コール・ハメルズが引く手あまたに!先発投手の故障と不調に直面する有力チームが続出

MLBでトップクラスの左腕が優勝を狙っていないチームで投球を続けていることに対する批判と疑問の声は少なくありません。

コール・ハメルズをトレードに出さなかったフィリーズのルーベン・アマロGMは、メディアやファンからもからかわれるような論調がありましたが、ここのきてその絶好の時を迎えつつあるようです。

地区優勝、ポストシーズンを狙えるチームで、なおかつ資金が豊富でプロスペクトの層が厚いチームの先発投手陣の主力の不調と故障が相次いでいるためです。

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コール・ハメルズがフィットすると考えられるチームとは?

セントルイス・カージナルスはエースのアダム・ウェインライトが左足のアキレス腱断裂で今季絶望となってしまいました。カージナルスのモゼリアックGMは当面は内部からのオプションを模索していくようで、プロスペクトのマルコ・ゴンザレス、故障から回復途上にあるハイメ・ガルシアらが有力な穴埋め候補となります。

ただ、2年間で39勝18敗という圧倒的な成績を残したエースの穴を埋めるのは容易ではなく、さらに2年468イニングを投げていますので、そのイニングを埋める必要もあります。

今シーズン開幕から先発として安定した投球を見せているカルロス・マルティネス(26.0回・防御率1.73)とマイケル・ワカ(26.0回・防御率2.42)は、それぞれ1シーズンに150イニングと180イニングしか投げたことがない投手です。

元々、この2人にはイニング制限をかける予定でしたが、シーズン終盤からウェインライトの故障が発覚した後も、その方針は変わらないとされています。そのためこの2人にそのままウェインライトのイニング数を負担してもらうわけにもいかないという現状です。

モゼリアックGMも、当面は内部からのオプションを試していくものの、外部からの補強に動く可能性も同時に示唆しています。以前に比較すればプロスペクトの層は薄くなったものの、それでも質の高い選手をファームに抱え、資金面でも余裕があるとされてるカージナルスのため、必要であれば獲得に動ける状態ではあります。

ボストン・レッドソックスは投手陣全体の防御率が5.04で両リーグ最下位、さらに先発投手陣に至っては6点台が目前の防御率5.75という惨状です。

ジョー・ケリー(23.2回・防御率4.94)、ジャスティン・マスターソン(22.2回・防御率5.16)、リック・ポーセロ(32.0回・防御率5.34)、クレイ・バックホルツ(25.0回・防御率5.76)、ウェイド・マイリー(15.2回・防御率8.62)という先発投手陣の状態で、先発投手が1人ではなく、2人補強しないといけないと言われる状態です。

レッドソックスはムーキー・ベッツ(外野手)とブレイク・スウィハート(捕手)の2人は絶対に出さない方針だと言われていますが、それ以外のヘンリー・オーウェンズ、ブライアン・ジョンソンなどプロスペクトの層が厚く、フィリーズが先の2人へのこだわりを捨てれば、十分に質の良いプロスペクトを2-3人は獲得できると予想されています。

両リーグ2位の22試合で113得点をたたき出している打線によって何とか、12勝10敗と貯金を作っているものの、シーズン中盤から終盤に向けて不安材料となっています。投手陣全体の状態からしても、一番、コール・ハメルズを必要としているといえるのがレッドソックスです。

トロント・ブルージェイズは、先発ローテを予定していたマーカス・ストローマンが左膝の負傷により今季絶望となったのですが、その穴を埋めるような補強をせずに、内部でのやりくりで補っていくという方針でシーズンをスタートしました。

しかし、レッドソックスを上回る22試合で117得点を挙げ、両リーグトップの得点力を誇る打線を有しているものの、防御率4.96が両リーグ29位、先発投手陣の防御率5.33が両リーグ28位と先発投手陣が特に低迷しています。

