マリナーズが獲得したホアキン・ベノワをデータ解析サイトのFanGraphsが高評価!その根拠と理由は?

Seattle Mariners Top Catch

レッドソックスが華々しくクレイグ・キンブレルをパドレスからトレードで獲得してブルペンの補強をした一方で、シアトル・マリナーズは同じくパドレスから38歳のホアキン・ベノワを獲得しました。

ホアキン・ベノワは2015年にキンブレルの前のセットアップとして、65.1イニングで防御率2.34/WHIP0.90と安定した投球を見せたのですが、年俸は750万ドルとクローザーではないリリーフ投手としては高額の契約が残っている投手です。

交換要員となった選手2人がトップクラスのマイナーリーガーではないとは言え、岩隈久志にも2年契約で1000万ドルをちょっと越えた金額しか提示していないともされるマリナーズにしては大盤振る舞いとも言える補強となりました。

来シーズン途中に39歳となるホアキン・ベノワに750万ドルは安くない契約のように思えるのですが、データ解析サイトのFanGraphsはベノワのリリーフ投手としての力量を高く評価しています。

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データ解析サイトのFanGraphsのJeff Sullivaが高く評価するその根拠は?

FanGraphsのJeff Sullivanはベノワが投げることができれば、まだ相手打線を封じることができるようだ、とその実力を高く評価しています。

ホアキン・ベノワは2006年のレンジャーズ時代にリリーフ投手に転向して、2009年には故障でシーズンを棒に振ったものの、その後の復帰後6年間、安定した成績を残し続けています。

そのベノワと以下の様な観点でJeff Sullivanは高く評価しています。

  1. 過去6年間で500人以上の打者と対戦した投手の中で「被wOBA」が.249でMLB全体で11位
  2. オフのリリーフの目玉の1人であるダレン・オデイよりwOBAが良い
  3. 右投げのベノワだが、打者の左右を問わずに抑えることができる
  4. 三振も奪える上に、バットの芯を外すことができ強い当たりを打たれることが少ない
  5. 38歳となった2015年シーズンも球速の衰えがない
  1. 過去6年間で500人以上の打者と対戦した投手の中で「被wOBA」が.249でMLB全体で11位

    wOBA(Weighted On-Base Average) とは打者の攻撃力を測る指標である。安打や四球など出塁を伴う要素などにより算出し、「1打席あたりにどれだけチームの得点増加に貢献したか」を示す指標です。

    この数字が良い打者は得点への貢献度が高いことになるのですが、この数字を低く抑えることができる投手は逆に、失点を減らす能力が高いことになります。

    ホアキン・ベノワは過去6年間で500人以上の打者と対戦した投手の中で「被wOBA」がMLB全体で11位とかなり良い数字で、クレイグ・キンブレルには及ばないものの、レイズのクローザーであるジェイク・マギーとは同レベル、ドジャースのクレイトン・カーショー、ジャイアンツのセルジオ・ロモをやや上回っているとJeff Sullivanは指摘しています。

  2. オフのリリーフの目玉の1人であるダレン・オデイよりwOBAが良い

    このオフのFA市場でトップリリーバーとして3年から4年の契約を手にすると予想されるダレン・オデイの過去4年間の被wOBAの.256よりも良い数字を、ホアキン・ベノワは6年平均で記録していることになります。

  3. 右投げのベノワだが、打者の左右を問わずに抑えることができる

    Jeff Sullivanはロイヤルズのケルビン・ヘレーラが打者の左右を問わずに抑えることができることをチーム首脳陣が高く評価しているが、その特質をはホアキン・ベノワも持ち合わせている。

    ホアキン・ベノワは右打者619人対して被wOBAが.240で過去6年間でMLB14位と素晴らしいだけでなく、左打者543人もwOBAが.257で36位と、こちらも良い数字となっていて、この対左打者への数字は、左投手で左打ちの打者に強いマット・ソーントンやケンリー・ジャンセンと同程度であると説明し、左右を問わずに抑えることできると言えるデータがあることを指摘しています。

  4. 三振も奪える上に、バットの芯を外すことができ強い当たりを打たれることが少ない
    4つ目のポイントですが、ホアキン・ベノワはバットの芯を外すことに長けているとJeff Sullivanは述べて、その証拠としてBABIPと打球の初速のデータを紹介しています。

    BABIPとは本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示すもので、ホアキン・ベノワの数字は過去6年間でMLB全体で2番目に低く、このオフのリリーフ投手の目玉であるタイラー・クリッパードと同様の数字であることを指摘しています。

