カブスの先発ローテは「MLB最強」の予想から「悩みのタネ」に・・・米専門誌が解決策を提言

Chicago Cubs Top Catch

シカゴ・カブスはワールドシリーズのタイトルを奪還するために、先発ローテ補強として2017年シーズン中にホセ・キンタナ、そのシーズンオフにはダルビッシュ有、タイラー・チャットウッドらを獲得しました。

その結果、カブスの先発ローテは、ジャスティン・バーランダー、ダラス・カイケル、ゲリット・コールが並ぶアストロズ、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグを擁するナショナルズ、ジェイコブ・デグロム、ノア・シンダーガードをトップ2にもつメッツらと並ぶ、メジャー屈指のものとなったと評価されました。

しかし、実際にシーズン開幕を迎えると、期待とは大きく異なりチームの浮上を押し止める原因となり、悩みのタネとなりつつあります。

スポンサーリンク

カブスを押し留めているのは3人の先発投手?

シカゴ・カブスは29勝22敗と悪くはない出だしなのですが、積極的な補強をシーズンオフに行ったブルワーズが35勝21敗、カージナルスが29勝23敗と接近していて、戦力的にも拮抗しています。

ダルビッシュ有との契約は、この両チームの戦力補強に対抗するような動きだったのですが、先発ローテは補強した3人がつまずき上手く機能していません。

以下はアメリカのスポーツ専門誌であるスポーツ・イラストレイテッド誌のトム・ダーデュッチ氏の記事からの引用です。

Here’s what is wrong with Chicago: Yu Darvish, Jose Quintana and Tyler Chatwood. Three of their starters induce sweaty palms every time they take the mound. Full stop. Nothing else matters like the failure of these three starters.

カブスは1点差ゲームで5勝9敗、得点圏打率が低い(.228)盗塁が少ない(18個)などの課題がありますが、それでも攻撃陣は両リーグの上位にランクされていますので、十分な得点を供給しています。

ダーデュッチ氏はこのような事実を提示した後、これらは問題ではあるものの、「ダルビッシュ有、ホセ・キンタナ、タイラー・チャットウッドの3人の先発投手以上の問題ではない」と述べています。

Darvish, Quintana and Chatwood have started 28 of Chicago’s 50 games. Together they average 5.0 innings per start, 5.9 walks per nine innings and a 4.60 ERA. They are the reason why the Cubs have the highest walk percentage in the National League. Ever hear of a team that walks more batters than anybody else in the league getting to the postseason, nevermind making a run? Neither have I.

カブスの50試合のうちダルビッシュ、キンタナ、チャットウッドの3人が28試合で先発登板しています。その3人の合計した成績は平均で投球回は5イニング、与四球率(9イニングあたりの平均与四球)は5.9、防御率4.60となっています。この3人の与四球が非常に多いことが影響し、ナ・リーグでワーストの与四球率となっていることをダーデュッチ氏は紹介した後、「最も与四球を出しながらも、得点をとることで、ポストシーズンに進出したというチームを耳にしたことはあるか?私もない」と問題を指摘しています。

さらに記事では3人それぞれの抱えている課題、さらには解決策について言及しています。その内容の要約は以下のとおりとなっています。


1. ダルビッシュ有:右上腕三頭筋腱炎で故障者リストいりしたが、それが単なる疲労なのか、それともより大きい問題なのかはわかない。彼のボールの質は良いのだが、配球と逆境に瀕した時に簡単に崩れしまうのは大きな問題だ。ダルビッシュは相手打線が3巡目になったときの被OPSが1.405でリーグワーストとなっている。

→ 問題を解決するには「手始めとして、ランナーがいない時もセットで投げるのをやめる」ことを提案。グローブにゆっくりとボールを入れながら握りを変える習慣は、ワールドシリーズでアストロスが示したように「球種を見破る際のヒント」になりやすいから。

2. ホセ・キンタナ:打者が3巡目になった時の被OPSが1.185でリーグワースト4位となっている。与四球率(9イニングあたりの平均与四球)と奪三振率ともに悪くなっていて、キャリアワーストのペース。クオリティ・スタートはわずかに4回で、しかも2試合連続でのものは一つもない。カブス移籍後の24試合の防御率は4.14で、ア・リーグ移籍前の3.51から落ちている。ア・リーグからナ・リーグに移籍した後に数字を落とす珍しいケースとなってしまっている。
平均以下の球速(91.1マイル)と回転数(22029)で、被打率.299と効果的できないフォーシームを48%と多く投げすぎている。特に打者有利のカウントで投げた時に被打率.414、被長打率.793と打ち込まれている。

→ 問題を解決するには「フォーシームよりもシンカーの割合を増やし、これまでファーストボールを使っていたカウントではカーブを使うべき」。

3. タイラー・チャットウッド:注目を浴びない立場から、いきなり大きな舞台に立つことになった投手が味わう昔ながらの苦しみのようにも見える。問題となっているのは「ストライクを投げることができない」ということだ。フォーシームとシンカーの5割近くがボールになり、ストライク率は54%と低い。もともと平均以下のストライク率だった投手だが、それにしても現在の状態はひどく、変則な投球フォームは助けとなっていない。

→ 問題を解決するには「ダルビッシュがローテに戻ったら、先日の先発で好投したマイク・モンゴメリーとロングリリーフの役割を入れ替えるべき」


シカゴ・カブスは、以前のようにファームの選手層が厚いわけではありません。以前は多くの選手が各メディアによるプロスペクトランキングのトップ100に入っていました。

しかし、2018年シーズン開幕前の評価ではベースボール・プロスペクタスが2Aのアドバート・アルゾレイ(Adbert Alzolay)を95位にランクしただけで、MLB公式サイト、ベースボール・アメリカの両媒体は一人もトップ100にランクしませんでした。

トレードではインパクトのある補強をできない状態になったことが、ダルビッシュ有に6年1億2600万ドル、タイラー・チャットウッドに3年3800万ドルとFA市場で大金を費やすことを後押ししています。

この3人が働いてくれるかどうかは、カブスの2018年だけでなく、中長期的な戦略にも大きな影を落とします。

カブスはチーム再建期のドラフト指名で徹底的に野手を指名したため、投手のプロスペクトが乏しい状況が続いています。これからのドラフト指名では投手の指名が増える可能性がありますが、育成には時間がかかりますので、その間をつなぐ必要があります。

カブスの先発投手の契約は、ダルビッシュ有が2023年まで、オプションを含めるとジョン・レスターが2021年まで、まで、ホセ・キンタナ、カイル・ヘンドリックス、タイラー・チャットウッドの3人が2020年までとなっています。

若い選手の育成をする時間を稼ぐと同時に、2020年までワールドシリーズを狙い続けることができる先発ローテを作るためにトレード、FAでダルビッシュ有、ホセ・キンタナ、タイラー・チャットウッドをカブスは獲得しています。この3人が機能しないと、このような構想を見直し、新たな策を打つ必要に迫られます。

故障などで構想が崩れることは珍しいことではありませんので、カブスのフロントは何かしらのバックアッププランも用意しているものと考えられます。ただ、この3人のために費やした金額と交換要員のプロスペクトの質を考えると、望ましくはない状態が続くことに変わりはありません。

ダルビッシュ有、ホセ・キンタナ、タイラー・チャットウッドが期待したように働いてくれるかどうかは、2018年だけでなく、数年にわたりナ・リーグ中地区のパワーバランスに影響を与えることになります。カブスのフロント、現場の首脳陣がとのように立て直していくのか注目されます。

スポンサーリンク

フォローする

よく読まれています