5年目となるFA選手へのクオリファイングオファーの制度ですが、過去最高となった2015年の1年1580万ドルを上回る1720万ドルに設定されています。
2017年分のクオリファイング・オファーの期限は、アメリカ東部時間の11月7日の午後5時に設定されています。
そのメジャーリーグ(MLB)の2017年分クオリファイング・オファーの概要と提示された選手の一覧です。
1. クオリファイング・オファーの概要
MLBの上位125名の選手の平均年俸を元に算出されるクオリファイングオファーの金額ですが、続くFA選手の年俸の高騰を反映させる金額となっています。
2013年(2012オフ)の設定金額は1330万ドルで9人に、2014年(2013オフ)は1410万ドルで13人に、2015年(2014オフ)は1530万ドルで12人にそれぞれ提示され、いまだそれを受諾して契約したFA選手はいませんでした。
しかし、2016年は過去最多となる20人に提示され、そのうちブレット・アンダーソン、マット・ウィータース、コルビー・ラスマスの3人が受諾し、マルコ・エストラダはクオリファイング・オファーの受諾・拒否の選択期間中にブルージェイズと複数年契約で合意しています。
2017年はFA市場の人材が乏しいため、昨年の数を下回ると予想されています。
クオリファイング・オファーの概要をまとめると以下のようなものとなります。
【クオリファイング・オファーの概要】
- 球団はクオリファイング・オファー(以下、QO)を提示するかどうかをワールドシリーズ終了から5日以内に決定(2016年11月7日 5:00 pm ET)
- QOを提示された選手はワールドシリーズ終了から12日以内に、QOの契約条件を受諾し残留するか、拒否してFAを選択する。
- QOを拒否した選手は全球団と交渉可能になるが、その選手を獲得するチームは最上位のドラフト指名権を喪失。ただし、勝率が低い10球団の1巡目指名権は保護され、それ以降の最上位の指名権を失う
- QOを拒否された球団は、その選手が翌年のドラフトまでに他球団と契約した場合は、1巡目指名と2巡目指名の間で選手を指名できる補完指名権を獲得
- 2017年の1巡目指名権が保護される球団はツインズ(59勝103敗/勝率.364)、レッズ(68勝94敗/勝率.420)、パドレス(68勝94敗/勝率.420)、レイズ(68勝94敗/勝率.420)、ブレーブス(68勝93敗/勝率.422)、アスレチックス(69勝93敗/勝率.426)、ダイヤモンドバックス(69勝93敗/勝率.426)。フィリーズ(71勝91敗/勝率.438)、ブルワーズ(73勝89敗/勝率.451)、エンゼルス(74勝88敗/勝率.457)の10球団。
2. クオリファイング・オファーの提示を受けた選手とその動向一覧
エドウィン・エンカーナシオン(TOR・1B/DH)
・ブルージェイズがクオリファイング・オファーを拒否された後も、引き続き連れ戻したい意向。
ホセ・バティスタ(TOR・OF)
・ブルージェイズがクオリファイング・オファーを拒否された後は流動的で、エンカーナシオンの動向次第か。
ヨエニス・セスペデス(NYM・OF)
・残る2年4750万ドルの契約を破棄してFAを選択。メッツとセスペデス双方ともに再契約を視野に入れる。
ニール・ウォーカー(NYM・2B)
・直前まで提示の判断を待つものの、腰の手術からのリハビリの過程で問題が起こらない限り、クオリファイング・オファーを提示する見込みとESPNのアダム・ラビンが伝える。
ジェレミー・ヘリクソン(PHI・SP)
・ファンラグスポーツのジョン・ヘイマン氏がフィリーズが提示する見込みと伝える。
イアン・デズモンド(TEX・OF/SS)
・MLB公式サイトのTR.サリバン氏がジョン・ダニエルズGMがクオリファイング・オファーを提示すると明言したことを伝える。
デクスター・ファウラー(CHC・OF)
・ファンラグスポーツのジョン・ヘイマン氏がカブスが提示するものの、ファウラーは破棄する見込みと伝える。複数年契約を希望しているとの情報。
ケンリー・ジャンセン(LAD・CL)
・地元メディアのオレンジカウンティー・レジスターのビル・プランケットがドジャースが提示すると報じる。
ジャスティン・ターナー(LAD・3B)
・地元メディアのオレンジカウンティー・レジスターのビル・プランケットがドジャースが提示すると報じる。
マーク・トランボ(BAL・OF/DH)
・クオリファイング・オファーをトランボが拒否するのは確実。オリオールズは再契約も視野に入れる。
情報は確定するまで随時、追加していきます。