地区3連覇も4連覇の道は険しいものに?タイガースの2014シーズン前戦力分析

三冠王ミゲル・カブレラを中心にすえての圧倒的な攻撃力と強力な先発投手陣でア・リーグ中地区3連覇を飾ったものの、リーグ優勝決定シリーズではレッドソックスに苦杯をなめました。

2012年にワールドシリーズまで進出したこともあり、今年こそという雰囲気があっただけに、悔しいリーグ優勝決定戦での敗退でした。

そのタイガースの2013年の打撃と投手のスタッツは以下のとおりとなっています。

【打撃】
・得 点: 796点(2位)
・打 率: 0.283(1位)
・出塁率: 0.346(2位)
・長打率: 0.434(2位)
・本塁打: 176本(7位)
・盗 塁: 35個(30位)

【投手】
・防御率: 3.61(9位)
・QS  : 108回(1位)
・被打率: 0.247(8位)
・出塁率: 0.308(7位)
・WHIP : 1.25(9位)
・Save成功率:71.00%(9位)

打線は2013年のMLB最強の1つに数えられる結果で、投手陣も防御率3.61の9位、クオリティ・スタート数はバーランダー、シャーザーのサイ・ヤング賞投手2人のほかも安定した投手が5人揃い1位でした。

しかし、投手陣の防御率の内訳は先発陣が3.44で4位である一方、リリーフ陣は4.01で24位とレッドソックスに敗れる原因ともなりました。

そのデトロイト・タイガースの2014年の戦力分析です。

スポンサーリンク

タイガースの2014年戦力分析・評価

まずはこのオフに獲得した戦力と、失った戦力をまとめておきます。
【補強した選手の一覧】

  • イアン・キンスラー(2B)
  • ジョー・ネイサン(RP)
  • ラージャイ・デービス(OF)
  • ジョバ・チェンバレン(RP)
  • イアン・クロル(RP)
  • スティーブ・ロンバードージー(UTL)

【失った戦力の一覧】

  • プリンス・フィルダー(1B)
  • ジョニー・ペラルタ(SS)
  • オマー・インファンテ(2B)
  • ダグ・フィスター(SP)
  • ホアキン・ベノア(RP)
  • ホセ・ベラス(RP)
  • ブライアン・ペーニャ(C)

プリンス・フィルダーはイアン・キンスラーとのトレードですが、FAでペラルタ、インファンテ、そしてバックアップではあったものの65試合に出場した捕手のブライアン・ペーニャ、シーズン後半にクローザーを務めたベノアと主力が多くの流出しました。

さらに防御率3.67/14勝9敗/奪三振159/WHIP1.31のダグ・フィスターを放出して、イアン・クロル、スティーブ・ロンバードージー、ロビー・レイの3人を獲得しました。

他に補強で獲得したのはレンジャーズのクローザを務めたジョー・ネイサン、外野にスピードのあるラージャイ・デービスなどが主な選手となります。

タイガースの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧

予想されるタイガースの2014年のスタメンオーダーとベンチメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。

タイガースの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧
*ショートのホセ・イグレシアスは今季は少なくとも半分、多ければ全試合故障者リスト入りの可能性があるのですが、確定しだいこの情報を更新します。

打線に影響が一番大きいのはプリンス・フィルダーが抜けたことです。ミゲル・カブレラは素晴らしい打者ですが、三冠王をとれるほどの成績を残せたのは、プリンス・フィルダーの存在が理由の1つです。

カブレラが2012年のフィルダー加入で三冠王を獲り、2013年も連続三冠王も可能だった成績を残せたのは、大型契約にふさわしい活躍ではありませんでしたがフィルダーが後ろにいたためで、不在になることの影響がどこまであるかも懸念される点です。

また、野手の層が薄いのも悩みで、ホセ・イグレシアスの故障で、代役が内部で見つからない状況からもわかるとおり、内野のバックアップも多くありません。

打線は、イアン・キンスラーが2009年と2011年に30本塁打したような成績を残せばまた別の話ですが、仮にそうであったとしても、ペラルタ、インファンテも抜けていますので、攻撃力は低下する可能性が高いです。

期待できるのは今季からサードのレギュラーとなり、プロスペクトランキングでも15位と高い評価のたニック・カステラノスの成長ということになりそうです。

タイガースの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧

予想されるタイガースの2014年の先発ローテーションとブルペンのメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。

タイガースの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧

投手はバーランダー、シャーザーのサイ・ヤング賞コンビにアニバル・サンチェス、リック・ポーセロもいて、強力な先発投手陣です。ただ、このオフにトレードに出したダグ・フィスターが残っていれば文句なしでした。

ダグ・フィスターを放出してリリーフのイアン・クロル、内外野を守れるユーティリティプレーヤーのスティーブ・ロンバードージー、プロスペクトランキングで97位のロビー・レイを獲得しました。

リリーフが手薄、内野のバックアップが弱い、投手のプロスペクトがいないという3つの問題に同時に対応する意図が見えるトレードでした。

が、非常に評価が別れるトレードとなっています。つまり釣り合いがとれていないのでは?という疑問の声が少なくありません。

そのダグ・フィスターが抜けた先発ローテには、2012年には先発で投げていて、2013年はリリーフとして好成績をおさめたドリュー・スマイリーが入ります。そのスマイリーが抜けたリリーフには、トレードで獲得したイアン・クロルがおさまることになります。

しかし、先発、リリーフともに戦力アップしたとは考えにくい配置転換となっています。

その中で好材料といえるのは、クローザーにジョー・ネイサンが座ることで、セーブ失敗の少ない投手ですので、ホアキン・ベノアがクローザーに座るまで苦労した昨シーズンよりは安心できそうです。ただ、年齢が39歳なので故障の懸念は残ります。

総括・まとめ

年俸の予算額の問題もあり、FAで主力が流出したにもかかわらず、予想されていたより大きな補強に動かなかったタイガースでした。その代わりに行ったのが主力級選手のトレードでした。

ただ、そのトレードの成果として、タイガースの問題を根本的に解決したとは言いがたく、地区4連覇に向けて不安材料を抱えています。

プリンス・フィルダーの放出は、成績が落ちていくだろう年齢にさしかかった選手の高い年俸(2400万ドル)を負担しなくてすむようになったことは、高く評価されています。

ただ、こと2014年のことだけを考えると、戦力ダウンであることは間違いありません。

そして、失敗のトレードとまで評するメディアもいるダグ・フィスター放出で、強力だった先発投手陣を戦力ダウンさせ、タイガースの抱える様々な問題を表面的に埋めるだけにとどまってしまいました。

2013年はインディアンスに1ゲーム差まで追い詰められ、ロイヤルズは戦力が整ってきていますし、インディアンスは若手次第の面はありますが、伸び盛りの選手が多く爆発力があります。

タイガースは、プロスペクトもサードに座るニック・カステラノスとトレードで獲得したロビー・レイだけと育成システムもやや停滞気味で、トレードに出せるプロスペクトがいません。

さらに、メジャーレベルの選手層が薄く、メジャーとマイナー共にトレードで良い選手を獲得するのが難しい状況にあります。

一番の課題であったブルペンの補強もうまくいったとは言いがたく、先発投手陣の頑張りと、主力クラスの選手が揃ってフルに力を発揮しないと、久々にプレーオフを逃す可能性も十分にあり得る状況です。

インディアンスとロイヤルズの両チームとの混戦は避けられなさそうな2014年のタイガースです。