ダニエル・ノリス(防御率4.43/WHIP1.43)、マーク・バーリー(防御率4.94/WHIP1.73)、アーロン・サンチェス(防御率5.03/WHIP1.68)、R.A.ディッキー(防御率5.23/WHIP1.35)、ドリュー・ハッチソン(防御率6.67/WHIP1.52)と非常に不安定で、打線の援護を活かしきれていません。

ブルージェイズの場合に問題なのは予算に余裕がないことで、ハメルズを獲得するためにはフィリーズに年俸を負担してもらうことが必要です。そうなると交換要員の質を良くする必要があります。

プロスペクトの放出には慎重だったアレックス・アンソポロスGMなのですが、USAトゥディの記事ではフィリーズのアマロGMが、ブルージェイズからハメルズに関するコンタクトがあることをほのめかしています。

期待していた若い投手のパフォーマンスもイマイチのため、出血を覚悟で動くことも否定出来ないと言えそうです。

ロサンゼルス・ドジャースはシーズンオフのFA補強で一番の大金を注いだたブランドン・マッカーシー(4年4800万ドル)が右肘のトミー・ジョン手術をうけることになり、今季絶望となると同時に、来季のオールスター前後までチームに戻らなことが濃厚となりました。

さらに先発ローテ3番手の柳賢振がいまだ完全に復帰のメドが立っていない状態です。元々、先発投手は故障がなければ質が良いとされていましたが、すでに2枚足りない状況である上に、ブレット・アンダーソンが4試合19.2回で防御率5.49と不安定です。

ドジャースのアンドリュー・フリードマン社長は、チームそのものは好調で13勝8敗で首位を快走していることもあり、マイケル・ボルシンガーやスコット・ベイカーを昇格させるなどにとどめ、現時点での大型補強には慎重なスタンスです。現在は柳賢振がどれくらいで戻ってこれるのかを見きわめている状況で、6月になっても見通しが立たない、再度故障が悪化するなどがあれば、積極的に動く可能性はあるという状況です。

シーズンオフにドジャースはコール・ハメルズに興味を示し、フィリーズと話をしていましたが、フィリーズがジョク・ピーダーソン、コーリー・シーガー、フリオ・ウリアスというトップ3ペロスペクトを要求したためトレード交渉が頓挫しています。

すでに2億7000万ドルの年俸総額となっていますが、まだ資金面で余裕があるとされていますし、ザック・グレインキーが今シーズン終了後にオプションを行使してFAとなり、チームを去る可能性が高いので、2015年を含めた4年9400万ドルの契約が残るハメルズに動く可能性はあります。

他には資金力とプロスペクトが豊富で、先発投手が必要なテキサス・レンジャーズシカゴ・カブスなどの名前が上がってます。

テキサス・レンジャーズもシーズンオフにハメルズの獲得に興味を示したものの、フィリーズがレンジャーズ内でジョーイ・ギャロに続く、NO.2-3ペロスペクトのホルヘ・アルファーロ(捕手)、ノマー・マザラ(外野手)を要求したため、このトレード交渉も頓挫したと言われています。

レンジャーズはダルビッシュ、デレク・ホランド、マット・ハリソン、マーティン・ペレスという本来であればNO.1-4を形成すべき4人が離脱し、さらにニック・テペッシュも長期離脱している状態です。そのため先発投手が喉から手が出るほど欲しい状況ではあるのですが、デレク・ホランドが5月末頃、マット・ハリソン、マーティン・ペレスが6月に戻る見込みのため、そこまでは様子を見るようです。

またチーム自体が7勝14敗と低迷し、トレード期限前には「売り手」になる可能性があるため、コール・ハメルズの獲得に動く可能性は低いように見受けられます。

シカゴ・カブスはシーズンオフにジョン・レスターとジェイソン・ハメルと契約した後も、ジェームズ・シールズにコンタクトしていたと報じられています。資金力は豊富で、クリス・ブライアントとアディソン・ラッセルを出すことはないものの、ハビアー・バエズ、カイル・シュワバー、アルバート・アルモラといった選手なら応じるのではないかと見られています。

