上位打線はMLB屈指の強力さも不安は?レンジャーズの2014シーズン前戦力分析

2013年は9月にまさかの失速をし、その悪い流れを断ち切れないままプレーオフを勝ち進むことのできなかったテキサス・レンジャーズでした。

打線はかつてのような強力さは失われたものの、MLBでもトップクラスの得点力と安定したブルペンの力で勝ち星を積み重ねた2013年でした。

チームの打撃と投手の各スタッツは以下のとおりとなっています。

【打撃】
・得 点: 730点(8位)
・打 率: 0.262(7位)
・出塁率: 0.323(10位)
・長打率: 0.412(7位)
・本塁打: 176本(7位)
・盗 塁: 149個(2位)

【投手】
・防御率: 3.62(10位)
・QS  : 77回(25位)
・被打率: 0.248(9位)
・出塁率: 0.313(11位)
・WHIP : 1.28(11位)
・Save成功率:81.00%(1位)

攻撃陣は5本の指に入るほどではありませんが、それでも十分に強力と言える打線です。一方の投手陣は打者有利の本拠地でありながら、防御率は全体で10位と他のスタッツもそこそこの数字ですが、唯一悪い数字となっているのが、クオリティスタート数77回(25位)でした。

セーブ成功率はMLB全体で一番高く、またリリーフ陣の防御率2.91も全体で4番目と非常に良い数字となっていますので、弱点は明らかに先発投手陣でした。

そして、このオフに行ったレンジャーズが行った補強は、強打者2人の獲得でした。

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レンジャーズの2014年戦力分析・評価

まずはこのオフに獲得した戦力と、失った戦力をまとめておきます。

【補強した選手の一覧】

  • プリンス・フィルダー(1B)
  • 秋 信守(OF)
  • トミー・ハンソン(SP)
  • J.P.アレンシビア
  • マイケル・チョイス(OF)
  • ジョー・ソーンダース(SP)

【失った戦力の一覧】

  • ジョー・ネイサン(Closer)
  • マット・ガーザ(SP)
  • ネルソン・クルーズ(OF)
  • ジェフ・ベイカー(UT)
  • イアン・キンスラー(2B)
  • デビッド・マーフィー(OF)
  • A.J.ピアンジンスキー(C)

高いセーブ成功率を成し遂げたのはジョー・ネイサンの力量による部分が大きい2013年で、特に昨年のは防御率1.39/WHIP0.90/奪三振率10.16という素晴らしい数字を残しました。その絶対的なクローザーがこのオフに流出してしまいました。

また先発投手が手薄な状態でマット・ガーザがFAでいなくなったのも、少なからぬ痛手で、先発候補として獲得したのは病み上がりのトミー・ハンソンと不安定なジョー・ソーンダースの2人でした。

打者ではネルソン・クルーズとA.J.ピアンジンスキーと2013年の打線の主力が抜ける一方で、プリンス・フィルダーと秋信守を獲得し、打率は低いものの長打力はあるJ.P.アレンシビアを獲得しています。

レンジャーズの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧

予想されるレンジャーズの2014年のスタメンオーダーとベンチメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。

レンジャーズの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧

出塁率が4割を超える秋信守で、パンチ力もある上に、盗塁もできるスピードも兼ね備えますので、9番のレオニス・マーティン、1番の秋信守、2番のエルビス・アンドラスの3人のスピードは対戦チームの脅威となりそうです。

またプリンス・フィルダーが打者有利のアーリントンで本塁打を増やすであろうことが予想されますので、スピードのある3人の後に、フィルダーとベルトレが並びますので、得点力は増しそうです。

レンジャーズの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧

予想されるレンジャーズの2014年の先発ローテーションとブルペンのメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。

レンジャーズの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧

デレク・ホランドがケガで離脱し、マット・ハリソンの回復も遅れていて、いつMLBで投げれるかは見通しがついていませんので、開幕時は両者とも故障者リスト入りは間違いありません。

その穴を埋める予定なのが2013年に防御率5点台のジョー・ソーンダースに、昨シーズンは身内の不幸もあり精神的な病で苦しんだトミー・ハンソン、肘の故障からの復活を目指すコルビー・ルイスらとなっていて、明らかに苦しい布陣です。

またアレクシー・オガンドも2011年に169.0回を投げた後に4回も故障者リスト入りをしていて、決してタフな投手ではありません。

このような状況のため、若いマーティン・ペレスに期待をかけるしかない状況となっています。もし、これでダルビッシュが腰痛を再発させようものなら、完全に崩壊しかねない層の薄さとなっています。

また昨年は盤石だったブルペンも、今シーズンは不安があります。ジョー・ネイサンが抜けたクローザーには、当初、タナー・シェッパーズのクローザー転向も検討されましたが、現時点では2010年に40セーブ、2011年に32セーブを上げたネフタリ・フェリスの復活に期待をかける見通しです。が、故障あがりのため不透明な部分は残っています。

ただ、そのほかのブルペンの顔ぶれは変わりませんので、クローザー以外は昨年と同じような安定感は期待できそうです。しかし、シェッパーズをクローザーにまわす必要があるとなると、また事情は変わってきそうです。

総括・まとめ

プリンス・フィルダー秋信守を獲得し、攻撃力はアップしそうです。その一方でこの2人への年俸の負担がレンジャーズの選択肢を狭くしてしまいました。

フィールダーの年俸は2014年-20年まで毎年2400万ドルで、16年-20年の6年間は毎年タイガースが600万ドルを負担しますので、レンジャーズは2016年以降は毎年1800万ドルの負担となります。また秋信守には14年と15年に1400万ドル、16年-18年に2000万ドル、19-20年に2100万ドルという金額を毎年支払う契約となっています。

その結果、秋信守との契約後には、ジョン・ダニエルGMはしきりに「予算は使いきった」と述べる状況になりました。

そこに追い打ちをかけたのがデレク・ホランドの離脱マット・ハリソンの回復の遅れでした。

先発投手陣は、この2人が帰ってくるのを待つしかないのですが、その2人のバックアップ要員も故障がち、もしくは故障からの回復途上にある投手ばかりです。

先発とクローザーはすべて“順調にケガから回復すれば・・・”という条件付きのものばかりで、チーム編成上のリスクマネジメントができていたとは言い難いレンジャーズの現状となっています。

また打線も上位は強いが、下位打線はやや弱いとの指摘する専門家もいて、弱い先発投手陣をカバーできるほどの得点力を発揮できるかという疑問符がないわけではありません。

昨年の先発投手陣のクオリティスタート数77回のうち、ダルビッシュが21回、デレク・ホランドが22回で、続くのはマーティン・ペレスの11回に、アレクシー・オガンドの6回です。

かなり不安定な先発投手陣の状況なのですが、予算が残っていないとのことで、FA投手の獲得にも動けていません。

何とかデレク・ホランドが戻ってくる時まで、マット・ハリソンが回復してくる時まで、打線の援護でチームが持ちこたえることができるかどうか次第となりそうな2014年のテキサス・レンジャーズです。