MLBの9月以降のアクティブロースター40人制は不公平?ボストングローブ紙は改正を提言

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メジャーリーグは9月1日からアクティブロースターが25人から40人に拡大するため、その8月31日の夜にかけて各球団は、どの選手をマイナーから昇格させるかなど多岐にわたる決断を行います。

そこまでは野手13人、投手12人という25人編成だった状態から、一気に40人に増えるため、バックアップ要員の野手、そしてリリーフ投手を多く抱えることができるため戦力をアップさせるチャンスであり、ポストシーズンのロースター編成にもつながるため重要な時となります。

このような9月のアクティブロースターの40人への拡大ですが、これが不公平ではないかとの見解が根強くあり、今回ボストンの有力メディアであるボストン・グローブが40人ではなく29人のほうが良いのではないかと提言しています。

ボストン・グローブ紙のニック・カファード氏は”MLB must address September roster expansion”というタイトルの記事でMLBは9月のロースターが拡大の問題について取り組むべきだと主張しています。

その記事の冒頭では以下のように書かれています。

There are always managers and general managers who rail against the current September roster system, which allows as many 40-man roster players as each team will allow.

MLB and the Players’ Association are currently in negotiations on a new collective bargaining agreement, and the September roster issue is on the table, according to a major league source familiar with the talks.

「現在のような9月にアクティブロースターが40人に拡大するロースター制度に対して激しく非難する監督やGMが必ずいる。」と現在の制度に批判的な見解が根強くあることを指摘します。

そして「現在はMLBとMLPA(メジャーリーグ選手組合)との間で新しい包括的労働協約(Collective Bargaining Agreement、以下CBA)の交渉が行われているが、この9月のロースターの問題が議題となっていると、交渉に詳しいMLB関係者からの情報を得た」と伝えています。

CBAでは現在選手側からの不満が多いFAの際のクオリファイング・オファーなどについても話しあわれているのですが、それとともに9月のロースター枠拡大についても検討されているということになります。

そこには現行のシステムが公平、平等ではないという声が少なからずあることが反映されていると考えられます。

ただ、現在のシステムに対して、全ての監督やGMを始めとするフロントが批判的なわけではありません。

そのことにニック・カファード記者は触れた上で、改正に賛成する立場としてレッドソックスのデーブ・ドンブロウスキー社長とオリオールズのダン・デュケットGM、現在の制度を維持すること同意する立場としてドジャースのスタン・カステン社長、ジャイアンツのブライアン・セイビアン上級副社長の見解を紹介しています。

4人はこの件についてニック・カファード記者に以下のように回答しています。

“I do think we need to equalize them,” said Red Sox president of baseball operations Dave Dombrowski. “There are many ways to do that.”

“Designate 30 active for each [September] game. That would be a good alternative,” said Orioles GM Dan Duquette.

“I may be an outlier, but I actually have no problem leaving things the way they are,” said Kasten.

Sabean also likes things the way they are because “it gives you more flexibility to be able to do what you want.”

デーブ・ドンブロウスキー社長は現在の制度を不公平だと考えているようで、「平等にする必要があし、その方法は多くある」と述べています。

同様の見解を持つのがダン・デュケットGMで「毎試合30人をアクティブロースターにするというのが良いと思う」と、現在は平等ではないので、30人に減らした方が良いと主張しています。

それと反対の立場であるドジャースのカステン社長は、「私は主流の見解からは外れているかもしれないが、私は今のままでも何も問題はない」と述べて、現状の制度を維持することを支持しています。

ブライアン・セイビアン上級副社長は同様に現在のシステムを気に入っていて、「自分がやりたいこをやるための柔軟性が大きくなる」と歓迎しています。

不公平と考える立場からすると、25人で戦うことを重視してメジャーロースターを編成してきたにも関わらず、9月になるとマイナーの層の厚さまで問われることになってしまうのは、不公平だということが、現行制度に反対するひとつの理由とになります。

逆に、現行制度を支持する立場からは、その9月以降も含めた戦略を考えていけば良いし、9月の戦いがより柔軟にできるので、現在のシステムで問題ないということが、支持する理由と考えられます。

では、ボストン・グローブはどのように考えているのか?となります。

これまでのような様々な見解を紹介した上で、ボストン・グローブ紙は9月以降のロースター制度を見直すことを主張し、ニック・カファード氏は29人制を提言しています。

I have proposed a 29-man roster where you deactivate the four starting pitchers who are essentially inactive on a particular day. This would give teams a true 25-man roster. It would eliminate the need to use positional players to pitch in blowout situations or extra-inning scenarios. It would eliminate the need to use a pitcher as a pinch runner, as Boston had to do in an interleague game against the Dodgers, costing Steven Wright a stint on the disabled list.

The expanded roster would truly reflect the needs of the modern-day game. Starting pitchers are throwing fewer innings and getting injured more often. The game has become bullpen-oriented, but managers are having to pitch their best relievers far too frequently because there simply aren’t enough relievers available with starting pitchers taking up five spots on the active roster.

長いので内容を要約すると以下の様なものとなります。

  • 先発投手は登板した後は休養し、最低でも4人はは出場できない選手になるので、それ以外に実際に試合に使える25人を登録できるようにする(4+25=29)
  • 枠を広げておけば延長戦や大量失点による敗戦処理に野手を投げさせる必要が無いし、スティーブン・ライトのように投手を代走として起用し、故障させるようなことも回避できる。
  • 枠の拡大は先発投手の故障が多く、投球回数を少なくしようとしている現在の状況からして必要。ブルペン重視の傾向の中で、先発投手が5枠も使っているので、良い投手をブルペンに多く抱えられず、特定の投手に過剰な負担がかかっているが、これを軽減できる。

投手の健康や野手に投手をさせるという事態を回避するためには枠は拡大する必要があるものの、現在は過剰に拡大しているため不公平になっている。

そのため故障などを回避するために、試合に出場できない先発投手4人分の枠を9月に広げるようにしたほうが良いのではないかということです。

現状では選手会側は選手がメジャー昇格する機会が減るため枠を減らすことには反対で、選手の年俸総額を抑えられるオーナー側は逆に枠を減らすことに賛成すると見られています。

9月のロースター枠拡大で戦力のバランスが変わることが面白みを増してくれるとも言えるのですが、最低限の予算と選手の人数でやりくりしながら戦ってきたチームにとっては不利であることは否定できません。

クオリファイング・オファーの扱いも気になる包括的労働協約(Collective Bargaining Agreement)の交渉ですが、一時は話題になった試合数の削減とともに、このロースター制度の見直しについて、その動きが注目されます。

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