コストパフォーマンスの良い2016年のFA契約は?米大手メディアが14選手をピックアップ

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2015年シーズン終了から2016年シーズンにかけてのFA市場は、投手でデビッド・プライス、ザック・グレインキー、野手ではジャスティン・アップトン、ヨエニス・セスペデスなど大物が揃う豪華なものとなりました。

しかし、FAの契約ではこのような大型契約ではなく、大きな投資をすることなくチームの戦力アップにつなげるスマートな補強も見逃すことができません。

CBSスポーツのMike Axisa氏が2016年8月26日付けの”Desmond, Fowler, and Napoli among MLB’s top bargain free agent signings in 2016″というタイトルの記事で、1年契約という短く年俸を抑えた契約でありながら大きな戦力となり、チームにとってバーゲンとなった14名の選手をリストアップしています。

Mike Axisa氏が選んだ14名と、コメントの簡単な要約は以下のとおりとなっています。

1. フェルナンド・アバッド(リリーフ投手・レッドソックス)

成績:防御率3.38/WHIP1.33/WAR0.7
元々はオフにアスレチックスがノンテンダー(契約を提示しないでFAとする)となったところを、ツインズがマイナー契約で拾った選手。移籍前は防御率2.65でWARは1.0だった。年俸は125万ドル

2. ジョー・ブラントン(リリーフ投手・ドジャース)

成績:防御率2.33/WHIP0.90/WAR1.6
2014年にアスレチックスの3Aで2試合に先発した後、シーズン中に引退したが2015年にカムバックした後ロイヤルズとパイレーツで良い働きをした。その結果、1年400万ドルの契約を手にした。ケンリー・ジャンセンの前のセットアップとして65回2/3をすでに投げている。

3. ライアン・バックター(リリーフ投手・パドレス)

成績:防御率3.00/WHIP1.09/WAR1.1
2014年にドジャース、2015年にカブスからリリースされたところを、パドレスがマイナー契約で拾った選手だが、今季のパドレスのベストのリリーバーとなっている。年俸はメジャー最低年俸の52万ドル

4. マット・ブッシュ(リリーフ投手・レンジャーズ)

成績:防御率2.91/WHIP1.06/WAR1.2
2004年に遊撃手としてドラフト全体1番目指名を受けるが、数週間後にナイトバーで暴行や未成年飲酒で逮捕され、39ヶ月刑務所に服役。釈放された後にレンジャーズが投手としてマイナー契約。メジャーまで急速にステップアップし、トップリリーバーの1人に。事件では自動車で人を殺す寸前までいったことは引っかかるが、この獲得は野球という面においてはレンジャーズにとってプラスになっている。

5. イアン・デズモンド(中堅手・レンジャーズ)

成績:打率.290/出塁率.338/長打率.471/本塁打21本/WAR3.0
クオリファイング・オファーを拒否したデズモンドは2月下旬まで契約を手に出来なかったが、遊撃手から外野手となることに同意したため、レンジャーズが1巡目指名権を放棄して1年800万ドルで契約した。この配置転換が上手いきオールスターにも出場した。

6. ダグ・フィスター(先発投手・アストロズ)

成績:防御率3.59/WHIP1.28/WAR1.9
ナショナルズでFA前の最終年を故障とみじめな成績で過ごし、価値を高めることを選んだため、アストロズは1年700万ドルで獲得できた。シーズン序盤はやや躓いたが、その後は安定した先発ローテ投手となった。タイガース時代のような投手ではなくなったが、手堅く馬車馬のように働くため、多くのチームがアストロズより良いオファーすればよかったと考えているはずだ。

7. デビッド・フリース(三塁手・パイレーツ)

成績:打率.273/出塁率.352/長打率.429/本塁打12/WAR:2.1
フリースが3月中旬まで契約できず、さらに1年300万ドルでしか契約できなかったことが信じられない。その結果、パイレーツは先週2年1100万ドルの契約延長をしている。

8. デクスター・ファウラー(中堅手・カブス)

成績:打率.274/出塁率.389/長打率.449/本塁打10/WAR:3.0
デズモンドと同様にクオリファイング・オファーによって行き詰った。一旦はオリオールズと3年3300万ドルで合意したと報じられたが、そこから方向転換しカブスと1年1300万ドル(2016年は800万ドル、2017年の相互オプションのバイアウトが500万ドル)で合意した。今年は彼にとってキャリアベストのシーズンとなっていて、相互オプションを彼が行使しないことは確実だろう。

