再建モードをオフも継続へ!アスレチックスの2017-18シーズンオフの展望

Oakland Athletics Top Catch

年俸総額の制約と度重なるトレード補強によりファームの選手層が薄くなっていたアスレチックスでしたが、ビリー・ビーン上級副社長は「待つことはできない」と述べて、再建(rebuilding)ではなく、整備(retool)を選び続けてきました。

2016年と2017年開幕時にも、再建モード以外には打つ手がないのではないかと言われるロースターと予算の状況だったのですが、ビリー・ビーン上級副社長は勝負を挑み続けることを選びました。

しかし、2014年にワイルドカードで敗退した以降は3年連続でポストシーズンを逃すだけでなく、地区最下位にも3年連続で沈みました。

このような現状を受けて2017年シーズン途中にビリー・ビーン副社長は、本拠地の新球場への移転のタイミングに合わせて、長期間に渡り継続的に優勝を争えるチームを作るために「再建モード」へ移行することを明言しました。
メディアにそのことを明かしています。


参考:アスレチックスが「大規模な再建モード」に移行!ビリー・ビーン副社長が今後の方向性を語る


その方針に沿って、エースのソニー・グレイ、ブルペンの軸だったショーン・ドゥーリトル、ライアン・マドソンらを放出した結果、トレード見返りとしてメジャーレベルに近いダスティン・ファウラー、ジェームズ・カプリエリンといったプロスペクトを複数獲得し、ファームの選手層も改善されました。

さらにメジャーレベルの野手では、リオン・ヒーリー(25歳:打率.271/出塁率.302/長打率.451/25本塁打)、マット・オルソン(23歳:打率.259/出塁率.352/長打率.651/24本塁打)、マット・チャップマン(24歳:打率.234/出塁率.313/長打率.472/14本塁打)、チャド・ピンダー(打率.238/出塁率.292/長打率.457/OPS.750/15本塁打)などが結果を残しました。

加えてMLB全体でも32番目にランクされ、チーム内でのNO.1プロスペクトであるフランクリン・バレットが、十分な結果は残せませんでしたが、メジャー昇格を果たしています。

野手の方ではチームのコアとなる期待ができる選手が台頭しつつありますし、投手においても若い選手たちがしっかりと経験を積んでいて、ロースターは若返り、育成が進んでいます。

このようにメジャーレベルとそれに近いマイナーレベルで、再建モードが予想以上に早いスピードで進んでいることもあり、上手く補強できれば2018年にも侮れない存在になる可能性があると予想する大手メディアの専門家もいるほどです。

ただ、あくまでも新球場へ移転した後に継続的に優勝を狙えるチームを編成していくことを優先するようで、シーズンオフの動きは保守的なものになると予想されています。

MLB公式サイトのジェーン・リー(Jane Lee)氏は記事の冒頭部分で以下のように書いています。

With the rise of these prospects, it’s easy to envision the A’s contending sooner rather than later. But the club, having pledged to a full-bore rebuild this year, will likely be conservative in its approach to winter wheeling and dealing.

「これらのプロスペクトの台頭により、アスレチックスが優勝を争う時が、予想よりも早く訪れることを容易に思い描くことができる。しかし、今年、徹底的な再建を誓ったアスレチックスの、オフのトレードの動きは保守的なものになりそうだ」とリー氏は予想しています。

シーズン終了後の記者会見や周辺の球団幹部から得た情報を元に、リー氏はアスレチックスのオフのスタンスを予想しているのですが、その展望は以下のとおりとなっています。

  • ベテランの先発投手:ケンドール・グレーブマン、ショーン・マネイア、ポール・ブラックバーン、ジェラル・コットン、ダニエル・ゴセット、ダニエル・メンデン、クリス・バシットといった若い先発投手に過剰な負担がかかることを防ぎ、2AのA.J.プーク、3Aのグラント・ホルムズらを育成するための時間稼ぎをするためにベテランの先発投手が必要。候補となるのがダグ・フィスター、アンドリュー・キャッシュナー、スコット・フェルドマン、トレバー・ケーヒル。
  • リリーフ投手:ショーン・ドゥーリトル、ライアン・マドソンが抜けた穴を埋めるべくブレイク・トレイネン、クリス・ハッチャーらをトレードで獲得も、全体的に層が薄く、最も弱いエリア。何かしらの解決策が必要。
  • 中堅手:穴となっているポジション。ただ、トレード補強により内部での選択肢が増えた。故障から順調に回復することが条件となるものの、ソニー・グレイのトレードで獲得したダスティン・ファウラー、ヨンダー・アロンソのトレードで獲得したブーグ・パウエル、チャド・ピンダー、ジェイク・スモリンスキー、マーク・カナ、プロスペクトのフランクリン・バレット、ヤイロ・ムニョスなども選択肢となる。

アスレチックスはトレード期限前の動きでは、センターを守れる若い外野手ということにこだわりをもって交渉していました。本命はヤンキースのエステバン・フロリアルだったようですが、獲得には成功できませんでした。
しかし、ヤンキース内でかなり高い評価を得ていたダスティン・ファウラー、二遊間に加えてセンターも練習していたホルヘ・マテオ、すでにメジャーデビューをしているブーグ・パウエルといった有望株を獲得していますので、目標はある程度達成したと考えられます。

チームが再建を優先する姿勢を示していますので、ベテランのセンターフィルダーを獲得するのではなく、基本的にはチームのコアとなる選手を探すため、名前があがっている上記の選手の起用が多くなりそうです。

投手陣とブルペン陣に関しては、若手の負担を減らしながら、シーズン中にトレードの交換要員を増やすために、余裕のある予算を利用してベテランを獲得することが予想されます。

年俸総額の上限が8500万ドル程度のアスレチックスですが、来季で確定しているのはサンティアゴ・カシーヤの600万ドルと、マット・ジョイスの600万ドルだけです。
仮にジェッド・ラウリーのチームオプションを行使したとしても、そこに600万ドルが加わるにとどまります。

年俸調停権を有しているクリス・デービス、マーカス・セミエン、ケンドール・グレーブマンといった選手がいるため2000万ドルから2500万ドルがさらに加わることになると予想されますが、それでも年俸総額は5000万ドルに届きません。

リッチ・ヒルのような掘り出し物を見つ、選手の価値を高めることに長けているアスレチックスです。
過去に実績があるものの今季は低迷して価値が下がっているベテラン選手を獲得して起用し、価値を高めた上でトレード市場に出せば、今以上にファームの選手層を厚くすることができています。

現在、ファームの層がMLB屈指となっているブレーブス、ホワイトソックス、フィリーズなどは、ベテランの再生とトレード放出をくり返すことによって多くの見返りを得ることに成功しています。
そういった成功例がありますので、再建モードへの移行を明言している、アスレチックスも同様の動きを見せることが予想されます。

現時点でも、オプションを行使しても来季が最終年となるジェド・ラウリー、残り2年しか契約がコントロールできず、年俸が1000万ドルを越える見込みのクリス・デービスといったトレード市場で価値がある選手もいます。

オフの焦点は「手持ちのベテランを交換要員として質の高いプロスペクトをトレードで獲得できるか」、「シーズン中のトレード要員とできるような掘り出し物の選手やベテラン選手を効率よく獲得できるか」となりそうなアスレチックスです。

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