    つまりフェアゾーンに飛ぶ打球の勢いが強くないため守備がアウトにしやすいということです。

    さらにStatcast dataではベノワが打たれた打球の初速スピード(基準となる最低数は100)が、2015年のメジャーの投手で最も遅いことを紹介しています。つまり芯で打たれた回数が少ないため、打球のスピードが遅くなっていることが、このデータからわかるということです。

  5. 38歳となった2015年シーズンも球速の衰えを感じさせる兆候がない

    最後に球速ですが、ホアキン・ベノワの平均球速は2010年が95マイルで2015年も同じ95マイル、スプリットは2010年が84マイルで2015年が85マイル、スライダーは2010年が87マイルで2015年が88マイルと、ほとんど変化がないことをJeff Sullivanは紹介し、球速に関しても年齢による衰えを感じさせる兆候はないと分析しています。

このようなデータ的な根拠をもって、ホアキン・ベノワは非常に能力の高いリリーフ投手であると結論づけています。

さらに現在FA市場でトップクラスのリリーフ投手となっているダレン・オデイやタイラー・クリッパードには複数年の契約を保証しないといけないリスクがあるが、長期のリスクを背負いたくないチームにとって1年ですむベノワは良い補強だと述べています。

ブルペンの防御率が両リーグ25位のマリナーズにとって重要なピースに

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マリナーズはブルペンの防御率が両リーグ25位となるなど、ブルペンが安定しなかったことが低迷する原因の1つとなりました。

このホアキン・ベノワの加入により、カーソン・スミス、トム・ウィルヘルムセン、チャーリー・ファーブッシュの4人で勝ちゲームの終盤を締めくくることになるわけですが、他の3人は反対の打席の打者、すなわち右投手は左打者、左投手は右打者に弱いため、左右を問わずに抑えることができるベノワの加入の価値は大きいだろうとJeff Sullivanは分析しています。

ホアキン・ベノワの年度別成績は以下のとおりとなっています。

Joaquin Benoit Stats 2015

2015年の65.1回で防御率2.34/奪三振63/WHIP0.90という成績も良いのですが、数年のスパンで見ても良い成績を残しています。

直近6年間の成績は388試合379回で防御率2.35/奪三振422/WHIP0.94で、奪三振率は10.02と非常に高い数字で、安定した成績を残し続けています。

また直近3年間では186試合186.2界で防御率1.98/奪三振200/WHIP0.91で奪三振率は9.64という成績となり、さらに良いものとなります。

このように数年に渡りリリーフ投手として安定した成績を残し続けています。

続いてホアキン・ベノワの球種と球速などのデータです。データはBrooksbaseballを参照しています。

Joaquin Benoit Pitches

持ち球はフォーシーム、スライダー、スプリットの3種類で、フォーシームが投球の45.53%、スプリットが34.91%、スライダーが19.57%となっています。

フォーシームは最速が97.6マイル、平均で95.3マイルと38歳という年齢を感じさせない球速を維持しています。

素晴らしいのはこの3つの球種がどれも効果的でフォーシームの被打率は.202、スライダーは.186、そしてスプリットに至っては.106という驚異的な数字となっています。

2014年シーズンに魔球とも言われた田中将大のスプリットの被打率が.157、被長打率が.209となっているのですが、2015年のホアキン・ベノワのスプリットはこれらの数字で上回ります。

また空振り率でも田中将大が46.01%であるのに対して、やや劣りはしますが43.92%になるなど、ベノワのスプリットは2014年の田中将大のスプリットと遜色ない威力を持っていると考えられる数字を2015年に残しています。

ホアキン・ベノワをクローザーにするとまではジェリー・ディポトGMは明言しませんでしたが、2013年のタイガース所属時には24セーブを記録するなど、セットアップとしてだけでなく、クローザーとしても期待できます。

WIN NOWという姿勢で2016年に勝負をかけるスタンスのマリナーズにとって、ホアキン・ベノワの果たす役割は非常に重要なものとなりそうです。

またクレイグ・キンブレルのように目立つ選手ではないホアキン・ベノワに目をつけるところも、これまでのマリナーズにはない補強の動きで、前任のジャック・ズレンシックGMとの違いを感じさせるものとなりました。

矢継ぎ早に補強に動いてロースターを再編するマリナーズのジェリー・ディポトGMの動向は、今後も目が離せないものとなりそうです。

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