シカゴ・カブスは呪いを打ち破りワールドシリーズ制覇を果たしたものの、セオ・エプスタイン社長が率いるフロント陣が目指している継続的な成功です。
野手では期待される選手の層が厚いカブスですが、投手に関しては外部からすでに実績を残した選手を獲得することを好んでいます。
そのカブスにとって課題となっていたのがアロルディス・チャップマンがFAとなったクローザーの問題でした。
そのチャップマンの穴をFA市場ではなくトレードで埋めるようです。
FOXスポーツのケン・ローゼンタール記者が以下のようにツイートしています。
Sources: #Cubs close to acquiring Wade Davis from #Royals for Jorge Soler.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2016年12月7日
関係者からの情報として、カブスがホルヘ・ソレアを交換要員として、クローザーのウェイド・デービスを獲得するトレードが合意間近だと伝えています。
そしてUSAトゥデイのボブ・ナイチンゲール氏がトレードは基本的に合意し、現在はメディカルの情報をチェックしていて、正式な発表は現地時間の12月7日の朝になるようだと伝えています。
The #Cubs and #Royals have a deal: OF Jorge Soler to #Royals for Wade Davis. Teams examining physicals. Will be announced in morning
— Bob Nightengale (@BNightengale) 2016年12月7日
ウェイド・デービスは7年3510万ドルの契約が2017年シーズンで終了します。さらに2017年の年俸は1000万ドルと市場規模が小さく予算総額を削減するスタンスのロイヤルズが放出する可能性が高まっていました。
ウェイド・デービスを放出するロイヤルズは、この後はケルビン・ヘレーラをクローザーに回すことが濃厚です。
カブスにとってはポストシーズンにも強いウェイド・デービスの獲得は大きな補強となるのですが、懸念材料をあげるとすれば2016年の故障離脱と来季絵で31歳になる年齢です。
ウェイド・デービスは2015年シーズン途中に故障で離脱したグレッグ・ホランドに代わってクローザーを務め、67.1回で防御率0.94/奪三振78/WHIP0.79という圧倒的な成績で、ロイヤルズのワールドシリーズ制覇に貢献しました。
2016年も引き続きクローザーを務めたものの7月27日から9月1日まで長期間にわたり戦線を離脱しました。
そのため登板は45試合43.1回にとどまったのですが、防御率1.87/27セーブ/奪三振47/WHIP1.13という成績を残しました。
ただ、復帰した9月の成績は9回2/3で防御率2.79/奪三振15/WHIP1.24と、サンプルサイズが少なくはあるのですが、やや数字が悪くなっていることと、肘の問題での長期離脱だったことが、カブスにとってはリスクとなりそうです。
それでもロイヤルズでブルペンに固定されてからのポストシーズンでは、25イニングで防御率0.36/奪三振38/WHIP0.76と圧倒的な成績を残していることは、ワールドシリーズ連覇を狙うチームにとっては大きな魅力となります。
ホルヘ・ソレアはファーム時代にMLB全体でも高く実力を評価され、2015年開幕前のプロスペクトランキングではベースボール・アメリカが12位、MLB公式サイトが22位、ベースボール・プロスペクタスが19位にランクされていました。
ただ、メジャーでは211試合で打率.258/出塁率.328/長打率.434/OPS.762と結果を残せませんでした。
さらにカブスはレフトにカイル・シュワーバー、ライトにジェイソン・ヘイワード、センターにはFA市場で獲得したジョン・ジェイ、さらにはプロスペクトして評価されてきたアルバート・アルモーラ・ジュニアもいるなど、ソレアの出場機会は限定されることが確実でした。
また中長期的にもMLB全体でもトップ30にランクされるほど評価されているエロイ・ジメネスらが1Aにいることもあり、ソレアを放出するハードルは高くありませんでした。
ウェイド・デービスの獲得で、再びヘクター・ロンドンをセットアップに戻すことができることになりますので、ワールドシリーズ連覇に向けて、必要なピースは揃いつつあるシカゴ・カブスです。