セントルイス・カージナルスが先発ローテ6人制を検討しているその理由とは?

St.Louis Cardinals Top Catch

22勝9敗で勝率.710は両リーグ最高という成績で、ナ・リーグ中地区の首位を快走するセントルイス・カージナルスです。

そのセントルイス・カージナルスですが、不安材料がないわけではありません。メジャーでも5本の指に入るとの評価もあるエースのアダム・ウェインライトが今季絶望となっているためです。

そのためトレードでの先発投手の補強に動くのではないかとの予想をするメディアもあるものの、育成を重視するチームカラーもあり、まずは内部でのオプションを試していく方向性となっています。

ただ、アダム・ウェインライトの穴を埋めるのは簡単ではない上に、カージナルスのチーム事情もあるため、通常の先発ローテ5人制ではなく、6人制が検討されています。

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セントルイス・カージナルスが先発6人制導入を検討している理由

カージナルスのモゼリアックGMは以下のように話しています。

“It’s not something we would rule out,” Mozeliak said Saturday. “It’s something we’ve talked about, but we haven’t decided if that’s the best option for us. It’s something I think a lot about, and I know Mike and ‘Lilly’ do too. It’s on the table.”

管理人訳「6人制を導入すること可能性を私たちは否定しない。」と、モゼリアックは土曜日に話した。「それは私が話し合っていることではあるが、まだ何がベストの選択なのかについては結論を下していない。私は6人制について多くの検討をしていて、マイク(監督)、リリー(投手コーチ)も考えていることを知っている。それは検討中のことだ」

というように話していて、現場とフロントの両方で先発ローテ6人制を導入することについて検討していることを認めています。

では、なぜ彼らが6人制を検討しているのか?というその理由に関心が集まることになるわけですが、セントルイス・ポスト・ディスパッチのBernie Miklaszは“イニング数の問題だ”、と説明しています。

Bernie Miklaszは以下のように先発投手のイニング数をモゼリアックGMはアダム・ウェインライト、ランス・リン、ジョン・ラッキーの3人には200イニングを投げてもらって600イニング。若いマイケル・ワカとカルロス・マルティネスの2人には合計300イニングと計画していたと述べています。

この計画では900イニングにとどまり、通常先発ローテ投手がメジャーで投げるイニング数の合計の目安である1000イニング前後、マイク・マシーニーが監督になってからの平均である980イニングにも届きません。

そこでシーズン開幕前から、マイケル・ワカやカルロス・マルティネスらがポストシーズンでも投げることができるように、他の投手を先発させることで、彼らのイニング数をセーブすると同時に、先発投手の合計が1000-980イニングに到達するように調整する方針でした。

しかし、そのプランもアダム・ウェインライトが離脱することで、さらにイニング数が足りなくなり、計画を大幅に見直す必要が生じることになりました。

常勝チームとなりつつあるカージナルスにとって地区優勝は最低条件で、重要な課題はワールドシリーズ制覇です。

エースのアダム・ウェインライトが今季投げれなくなってしまった今、2015年シーズンに好調(防御率2.09/5勝0敗)で、2013年のポストシーズンに活躍(防御率2.64/4勝1敗/WHIP0.91)したマイケル・ワカが、ポストシーズンで投げれるだけのイニング数を残しておくことも重要になります。

特にマイケル・ワカは昨年の夏に肩の故障で長期離脱したため、なおさらカージナルスのフロント陣は、一気にイニング数を増やすことに慎重です。

このような理由で、マイケル・ワカとカルロス・マルティネスのイニング数を減らすために6人制を導入することが検討されているという状況です。

ただ、6人制にもデメリットがあるため、5人制を維持しながらスポット先発を利用し、先の若い2人のイニング数を減らすことも検討されています。

先発6人制と5人制のそれぞれのメリットとデメリット

現在検討されている選択肢は大きく以下の2つだと、Bernie Miklaszは述べています。

  • 6人制:ハイメ・ガルシアとマルコ・ゴンザレスをローテに入れて穴を埋める。ガルシアは健康に不安があるので、難しければタイラー・ライオンズが3Aの若い投手を入れる。
  • 5人制:ランス・リンとジョン・ラッキーは中4日で投げ続け、残りの3人はガルシア、ワカ、マルティネスが基本も、随時、マルコ・ゴンザレスや3Aの投手と入れ替えながらワカ、マルティネスを休ませる。

という2つのプランなのですが、メリットとデメリットがあるため、カージナルス首脳陣も何がベストを検討している状態です。

そのことについてモゼリアックGMは「6人制にすることで投手を故障から守ることができるメリットがある」と話す一方で、デメリットとしてベテランで「中4日を好んでいるランス・リンとジョン・ラッキーのリズムやルーティンを壊してしまう可能性」を話しています。

その一方で5人制を維持すれば後ろの3人の枠を健康に不安があるハイメ・ガルシア、若いマイケル・ワカ、カルロス・マルティネス、マルコ・ゴンザレス、タイラー・ライオンズ、3Aの投手で埋めることになり、ジョン・ラッキーとランス・リンはこれまでどおりの間隔で登板ができます。

また他にも6人制を導入することのデメリットとして、先発投手を5人から6人に増やすことで、リリーフ投手もしくはベンチ要員を1人減らす必要に迫られ、選手起用に柔軟性が失われることや、質の高い投手の登板試合数が減ってしまうこと、などが挙げられます。

以下のデータは2010年から2014年にかけてのメジャーリーグの先発投手の登板間隔毎の成績をまとめたデータです。

Major League 2010-2014 Starting Pitchers Data

このデータによるとメジャーリーグで一番多い登板間隔が11855試合の中4日なのですが、防御率は4.00と中5日の4.04、中6日の4.15を上回る数字を残しています。さらには被打率、完投率、先発毎の平均投球回数も中5日とほぼ変わらない数字になっています。

このようなデータを見ると中4日によって投手のパフォーマンスが落ちるとは必ずしも言えない上に、中4日を好んでいる優秀な投手は中4日で起用したほうが、チームの勝率を高める上で、良いという判断につながるためです。

優秀なカージナルスのフロント陣と現場首脳陣の手腕に注目

2012年にマイク・マシーニーがカージナルスの監督になってからの3年間の先発投手の人数と投球イニング数、そしてアダム・ウェインライトの投球回数とその占める割合は以下のとおりとなっています。

  • 2012年:989.1回8人(198.2回/20.1%)
  • 2013年984.1回10人(241.2回/24.6%)
  • 2014年969.1回12人(227.0回/23.4%)

先発した投手の人数に比較すると、アダム・ウェインライトが投げていたイニング数が大きな割合を占めていることがわかります。

そしてアダム・ウェインライトは直近2年間で39勝18敗(勝率.684)と勝利数でも大きく貢献していますので、、チームにとって非常に大きな柱であったことがわかります。

セントルイス・カージナルスは野球運営に関して、MLBで最も優れたチームの一つとして名前が上がることの多い優秀なチームです。

このカージナルスのフロント、現場の首脳陣がどのようにやりくりをして、チームを勝利に導いていくのかは、非常に興味深いものとなりそうです。