドルをカブスが提示したモローが「ドジャースはそれ(ストライクゾーン高めの制球)を重視していて、スカウティングを行っていた」と話した。

高めでストライクをとられると、打者は低めに的を絞ることができなくなり、空振りを奪いに行く低めのブレーキングボールの見極めが難しくなります。それが有効であることを学ぶことになったともモローは明かしています。

また、打球に角度をつけようとする下からすくいあげるようなスイングをした場合には、距離があるため高めのファーストボールを捉えることは難しくなりますので、相乗効果もあります。

Cubs catcher Willson Contreras quickly realized once he reached the majors in 2016 that some teams — particularly the Dodgers — use the entire strike zone.

“I think the Dodgers are the best team at elevating fastballs and breaking balls down,” said Contreras, who tied Anthony Rizzo for most strikeouts (eight) in the 2017 NLCS. “It’s hard to hit an elevated fastball.”

正捕手のウィルソン・コントラレスは2016年にメジャー昇格した時に、すぐに気づいたのがいくつかのチーム、特にドジャースは、ストライクゾーンの全体を利用していることだったと話しています。

ウィルソン・コントラレスは「ドジャースは高めのファーストボールと低めのブレーキングボールを上手く使うチームだ」と話しています。そのコントラスはアンソニー・リゾとともに2017年のナ・リーグチャンピオンシップでチーム最多の7三振を喫しています。

アストロズも様々なデータ解析の末に、高速のファーストボールとブレイキングボールの組み合わせが、最も打者が打ちにくいコンビネーションとの結論を得たため、それを軸とした投球ができる投手を集めています。

ドジャースも同様の結論を得ているのか、アストロズと似たような投球の組み立てを重視していることが明らかにされたことになります。ドジャースのこの方針は上手く機能していて、チーム防御率3.38はナ・リーグトップ、両リーグではインディアンスに続く2位と素晴らしい結果につながっています。

ブランドン・モローを通じてドジャース投手陣の投球スタイルを知ったカブスの主力選手、打撃コーチは「今年はアジャストして攻略できる」と自信を見せていています。しかし、それでも対応しきれない場合には、「フライボール革命による打高投低」に歯止めをかける策としてリーグ全体に広がっていく可能性もあります。

フライボール革命により多くの本塁打が出るようになった2017年で、その代表格のような存在がアーロン・ジャッジでした。しかし、ポストシーズンでは高めのファーストボールと低めのブレーキングボールを上手く使われたこともあり、4本の本塁打を打ったものの57打席で27個の三振を喫しています。

ワールドシリーズ進出を争うことになる可能性の高いドジャースとカブスの2球団ですが、レギュラーシーズンでの対戦はポストシーズンにおけるパワーバランスにも影響を与える可能性がありますし、場合によってはメジャー全体のトレンドにも及ぶこともありそうです。

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