ジャイアンツのハーパー獲得の目的は?「チーム再建」への布石の可能性も

ファーハン・ザイディ氏をベースボール・オペレーションのトップに据えるだけでなく、巨大な権限を与えることで、覇権復活を目指すことになったジャイアンツです。

高齢化したロースター、膨れ上がった年俸総額、層の薄いファーム、近年の低迷など、「再建」に踏み切る要素が揃っています。ザイディ氏を招聘したのは、その再建の指揮をとってもらうためだと目されていました。

実際にシーズンオフはFA市場やトレード市場でも積極的な補強を見せることはなく、再建への準備をしているかに見えました。

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チーム再建と大型契約はマッチするのか?

しかし、突如として2月に入り、10年、3億ドル以上を希望するブライス・ハーパーの獲得に乗り出したため、驚きの声も上がりました。

バスター・ポージー、マディソン・バムガーナーといった主力とともに覇権奪回を目指すための動きというように捉えるのがオーソドックスな受け止め方です。しかし、ジャイアンツは勝負にこだわるだけでなく、再建の時期を乗り切るために、ブライス・ハーパーに動いているのではないかと予想する声もあります。

MLBネットワークのインサイダーで、ニューヨーク・ポストの名物記者であるジョエル・シャーマン氏が以下のように話したことが伝えられています。

However, MLB Network insider Joel Sherman suggests that signing Harper could be a “middle-ground move” that keeps the club relevant while Zaidi reconstructs the roster.

「ハーパーとの契約は、ザイディ氏がロースターを再構築する間、球団が関係性を保つための『妥協策』ではないか」との可能性を示唆しています。

“I wonder if the Giants are in this right now because they looked left and right and said, ‘Well, Bryce Harper’s still out there.'” Sherman said Monday on MLB Network’s “Hot Stove” program. “‘Should we at least put our toe in the water and see if we can do this at a level that we like? Because he’s young enough to be part of our next good team, and he’s star enough to keep our fans interested in the painful period that’s likely to come over the next two to three years.'”

「周りの状況を見回したところ、まだブライス・ハーパーが移籍市場に残っているという現実が確認できた」。それを受けて、「納得できるレベルで契約できないか、少なくとも慎重に事を運んでいくべきではないか」とジャイアンツ側は考えたのではないかとシャーマン氏は述べます。

ブライス・ハーパーは若いため、数年の大規模な再建を経ても、フランチャイズの顔、チームのコアとして期待することができること。そのような年齢的なことに加えて、ファンを引き止めるために十分なスタープレイヤーであること、などを理由としてシャーマン氏は説明しています。

他のプロスポーツへのファン流出阻止も課題

このようなファンを引き止める策を必要とするのは、メジャーリーグ内での事情というよりも、他のプロスポーツとの兼ね合いがあるからだと、さらにシャーマン氏は考えます。

“When you’re in a market like San Francisco, where you’re selling out every day, where TV ratings do matter, where you’re in competition with the 49ers and the championship Warriors, you want to make sure you don’t bleed out in the two- or three- or four-year period where they’re [rebuilding].”

同じマーケット内に、バスケットボールではゴールデンステイト・ウォリアーズ、アメリカンフットボールではサンフランシスコ・フォーティナイナーズがあります。

特にゴールデンステイト・ウォリアーズはNBAファイナルを連覇するなど、結果を残していますので、長期間の再建は、ファンがそちらのスポーツに流出してしまうリスクを高めます。

そのような事態を避けるために、スター性が抜群のブライス・ハーパーを獲得し、ファンをつなぎとめようとする意図もあるのではないかということです。

理想は72勝90敗で終わった1992-93年シーズンオフに、バリーボンズと契約した93年に103勝した時の再現であることは間違いありません。

ただ、それができなくてもファンをつなぎとめることができ、数年先にワールドシリーズ制覇を果たす時のコアになってもらえるのであれば、マーケットの規模を考えれば、巨額投資であっても十分に元を取れてしまうのも事実です。

ジャイアンツ側は10年といった長期契約ではなく、より短い期間での契約を希望しているとも伝えられています。

ブライス・ハーパー争奪戦は、当初に予想されたほどにはヒートアップしていません。ジャイアンツの目論見通りに事が運ぶことも十分にあると言えます。

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