アスレチックスが主力を放出するトレードを繰り返す意図は?ビリー・ビーンGMの次の一手は

Oakland Athletics Top Catch

オークラランドアスレチックスが捕手のデレク・ノリスとSeth Streichに加えて、インターナショナル・サイニング・スロット117($144,100)をサンディエゴ・パドレスに渡し、パドレスからジェシー・ハーン、R.J.アルバレスを獲得しています。

この結果、アスレチックスは2014年にオールスターに出場した7名のうち5名をトレードで放出したことになりました。

相次ぐ主力選手の放出に、現地のファンの中には「シーズンチケットを更新しない」という悲鳴にも近い声もあがるほど、チームの全体像が見えにくい状況になっています。

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12月19日時点の2014年シーズン終了後に行われたアスレチックスの補強のまとめ

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現状でのオフのアスレチックスの動きをまとめると以下のとおりとなります。選手のFAまでの年数を加えています。

獲得 退団
投手
・ショーン・ノリン(24歳・SP) 6年
・ケンドール・グレーブマン(23歳・SP) 6年
・クリス・バシット(25歳・SP) 6年
・ジェシー・ハーン(25歳・SP) 6年
・R.J.アルバレス(23歳・RP) 6年
・エウリー・デラロサ(24歳・RP) 6年
野手
・ビリー・バトラー(28歳・DH) 3年契約
・ブレット・ロウリー(24歳・3B) 3年
・フランクリン・バレット(18歳・SS) マイナー
・ジョー・ウェンドル(24歳・2B) マイナー
・マーカス・セミエン(24歳・SS) 6年
・ジョシュ・フェグリー(26歳・C) 6年
・ランゲル・ラヴェッロ(22歳・1B) マイナー
投手
・ジョン・レスター(30歳・SP) FA
・ジェイソン・ハメル(32歳・SP) FA
・ジェフ・サマージャ(29歳・SP) 1年
・ルーク・グレーガーソン(30歳・RP) FA
・マイケル・イノア(23歳・P) マイナー
野手
・ジェド・ラウリー(30歳・SS/2B) FA
・アルベルト・カヤスポ(31歳・3B/2B) FA
・ジオバニー・ソト(31歳・捕手) FA
・ジョシュ・ドナルドソン(29歳・3B) 4年
・ブランドン・モス(31歳・1B/OF) 2年
・デレク・ノリス(25歳・C) 4年

FAで出て行くジェド・ラウリーを引き留めれないのは予算に制約があるためやむを得ないわけですが、FAまでの期間も残っていたチームの主砲ジョシュ・ドナルドソンと3年間で76本塁打のブランドン・モス、そして主力の捕手であったデレク・ノリスまでもトレードで放出しています。

その一方で獲得した野手はショートにマーカス・セミエン、サードにブレット・ロウリー、ファースト/DHにビリー・バトラー、捕手にジョシュ・フェグリーとなり、メジャーでのキャリアはあるものの、トレードで放出した選手と成績で比較した場合には、物足りないことは否めません。

特徴的なのは、獲得している野手は、メジャーデビューして多くの試合に出場していないためFAまで6年残っているか、マイナーの選手では1年から2年のうちに昇格が予想される選手を集めています。

ただ、どの選手もトップクラスの評価を受けているような選手ではなく、ブランドン・モスのトレードで獲得した2Aのジョー・ウェンドルもインディアンスのプロスペクトランキングでは、チーム内の11番目にランクされていた選手です。

そのためファンの間からも、主力を放出しているのに見返りが小さいと、トレードに関して不満の声があがっていましたが、アスレチックスのフロントは異なった評価をしているようで、トレードで獲得する価値がある選手と考えているようです。

ただ、現状で打線を組むとすると、1.ココ・クリスプ(CF) 2.ジョン・ジェイソ(C) 3.ビリー・バトラー(DH) 4.スティーブン・ボート(1B) 5.ブレット・ロウリー(3B) 6.ジョシュ・レディック(RF) 7.マーカス・セミエン(SS) 8.サム・ファルド(LF) 9.エリック・ソガード(2B)というラインナップになると考えられます。

この打線では、2014年の成績で本塁打が一番多いのがジョシュ・レディックの12本塁打で、得点力を期待するには心もとなく、十分に戦える戦力とはいえないため、補強が必要な状況です。