ただ、内部に先発できる投手のオプションもあり、ジョン・レスター(防御率6.23)が復調してくれば、ジェイク・アリエータ、トラビス・ウッド、ジェイソン・ハメルらは良い投球を続けていますので、プロスペクトを出してまでという切迫感はありません。

コール・ハメルズが多くのチームにとって魅力的な理由

コール・ハメルズが魅力的な理由は、MLBでも屈指の先発左腕で、かつタフであること、まだ31歳であること、残契約の年俸が現在のFA市場の相場を考えると悪くないこと、ポストシーズンの経験が豊富なこと、シーズン後半に成績が良くなるタイプの投手であること、などが挙げられます。

MLB屈指の左腕であることは多くの人が認めるところで、しかも5年連続200イニング以上、7年連続で30試合以上に先発するなど、身体も強い投手です。

残契約は、31歳から34歳までの4年総額9400万ドル(5年目チームオプション2000万ドル/自動更新オプション2400万ドル/バイアウト600万ドル)で、5年目のチームオプションを破棄する場合に、600万ドルを支払うことになるため、最低でも4年1億ドルが必要となります。

この金額だけ見れば高額ではあるのですが、ハメルズのパフォーマンスに加えて、レスターの6年1億5500万ドルやシャーザーの7年2億1000万ドルと比較すれば、悪い契約ではないと考えられます。

ポストシーズンでは13試合81.2回を投げ、防御率3.09/WHIP1.05と結果を残し、特に2008年のワールドシリーズ制覇の際には、防御率1.80/WHIP0.91と素晴らしい成績を残してて、大舞台での強さもあります。

また、ハメルズはシーズン終盤に成績が良くなる傾向があり、昨シーズンは6月以降は23試合に先発し防御率1.91、キャリア通算でもオールスター後の成績は防御率2.93/47勝33敗という素晴らしい成績で、これらの数字を打者有利で知られるシチズンズ・バンク・パークを本拠地としながら残しています。

ポストシーズンが狙えるチームを、ワールドシリーズが狙えるチームに変えるだけのインパクトをもたらすことができる数少ない投手の1人であるコール・ハメルズです。

コール・ハメルズはトレード拒否権を持っているのですが、9球団はそのリストから外れています。つまり、その9球団にはハメルズ本人の承諾なしにトレードができることになります。

その9球団のうち7球団が明らかになっていて、カージナルス、カブス、レンジャーズ、ドジャース、エンゼルス、パドレス、ヤンキースとされていて、レッドソックスは拒否できるような設定だと報じられています。

毎年、この拒否できるチームを設定しなおしているとのことですが、今シーズンはレッドソックスを外して、カブスを拒否対象外に設定したと報じられています。ただ、これはレッドソックスを嫌がっているのではなく、トレード交渉の際に、レッドソックスに5年目のオプション行使を確約させるためとも言われています。

ルーベン・アマロGMは、獲得できるプレーヤーの質次第では、コール・ハメルズの年俸を負担することは構わないと述べています。またブレーブスがクレイグ・キンブレルと抱合せでメルビン・アップトン(B.J.アップトン)の3年4650万ドルを引き取ってもらったように、クローザーのジョナサン・パベルボン(1300万ドル+自動オプション1300万ドル)をセットにすることも検討しているとされています。

つまりパベルボンを引き取ってくれれば、要求するプロスペクトの質を落とすことにも応じるということのようです。年俸の負担は増えますが、エースとクローザーを獲得できることになりますので、投手陣に不安があるチームにとって検討しても良いものとなりそうです。

今シーズン終了後にFAとなる投手が市場に出てくる7月末のトレード期限前ではなく、「今が売り時」との声が現地メディアの記者からもあがっているコール・ハメルズです。

アマロGMが、カージナルスのジョン・モゼリアックGM、ブルージェイズのアレックス・アンソポロスGM、レッドソックスのベン・チェリントンGMとすでにハメルズについて話をしていることをUSAトゥデイにほのめかしていますので、今後の動向が注目されます。