新労使協定(2017-2021)でのクオリファイング・オファー(Qualifying Offer)

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1. クオリファイング・オファーの概要

クオリファイング・オファー(Qualifying Offer)はFAとなる選手に、所属チームが「MLBの上位125選手の平均年俸額で1年契約を提示」するもので、その選手がこれを拒否して他チームと契約した場合に、ドラフト指名権を獲得できる制度です。

また拒否した選手と新たに契約を結ぶチームは、最低でもドラフト指名権を1つ失うことになります。

労使協定(Collective Bargaining Agreement)が、新たに2017年-21年の5年間にわたり、MLB機構側と選手会の間で結ばれ、それに伴いクオリファイング・オファーのルールも変更されています。

2. クオリファイング・オファーの対象となる選手

以下のような条件を満たしている選手が、クオリファイング・オファー(QO)の対象となります。

【QOの対象となる選手】

  1. 過去にクオリファイング・オファーを提示されたことがない。
  2. シーズン全体に渡ってそのチームのロースターに登録されている(シーズン中に移籍した選手は対象外)。

このクオリファイング・オファーを提示された選手は、10日間の間に受諾するから拒否するかを選択することに。

3. クオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得したチームが失う指名権

クオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得するチームはドラフト指名権を失うことになるのですが、以下のような条件によって失う内容が変わります。

【QOを拒否した選手を獲得したチームが失う指名権】

  • 前シーズンにぜいたく税の基準を超過

    → 「上位2番目と5番目の指名権」と「インターナショナル・ボーナスプールの100万ドル」を失う。もう一人同様の選手と契約した場合には3番目と6番目の指名権を失うことに。

  • レベニュー・シェアリングの対象

    → 「上位3番目の指名権」を失う。もう一人同様の選手と契約した場合には4番目の指名権を失う。

  • 前シーズンにぜいたく税の基準内で、レベニュー・シェアリングの対象外

    → 1巡目より後に保有する指名権の「上位2番目の指名権」と「インターナショナル・ボーナスプールの50万ドル」を失う。もう一人同様の選手と契約した場合には3番目の指名権を失うことに。

*インターナショナル・ボーナスプールとは、25歳以下の米国外の選手と契約する際の契約金の上限金額。超過するとペナルティが課される。
*レベニュー・シェアリングとは、リーグの利益を分配する制度で、フランチャイズがある都市の規模による経済的的な不平等を軽減するためのもの。

4. クオリファイング・オファーを拒否されたチームが獲得できる指名権

クオリファイング・オファーを拒否されたチームが獲得できるものは、そのチームの経済状況と拒否した選手が新たに手にする契約に左右されることになります。

【QOを拒否されたチームが獲得できる指名権】

  • 拒否されたチームが「レベニュー・シェアリングの対象で、拒否した選手の新契約の総額5000万ドル以上」

    → 拒否されたチームは「1巡目と戦力均衡ラウンドAの間の指名権」を獲得できる。

  • 拒否されたチームが「レベニュー・シェアリングの対象で、拒否した選手の新契約の総額5000万ドルに満たない」

    → 拒否されたチームは「2巡目指名の後に行われる戦力均衡ラウンドBが終わった後の指名権」を獲得できる。

  • 拒否されたチームが「ぜいたく税の基準を超過」

    → 拒否されたチームは「4巡目の後の指名権」を獲得できる。

  • 拒否されたチームが「ぜいたく税の基準以下で、なおかつレベニュー・シェアリングの対象外」

    → 拒否されたチームは「2巡目指名の後に行われる戦力均衡ラウンドBが終わった後の指名権」を獲得できる。

なお、アマチュアドラフト会議が始まった後は、クオリファイング・オファーを拒否した選手と契約してもドラフト指名権を失うことはありません。

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