トロント・ブルージェイズの顔、主砲、そして人気面でも大きな貢献度を誇っていたホセ・バティスタとエドウィン・エンカーナシオンです。
その両者がFAとなったシーズンオフですが、すでにエドウィン・エンカーナシオンがインディアンスと契約したことで、そのうち1人は失うことが確定しました。
しかし、残るホセ・バティスタとの再契約の可能性は高まりつつあるようです。
MLB NETWORKのジョン・モロシ氏が以下のようにツイートしています。
Sources: #BlueJays, José Bautista's reps engaged in active contract discussions. @MLB @MLBNetwork
— Jon Morosi (@jonmorosi) 2016年12月29日
関係者からの情報としてブルージェイズとホセ・バティスタの代理人が活発に話し合いをしているとのことです。
ホセ・バティスタは1年1720万ドルのクオリファイング・オファーを拒否したことにより、獲得するチームは最上位のドラフト指名権を失うことになります。
しかし、35歳で迎えた2016年は故障もあり116試合の出場にとどまり、打率.234/出塁率.366/長打率.452/OPS.817、22本塁打、69打点という成績に終わりました。
また打撃面のみならず守備面でも不安を感じさせる数字が残っていることも、ネックとなっています。
セイバーメトリクスのデータでは守備防御点(DRS)が-8、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)を150試合換算したUZR/150は-9.3と大きくマイナスとなりました。
故障の影響もあったと考えられる2016年の守備のデータなのですが、実際には2015年に始まっていた傾向で、そのシーズンは守備防御点(DRS)が-3、UZR/150が-12.5と大きくマイナスとなっていました。
36歳となる上に、攻守で数字を落とした故障がちだった選手に、ドラフト指名権を失ってまでも複数年契約を提示するのはハードルが高い状況でした。
候補となるのは契約してもドラフト指名権を失わないブルージェイズと、1巡目指名権がプロテクトされる勝率の下位10チームでした。
その10チームはツインズ、レッズ、パドレス、レイズ、ブレーブス、アスレチックス、ダイヤモンドバックス、フィリーズ、ブルワーズ、エンゼルスです。
この中ではレイズが候補として上がっていましたが、年俸がかなりディスカウントされない限り難しい経済事情もあり、交渉は進展する気配がありませんでした。
ブルージェイズはクオリファイング・オファー以上の契約を提示する意向はないこと、つまり1年1720万ドル以上は出したくないことがネックとなっていて、複数年契約を希望していたバティスタ側と折り合えませんでした。
しかし、先週から今週にかけてバティスタ側が1年契約を受け入れる姿勢となったことで、交渉が進展し始めたようです。
ブルージェイズの今年の観客動員は339万2299人を記録して両リーグ3位、ヤンキースの306万3405人を上回りア・リーグ1位となりました。
その原動力となったのはチームの躍進とともに、人気の高いエンカーナシオンとバティスタの存在感があったことは間違いないと考えられています。
エンカーナシオンにシーズン当初に4年8000万ドルを拒否された後に、インディアンスにより規模の小さい3年6500万ドルで奪われたことに対する怒りの声がファンから上がっています。
ファンの人気の高いバティスタを連れ戻すことはブルージェイズにとってもメリットがありますし、外野の両翼は完全には定まっていませんので、補強ポイントにも合致します。
バティスタの代理人はYAHOO!SPORTSのジェフ・パッサン氏に”That’s where his heart is. He wants to go back there.”と、トロントに愛着があり、彼が戻りたいと思っている場所だと話しています。
すでに1億4300万ドルの契約が固定されているブルージェイズですが、1億6000万ドルまでは増やせるとも報じられています。
マイケル・ソーンダースとのコンタクトも継続しているとされるブルージェイズが、どのように契約をまとめロースターを編成するか注目されます。