リッチ・ヒルが2016年トレード市場のNo.1スターター!36歳にしてブレイクアウトしたその理由とは?

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2016年シーズンのトレード期限前の先発投手のマーケットは人材が不足しています。

そのため先発投手を補強したいチームにとって多くの選択肢がないのですが、その中で一番注目集めている投手が、オークランド・アスレチックスのリッチ・ヒルです。

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7球団を渡り歩き36歳にしてトレード市場の注目選手となったリッチ・ヒル

リッチ・ヒルの年度別成績は以下の表のとおりとなっています。

Rich HIl Stats_20160711_2

これまでメジャーではカブス、オリオールズ、レッドソックス、インディアンス、エンゼルス、ヤンキース、アスレチックスと7球団を渡り歩いてきたジャーニーマンです。

2015年以前に一番高い金額の契約を手にしたのが2013年のインディアンスの時で、年俸は100万ドルにとどまります。

2007年には32試合195回で防御率3.92/11勝8敗/奪三振183/WHIP1.20と結果を残したものの、その後は先発として結果を残せず、2010年からはリリーフ専任となっていました。

ところが2015年の9月にレッドソックスで先発の機会が与えられ、その4試合で29.0回を投げて防御率1.55という素晴らしい成績を残します。

そこに目をつけたアスレチックスが36歳となるリッチ・ヒルに600万ドルという高値をつけて契約を結びました。

決して予算が大きいとは言えないアスレチックスが36歳のベテラン投手、しかも実績が素晴らしいわけでもなリッチ・ヒルに600万ドルを出したことは驚きだったようです。

ボストン・グローブ紙のニック・カファード記者は現地7月10日付けの”Rich Hill getting noticed before trade deadline”というタイトルの記事で以下のように述べています。

Then in the offseason, some were scratching their heads when Oakland gave Hill a one year, $6 million contract. But now we’re seeing why. His continued success will now result in the Athletics receiving good prospects for Hill at the trade deadline.

オークランド・アスレチックスが1年600万ドルで契約を結んだ時、どうしてこの金額をだすのかと疑問を感じるメジャー関係者が少なくなかったようです。

しかし、彼が2016年も13試合76.0回で防御率2.25/9勝3敗/奪三振90/WHIP1.09と好調をキープしているため、アスレチックスは高いレベルのプロスペクトを獲得できることになる見込みです。

では、なぜ35歳から36歳にかけてリッチ・ヒルは再びブレイクアウトすることができたのでしょうか。

そのことについてボストン・グローブ紙のニック・カファード氏が”Rich Hill getting noticed before trade deadline”というタイトルで記事にしています。

リッチ・ヒルにとって大きな出来事だったのが、昨年レッドソックスの3Aであるコーチに出会ったことだと、ニック・カファード氏は述べています。

First, he got to Pawtucket and encountered Brian Bannister, who has recently been called up to the Red Sox to help with their pitching woes. Bannister presented a whole new world to Hill, who took the information and was able to apply it to his repertoire and become a solid lefthanded starter.

最近レッドソックスは不振の投手陣のテコ入れのために3Aのブライアン・バニスター(Brian Bannister)がメジャーから呼ばれて、投手陣の整備に取り組んでいます。

そのブライアン・バニスターがリッチ・ヒルに全く新たな見識や情報を伝え、それを彼は自分の持っているものに応用することで、安定した左腕投手になれた、とのことです。

では、それがどのような情報であったのか?ということですが、以下のようにニック・カファード氏は説明しています。

He has what most experts call the best curveball in baseball, and that’s what Bannister talked to him about in Pawtucket.

“Brian took two pitchers that we studied because of the consistent success they’ve had over the years. We studied the elite of the elite ? Clayton Kershaw and Zack Greinke,” said Hill. “Brian pointed out that Kershaw threw his curveball 45 percent of the time. He basically emphasized that, take what you think are your best pitches and use them correctly.

長いので要約すると以下の様なものです。

  • ヒルのカーブはメジャーでもベストのものであると多くの専門家が評価しているが、その事実をバニスターが伝えた。
  • バニスターは長くコンスタントに成功している2人の投手、クレイトン・カーショーとザック・グレインキーを取り上げ、2人で研究した。
  • カーショーは投球の45%をベストピッチと言われるカーブが占めているように、ベストピッチを適切に投げることの重要性をバニスターは強調した。

リッチ・ヒルは自身のベストピッチがカーブであり、これをより頻繁に、かつ適切に使うことをブライアン・バニスターから教えられたようです。

それをさらにリッチ・ヒルは応用して自分に当てはめています。

So with me, it was not only throwing the curveball but throwing it at different speeds, changing the shape of it as well as manipulating the spin on the fastball. I’ve been trying to do that consistently. And the other traits of Kershaw and Greinke, put the pedal to the metal from pitch one to pitch 100 and give it all you can for as long as you can.”

「カーブの球速を変え、曲がる軌道を変え、そのスピン量も変化させて、それをコンスタントに行っている。」とのことです。

カーブをこれだけ巧みに操れる投手は少ないので、かなりの武器になるのですが、そういった才能を持っていることに、バニスターとの出会いで気づけたようです。

そして他のカーショーとグレインキーの特徴は、1球に1級に非常に集中してて、1球目から100球目まで出来る限り、フォーカスを保っていることだと気づき、それを自分もするように努力したようです。

リッチ・ヒル本人は以下のように述べています。

“I’ve finally reached the point in my career where I’ve learned to focus completely on the mound, (略) “I focus on each pitch, and that’s easier said than done. I’ve finally gotten there.

「プロキャリアにおいてようやくマウンドで完全に集中できるようになった。1球1球に集中している。これは口にするのは簡単で、実際に行うのは難しいが、ようやくそこに辿りつけた」とのことです。

リッチ・ヒルはフォーシーム、シンカー、チェンジアップ、スライダー、カーブの5種類を操るなど、基本的には器用な投手です。

フォーシームは平均球速が91マイルとメジャーでは平均以下ですが、キャリア全体では投球の47.73%、武器とされるカーブは35.45%となっていました。

しかし、2016年シーズンの数字を見るとフォーシームは46.25%と大きく変わらないのですが、シンカーをほとんど投げなくなり、代わって武器のカーブの割合が46.40%を占めるようになりました。

また新たに球速が極端に遅いスローカーブも少ないながら投げるようになっていますので、投球の中に占めるカーブの割合がかなり高くなりました。

キャリア全体で見てもシンカーは被打率.329、被長打率.553と有効ではない球種でしたが、それを減らして被打率.208、被長打率.291のカーブを増やした結果、より打たれにくくなったようです。

またカーブが増えただけでは単調になりますが、そこに軌道や回転量、スピードを変化させていますので、1つの球種以上のバリエーションがあるため、投球全体に幅ができているようです。

基本的にはオーバスロー、もしくはスリークォーターなのですが、カーブを横に大きく曲げたいときにはサイドハンドに近いところまで肘を落として投げています。

サイドハンドの時のカーブの曲がりはホワイトソックスのクリス・セールを思わせるものがあります。

カーブの曲がりは非常に鋭く、スピンも安定していて、メジャーでもベストのカーブの一つとされるのもうなずけるクオリティとなっています。

リッチ・ヒルに関して多くのチームが関心を示していて、レッドソックス、オリオールズ、ブルージェイズ、ロイヤルズなどが熱心にスカウティングを行っていると報じられています。

36歳のベテランですが2016年のトレード期限前の目玉となるリッチ・ヒル争奪戦は注目したいポイントとなっています。

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