レッドソックスが、ウィンター・ミーティング前はおろか、サンクスギビングデー前にFA市場の大物2人を獲得することに成功しました。
この2人の契約は確定している金額ではサンドバルが9500万ドル(112億円)、ラミレスが8800万ドル(103億円)で合計1億8300万ドル(215億円)となります。
そして両者ともに、もう1年オプションがついていますので、それが有効になった場合には、サンドバルが1億700万ドル(126億円)、ラミレスが1億1000万ドル(130億円)となり、合計すると2億2700万ドル(267億円)となります。
また上原浩治との再契約でも2年1800万ドルを費やしていますので、すでに最低でも2億100万ドル、最大では2億4500万ドルを投資したことになります。
ただ、それでもレッドソックスは資金を注いで、チームを強化することに意欲を見せています。
ハンリー・ラミレスとパブロ・サンドバルの獲得で年俸総額はぜいたく税ラインに到達か
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2015年11月26日現在で、ボストン・レッドソックスが2015年の契約として確定している選手と年俸は以下のとおりとなっています。
選手名 | 金額 |
---|---|
ハンリー・ラミレス(31歳・LF) | $19,000,000 |
パブロ・サンドバル(29歳・3B) | $17,000,000 |
マイク・ナポリ(33歳・1B) | $16,000,000 |
デビッド・オルティーズ(39歳・DH) | $16,000,000 |
シェーン・ビクトリーノ(34歳・LF) | $13,000,000 |
ダスティン・ペドロイア(31歳・2B) | $12,500,000 |
クレイ・バックホルツ(30歳・SP) | $12,000,000 |
ルスネイ・カスティーヨ(27歳・OF) | $11,271,000 |
ヨエニス・セスペデス(29歳・LF) | $10,500,000 |
上原 浩治(40歳・CL) | $9,000,000 |
アレン・クレイグ(30歳・LF) | $5,500,000 |
エドワード・ムヒカ(31歳・RP) | $4,750,000 |
これらの選手の金額を合計すると総額で1億4652万ドルとなります。ここにラミレスとサンドバルの契約金の合計600万ドル、年俸調停権を有する田澤純一とダニエル・ナバの2人の想定年俸分の400万ドルが加わることになります。
ここにMLB最低年俸の選手とシーズン中に昇格する選手のための年俸が必要で900万ドル程度が見こまれ、さらに保険などの1250万ドルの支払いが加わります。
これらの金額を合計すると、2015年の年俸総額はすでに1億7750万ドルにが達していると考えられます。
そしてこれで終わりではありません、シーズン中の補強やインセンティブで年俸総額はさらに増えていくことになります。
そのため、ぜいたく税のラインはまだ明らかにされていませんが、1億8900万ドルであると想定すると、2人の獲得でほぼぜいたく税のラインに達していると考えられる状況です。
それでもジョン・レスターには6年で1億1000万ドルから1億2000万ドルを提示していて、年平均では2000万ドルという年俸ですが、そこからさらに上積みをする意志も示し、獲得競争から手を引く気配はありません。
レッドソックスのオーナーも球団幹部もさらなる投資にゴーサイン
ハンリー・ラミレスとパブロ・サンドバルの両者の契約成立後に、ベン・チェリントンGMは、これからはトレードかFAになるかはわからないが、投手の補強に集中すると語あるなど、手を緩める気配はありません。
それはオーナーであるジョン・ヘンリーも同様で、「ぜいたく税のラインが越えることが当たり前になるのは問題だが、良い先発投手を確保するために、1年だけ越えるのは構わない」と述べています。
その理由として「2015年シーズン終了後には、再び予算に柔軟性が生まれるからだ」とジョン・ヘンリーは述べています。
では、なぜ1年後には予算に柔軟性が生まれているとジョン・ヘンリーが語っているのか?ということなのですが、来季終了後に契約がきれる選手とその年俸を見ることで理解できます。
仮に今いるすべての選手をトレードしなかった場合には、2015年シーズン終了後にFAとなる選手は以下のとおりとなっています。
- マイク・ナポリ(1600万ドル)
- デビッド・オルティーズ(1600万ドル)*オプションあり
- シェーン・ビクトリーノ(1300万ドル)
- クレイ・バックホルツ(1200万ドル)*オプションあり
- ヨエニス・セスペデス(1050万ドル)
- エドワード・ムヒカ(475万ドル)
デビッド・オルティーズは2016年の契約は1000万ドルのチームオプションがついていますが、今までの貢献度を考慮すると、よほどパフォーマンスが落ちない限り、行使されると予想されます。
レッドソックスがオプションを行使した場合でも、年俸が下がりますので、最低でも600万ドルは削減でき、行使しない場合には1600万ドルを減らすことができます。
バックホルツは2016年は1300万ドルのチームオプションですが、2014年のようなパフォーマンスであれば、破棄されることが確実です。
デビッド・オルティーズのオプションを行使したと仮定した場合でも、2015年の年俸総額から6225万ドル余りを削減することができます。
FAのビッグ3であるジョン・レスター、ジェームズ・シールズの2人と、アンドリュー・ミラーを獲得した場合でも、予算的には6000万ドルもあれば対応できると考えられます。
そのため2015年に仮に6000万ドルを超過したとしても、2016年にはぜいたく税のラインよりも年俸総額を下げることが可能です。
ぜいたく税は1年だけの超過では、年俸総額で超過した部分の17.5%を支払えばよいのですが、2年連続で超過する30%、3年連続で40%、4年以上の連続は50%と上昇していきます。
仮に2015年に6000万ドルを超過したとしても、レッドソックスは2014年にぜいたく税のラインを超過していませんので、17.5%の1050万ドルの支払いですみます。
その程度の金額であれば、ワールドシリーズ制覇のために1年だけ支払うことは許容範囲内ということで、オーナーも、球団幹部もゴーサインを出しているということのようです。
FAの補強では、ジョン・レスター、ジェームズ・シールズ、そして状況に応じてマックス・シャーザー、バックエンドのローテ投手としてジャスティン・マスターソン、トレードではコール・ハメルズ、イアン・ケネディなどの名前が上がっています。
レッドソックスの本気を感じさせる2014年シーズンオフとなっています。
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