この夏の戦力補強を狙うチームにとってトレードでの選手獲得とならんで、キューバから亡命しFA選手となったユリエスキ・グリエルは注目の的となっていました。
32歳ではあるもののその打撃はメジャーでプレーできるというレベル以上で、守備面でも優れているとされ、メジャーに所属していない選手としてはNO.1との評価を得ていたためでした。
そのグリエルの争奪戦に少なくとも5球団以上が参戦したのですが、ヒューストン・アストロズが5年4750万ドル(約50億円)で合意したいと複数メディアが報じています。
マイナーでの調整は1ヶ月あまりその後はメジャーの正三塁手か
ユリエスキ・グリエルは二塁と三塁をメインのポジションとしていますが、アストロズには二塁にホセ・アルトゥーべ、遊撃にカルロス・コレアというスタープレイヤーがいます。
その一方で三塁に関しては長打力のあるルイス・バルブエナがいるものの、今季のパフォーマンスはイマイチである上に、今季終了後にFAとなるため補強ポイントとなっていました。
ただ、アストロズにはアレックス・ブレグマンという有望株がいて3Aでは8試合で打率.389/本塁打5/打点14/出塁率.421/長打率.889/OPS1.310と絶好調でメジャー昇格間近となっています。
そのブレグマンはショートが本職ですが、昨年の新人王であるカルロス・コレアがいて、セカンドも空いていませんので、三塁を守ることになるのではないかと予想されていました。
そうなるとグリエルとポジションがかぶることになるのですが、FOXスポーツのケン・ローゼンタール記者は以下のようにツイートしています。
#Astros' plan, per source, is to play Gurriel at 3B once he is ready, possibly in three weeks or so. Unclear what this means for Bregman.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2016年7月15日
アストロズはグリエルがマイナーで実戦を重ねて調整が終われば三塁手として起用する計画のようだと、関係者からの情報として伝えています。
ただ、その有望株のアレックス・ブレグマンをどうするかまでは現時点ではわからないようです。
グリエルは1ヶ月程度のマイナーでの調整が終わればメジャーですぐに起用できる選手と評価されています。
アストロズはポストシーズン進出争いの只中にいるのですが、ポストシーズンで起用したい選手は8月末の時点でアクティブロースター(25人枠)に入れておく必要があります。
基本的にはグリエルをその枠に入れて、シーズン終盤とポストシーズンの起爆剤としたい意向があることが契約のタイミング、そして起用方法のプラン、そして契約内容からもうかがえます。
32歳のグリエルですが5年契約ということで報じられていますが、厳密には4年と半年の契約となることを米メディアの著名な記者であるジョン・ヘイマン氏が以下のようにツイートしています。
Gurriel deal with #astros is technically $47.5M for 4 1/2 years. 3.5M this year, then $14M, $12M, $10M and $8M
— Jon Heyman (@JonHeyman) 2016年7月15日
まとめると以下の様な契約内容になります。
- 2016(32歳)350万ドル(約3億7000万円)
- 2017(33歳)1400万ドル(約14億7000万円)
- 2018(34歳)1200万ドル(約12億6000万円)
- 2019(35歳)1000万ドル(約10億5000万円)
- 2020(36歳)800万ドル(約8億4000万円)
33歳となる2017年が年俸が一番高くなる設定で、それ以降は毎年200万ドルずつ下がっていく設定となっています。
ホワイトソックスのホセ・アブレイユほどのパワーはないとの見立てもありますが、守備面も含めたトータルではそれ以上の活躍が期待されています。
6月以降は24勝12敗(勝率.667)と好調で4月の7勝17敗というシーズン序盤のつまずきからカムバックし、ア・リーグ西地区では首位とのレンジャーズと5.5ゲーム差、ワイルドカードまで2.0ゲーム差まで、アストロズは浮上しました。
ユリエスキ・グリエルはアストロズが2年連続でポストシーズンに進出できるかを大きく左右する可能性のある選手となりそうです。