投手はFAまでの期間が多く残りメジャー経験のある投手を獲得

FAでジョン・レスター、ジェイソン・ハメル、トレードでジェフ・サマージャの先発投手3人に、セットアップのルーク・グレーガーソンを失った投手陣ですが、トレードの結果、人がだぶつく状態となっています。

グレーガーソンを失ったリリーフには、R.J.アルバレス(8.0回/防1.13/WHIP1.00)とエウリー・デラロサ(36.2回/防1.39/WHIP2.95)とメジャーで結果を残していて、かつFAまで6年残っている若い投手を獲得しています。

R.J.アルバレスは100マイル近くに到達するファーストボールが高く評価されていて、ウィル・マイヤーズが絡んだ大型トレードで、レイズが要求したとされる投手で、2015年にブルペンで十分に期待できる選手です。

先発では、スコット・カズミアー(防3.55/15-9/WHIP1.16)、ソニー・グレイ(防3.08/14-10/WHIP1.19)、ドリュー・ポメランツ(防2.35/WHIP1.12)、ジェシー・チャベス(防3.45/8-8/WHIP1.31)と4人が残っていて、ジャロッド・パーカーとA.J.グリフィンが早ければ2015年のオールスター前に復帰してきます。

そこに少ないながらもメジャーで先発の経験があるクリス・バシット(6試合29.2回:防御率3.94/1-1/WHIP1.58)、ジェシー・ハーン(14試合73.1回:防御率3.07/7-4/WHIP1.21)の2人が加わりました。

さらにメジャーではリリーフ登板をしていますが、マイナーでは先発として経験を積んできたショーン・ノリン(防御率9.00/WHIP1.00)、ケンドール・グレーブマン(防御率3.86/WHIP0.86)の2人も加わり、獲得した際には、「2人に先発ローテを競わせる」とビリー・ビーンGMは話していました。

このオフに獲得した投手は、メジャーでの経験があり戦力として見込める状態でありながら、FAまで6年間を残し、年俸調停までも3年の猶予がある選手ばかりで、予算に制約が多いアスレチックスにとっては非常に重要な意味があります。

このようにスプリングトレーニングにおいて、先発ローテを競わせることができる投手が8人もいて、さらにシーズン中に2人が復帰してくる予定となっていますので、先発投手がだぶついている状態のアスレチックスです。

そうなると考えられるのが、FAまで残り1年のスコット・カズミアーと残り2年のジェシー・チャベスなどを含むパッケージで、打線の中軸を打てるような選手を補強することです。

すでに全国メディアと地元メディアでは、トロイ・トゥロウィツキー、ジャスティン・アップトン、イアン・デズモンド、ベン・ゾブリスト、ケーシー・マギー、ジェイ・ブルース、アレン・クレイグなどの名前が、噂や予想の段階ではありますが挙がっています。

アップトン、トゥロウィツキー、デズモンドに関しては全国メディアの記者が名前をあげているのですが、より詳しい情報を得ている地元メディアは可能性が低いと見ていて、それ以外の選手についてはあり得る補強の選択肢だと考えられています。

またこれらの選手の他にも、移籍前の5年間で23本塁打しか打てていなかったにも関わらず、アスレチックス移籍後の3年間で76本塁打を打ったブランドン・モスのような選手を発掘することにも力を注ぐことも予想されます。

通常、主力級の選手を放出するトレードを短期間に繰り返す場合には、再建モードに移行していると考えられるのですが、ビリー・ビーンGMはそのようなことを口にしていませんし、ボブ・メルビン監督は「2015年も優勝を狙うチームになるはずだ」と話しています。

目の前の1年の勝利に対する強い意欲を持つビリー・ビーンGMが数年先を見据えて、来年は育成に時間を注ぐというスタンスをとることは想像しにくいものがあります。

主力選手4人を放出することで、若い選手を12名獲得していますので、これからトレードを行うための交換要員としてのカードは手元に多くあります。

予算の柔軟性を生み出すために「年俸総額を削減する」こと、「ロースターを若返らせる」というオフ当初の目標は、トレードを敢行することで、すでに達成しています。

これから、いよいよチームをより強化するための直接的な補強が行われ、ビリー・ビーンGMが描いているロースター再構築の全体像が見えてくると予想されます。

どのような手を打ってくるのか、これからの動きが楽しみなアスレチックスです。