9. マット・ジョイス(右翼手・パイレーツ)

成績:打率.269/出塁率.401/長打率.533/本塁打12/WAR:1.5
パイレーツは外野にレギュラー3人を抱えていたので、4人目の外野手が必要だったが、その役割を見事に果たしている。代打としても打率.277/出塁率.452/長打率.553で4本塁打という成績。パイレーツがマイナー契約で拾い、年俸は100万ドル。

10. ブランドン・キンツラー(リリーフ投手・ツインズ)

成績:防御率1.73/WHIP0.96/WAR1.4
ブランドン・キンツラーは現在、ツインズのクローザーを務め、13回のセーブ機会で12回成功している。トレード期限前には動かなかったが、8月のウェーバートレードで移籍する可能性がある1人。契約はマイナー契約から始まり、1年50万7500ドルの最低年俸と報じられる。

11. マイク・ナポリ(一塁手・インディアンス)

成績:打率.257/出塁率.342/長打率.502/本塁打29/WAR1.2
攻撃力だけのスラッガーを敬遠する動きが多くなる中、1年700万ドルでインディアンスと合意。今年はキャリア2回目の30本塁打目前で、地区首位を走るチームの4番を打っている。マーク・トランボ、クリス・カーターらとともに敬遠されながら成功している典型的なスラッガータイプの1人に。

12. スティーブ・ピアース(一塁手・オリオールズ)

成績:打率.292/出塁率.374/長打率.494/本塁打11/WAR2.0
どのくらいのチームがオフにピアースと契約しておけば良かったと考えでいるだろうか。おそらくほぼ全ての優勝を争うチームがそうではないだろうか。31歳からの遅咲きの選手だが、攻撃力があり多くのポジションをこなせるユーティリティプレイヤーだ。レイズはピアースを1年475万ドルで契約し、トレード期限前にプロスペクトと交換でトレードに出した。

13. フェルナンド・ロドニー(リリーフ投手・マーリンズ)

成績:防御率2.17/WHIP:1.19/WAR:1.7
39歳となったがが、いまだ健在だ。パドレスが1年200万ドルで獲得したが、防御率0.31/WHIP0.87と好成績を残し、プロスペクトとの交換でマーリンズに移籍した。マーリンズではパドレスの時のように活躍していないが、パドレスにとってはバーゲンだった。

14. カルロス・トーレス(リリーフ投手・ブルワーズ)

成績:防御率2.91/WHIP1.19/WAR1.5
スプリングトレーニングの間にメッツ、ブレーブス、ブルワーズと渡り歩いた。再建モードのチームで回跨ぎのロングリリーフをこなしている。通常この役割の投手の成績は良くないが、トーレスはそうではない。今季の年俸は95万ドルだ。

以上のような14名が選ばれています。

再建モードのチームにとって重要なのは、高額年俸の主力選手をトレードでプロスペクトを獲得する、下位に沈むことで早い順番のドラフト指名とインターナショナル契約の枠を多く確保して、有望な選手を獲得するといことです。

しかし、これとともに見逃せないのが、メジャー契約で低年俸のベテラン選手、マイナー契約のベテラン選手、他チームからDFAされた選手を拾っておいて、試合で起用して価値を高めてトレード要員とし、さらにプロスペクトを多く獲得するという手法です。

アトランタ・ブレーブスはクレイグ・キンブレル、ジャスティン・アップトン、メルビン・アップトン、ジェイソン・ヘイワードなど立て続けに主力選手を放出してプロスペクトを獲得したことで注目されました。

しかし、このような大きな動きだけでなく、低年俸のメジャー契約とマイナー契約のベテラン選手を多く抱えて価値を高めることでトレードに出し、多くの見返りを得ています。

そのためブレーブスは両リーグでもファームの層が薄いチームのひとつとされていた位置から、トップクラスのマイナーの充実度となっています。

またパイレーツやレイズのように予算に制限があるチームは、持ち味である育成力を活かして、ベテランを復活させたり、リリースされた選手を育てなおしたりすることで戦力とするチームもあります。

このように安い契約で選手を獲得することにはレンジャーズのような優勝争うチームが選手層を厚くするという以外にも、意味がある動きとなります。

今年のシーズン終了後のFA市場は人材が豊富ではありませんので、トレードでの補強とともに、掘り出し物を探すことも重要な動きとなりそうです。

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